【第10回】森口将之の『もびり亭』にようこそ:鎌倉は歩いて巡ってこそ楽しめると実感

モビリティに関する課題 6月下旬の日曜日、僕は『知りたいね、ミライのまちのこと〜徒歩15分都市のシアワセ〜』というプログラムに参加していました。 舞台は神奈川県鎌倉市。でも、テーマでおわかりのとおり、鶴岡八幡宮や小町通りなどの観光地を巡るような内容ではありません。ここで暮らす人たちに向けたプログラムでした。 鎌倉駅近くの路地を歩く参加者。 森口将之 鎌倉市はオーバーツーリズムだけでなく、幹線道路の渋滞、高齢者の移動など、モビリティに関する課題がいろいろあります。 一方で、市の西部にある深沢エリアでは、隣接する藤沢市村岡エリアにJR東日本東海道本線の新駅が生まれる予定で、湘南モノレール湘南深沢駅との間のエリアで再開発が始まっています。 そんな中、私たちはどのようなまちを未来に残し、どのようなまちで暮らしたいのか。近年世界で注目されている『15分都市』や『ウォーカブルシティ』という考え方を取り入れながら、いっしょに考えていこうという場だったのです。 主催する『鎌倉ウェルビーイングラボ』は、以前から毎年春と秋に、『鎌倉ワーケーションWEEK』というプログラムを運営してきましたが、今年の春から研修や地域共創のプログラム、ワーケーションやキャリアコーチング、環境学習・視察ツアーなど、より幅広い活動をしていくことになり、名称を一新したものです。 そして共催として、ヤマハ発動機(以下ヤマハ)のまちづくり活動『Town eMotion(タウン・イモーション)』が関わっています。ヤマハはただモビリティを作るだけでなく、地域が抱えるさまざまな社会課題を解決するために、産官学連携でモビリティを活かしたまちづくりへの貢献を続けているのです。 ワークショップにも参加 僕は東京の世田谷公園での活動でTown eMotionと出会い、茨城県つくば市と鎌倉市でのトークイベントに参加させていただきました。 このうち鎌倉の回は、鎌倉ワーケーションWEEKのメニューのひとつでした。そんなご縁もあり、今回もお声がけいただいたというわけです。 気になったスポットは吹き出しカードとともに撮影。 森口将之 プログラムは、次の3回に分けて行われました。 第1回|6月8日 知る・考える『ウォーカブルシティって何? 鎌倉の未来を知り、語ろう』 第2回|6月29日 体験する『歩いて感じる、ミライのまちのつくりかた』 第3回|7月6日 深める・つなげる『事例から考える!みんなでつくるウォーカブルな未来』 僕は第2回に、一般社団法人あるっこ代表理事の並木有咲さんとともに登壇しました。 当日のプログラムは前半がウォーキング、後半がワークショップで、僕の任務はワークショップの冒頭で短いプレゼンテーションをすることでしたが、プログラム全体に興味があったので、最初から参加しました。 並木さんがコーディネートしたウォーキングでは、4種類の『吹き出し』カードを、気になるスポットとともにスマートフォンで撮影して、LINEのオープンチャットにアップしていきながら歩きます。これがけっこう面白くて、みんな夢中になっていました。まちをしっかり観察することができるし、素晴らしいツールだと思いました。 さらに鎌倉駅西口の市役所前を出発し、駅周辺を巡ったあと、JR横須賀線と湘南モノレールを乗り継いで、深沢エリアに移動するスケジュールも新鮮でした。モノレールが空中を走ることもあって、同じ日に同じ鎌倉市内のまったく違う2つのエリアをワープするような感じでした。 だからでしょう、深沢エリアにあるベースを使ってのワークショップでは、予想以上に活発な議論が交わされました。僕もこの種のワークショップは何度か体験がありますが、その中でも成功と言える内容だったと感じています。 歩くスピードだからこそ見えるもの 僕は昔、藤沢市に住んでいたことがあります。しかも数分も歩けば鎌倉市という場所にいたこともあって、鎌倉駅西口は何度か訪れたことがあるのですが、あらためて観察すると、徒歩でないと巡れないような細い道に、おしゃれなお店がいくつもあったりして、いろいろな発見がありました。 そして深沢エリアでは、モノレールの駅から見下ろす再開発エリアがとにかく広大で、真っ白なキャンバスというフレーズを思い出しました。この土地がどのように変わっていくのか、ワクワク感が高まりつつあります。 深沢エリアの再開発地区の脇を行く。 森口将之 ここに都市機能の一部を移すことができれば、市民も鎌倉駅周辺の混雑から少し解放されるのではないかと思ったりしました。 最近鎌倉に行った人であれば、すべての移動をクルマに任せると、さまざまな問題を引き起こすことが予想できるでしょう。歩いて15分程度で行ける距離なら、観光で訪れた人たちも徒歩や自転車などを活用したいものです。 歩くスピードだからこそ見えるものがあるし、前に書いたように徒歩でないと入れない路地もあります。そういう場所での発見が、特定のスポットに固まりがちな観光客を分散して、地域に暮らす人たちにとって心地よいまちにつながるのではないかと、自分の足で実際に歩くことで教えられました。 鎌倉ウェルビーイングラボでは、おそらくこれからも、このようなプログラムを用意してくれるのではないかと思っています。鎌倉のまちづくりに興味がある人は、気になる人はオフィシャルサイトをたまにチェックしてみてはいかがでしょうか。

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