魔改造「マーチ」どう使う? 超低床トラック実現のワケ 「人とくるまのテクノロジー展 2025 YOKOHAMA」 ジヤトコ/日野自動車

ジヤトコブースに改造された「マーチ」が!  公益社団法人自動車技術会が主催する「人とくるまのテクノロジー展 2025 YOKOHAMA」(通称:人テク)が、2025年5月21日から23日の3日間にわたってパシフィコ横浜(横浜市西区)で開催されました。最新技術や製品を世界に向けて発信することを目的とした、自動車技術における国内最大の展示会で、617社が出展。そのなかから今回は、ジヤトコと日野自動車のブースについて紹介します。 ジヤトコが展示していた、K12型「マーチ」をベースにした「e-Axle(超小型)」搭載ユニットテストカー  自動車用自動変速機(AT・CVT)や電動車両用パワートレインのメーカーであるジヤトコのブースでは、日産自動車向け電動パワートレイン3-in-1(電気自動車用)や、5-in-1(e-POWER用)などを展示。多くの人がブースを訪れ、展示に見入っていました。 【画像】「魔改造マーチ」の心臓部を画像で見る(34枚)  そんなジヤトコのブースのなかでも、ひときわ目を引いていたのが、K12型「マーチ」をベースとしたオリジナルの「e-Axle(超小型)」搭載ユニットテストカーでした。 正体は社内の“クルマ好き”が手掛けたテストカー  一見すると、「マーチ」の“カップカー”のようなロールケージが印象的なこの車両は、エンジンルームとリアのトランクフロア部分に、それぞれ60kWクラスの出力を持つユニットを搭載した電動4WD仕様。製作にあたっては人材育成の意味合いも込めたそうです。  この車両に搭載されるモーター、インバーター、ギアボックス(減速機)で構成される3-in-1ユニットはジヤトコの内製となっており、前後の駆動配分を変更するコントローラーなどもすべて自社製とのこと。前後の駆動配分を自由に設定できるため、4WDのような走りはもちろん、FF(前輪駆動)にもFR(後輪駆動)にもできるといいます。 「e-Axle」はリアのトランクフロア部分にも収まる  ベースの「マーチ」はもともと、リアに駆動用の小型モーターを備えたe-4WD仕様でしたが、「e-Axle」はそのトランクフロアとツライチに収まるほど小型化されている点に注目です。  テストカーではあるものの、開発メンバーにクルマ好きが多いということで、低められた車高のほか、エアロパーツにADVANのタイヤホイールを装着している点などが、同じクルマ好きの筆者(小鮒康一)にも刺さるポイントとなっていました。 荷室に椅子とエアコンが!? 日野「デュトロ」の快適空間とは  商用車メーカーとして知られる日野自動車は、物流における効率化やカーボンニュートラル、安全性の向上などをテーマに先進技術を紹介。なかでも注目を集めていたのが、BEVトラックである「デュトロZ EV」をベースとした「モバイルオフィス」仕様車でした。  リアの荷室部分が超低床となっており、楽に乗り降りができます。まさに、ウォークスルー構造を生かした形です。 日野自動車が展示していた、モバイルオフィス仕様車の「デュトロZ EV」  荷室部分にはテーブルと大型のワークチェア、モニター、さらにエアコンが備わり、そこで快適に仕事や打ち合わせができるというもの。BEVなので、ここに備わる電化製品はすべて、車両の電力から賄えます。  ベースの「デュトロZ EV」は、フロントキャビンこそ通常の「デュトロ」と同じスタイルですが、駆動系はフロント部分に集約したFFレイアウトとなっています。パワートレインは、駆動用バッテリーを車両中央部に搭載するミッドシップを採用し、これはキャビン後方に位置。これこそが、低床化が可能になった理由です。 BEVならではの強みとは 災害時に真価を発揮!  すでに宅配業者などのラストワンマイルを担う存在として広く活用されている「デュトロZ EV」ですが、今回の展示ではモバイルオフィスとしての活用だけでなく、有事の際の移動式指揮車としての活用もアピールされていました。専用機器(別売り)により、家庭用100V電源として外部へ電力を供給できる点も、災害時には重宝するでしょう。 リアの荷室部分には、テーブルと大型のワークチェア、モニター、エアコンが備わる  いわゆる「箱車」のような見た目ですが、普通免許で運転できるという点も、特に有事の際には心強いポイントです。  最近ではBEV主体というよりも、BEVとICE(内燃機関)それぞれの長所を生かせる分野を見極め、適材適所で導入していく考え方にシフトしつつありますが、「モバイルオフィス」仕様の開発は、BEVならではといえるでしょう。

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