【エスクードではなくeビターラ】BEVと内燃機関の良いとこ取り!スズキ登録車初の電気自動車は『良く出来たクルマ』

エスクードではなくてビターラ スズキから同社登録車初のBEV『スズキeビターラ』が、日本でも今年度中に発売予定だ。一部メディア向けに事前試乗会が模様されたので、開発責任者のコメント共に走らせた印象をまとめておこう。 【画像】スズキ登録車初の電気自動車!コンパクトSUV『eビターラ』登場 全157枚 スズキ・ビターラは、エスクードとして日本にも数年前まで導入されていた。そのBEV版がeビターラと勘違いしてしまいそうだが、実はそうではなく、全くの新規開発車両だ。 スズキから同社登録車初のBEV『スズキeビターラ』が、日本でも今年度中に導入予定。 スズキ チーフエンジニアの小野純生さんは、「プラットフォームからすべて違います」としたうえで、「スズキのイメージはSUVやアウトドアです。そこで初めてのEVですから、お客様がイメージしやすいことを第一に考えビターラの前にEVのEを付けたのです」とネーミングを説明。 エスクードという名称に関しては、「かなり社内でも議論したのですが、スズキのEV世界戦略車ということで、世界統一の名前にしました」とのことだった。 また、日本に導入した理由について小野さんは、「EV市場形成がまだまだだから」という。 「EVの良さやEVとは何ぞやということをお客様に知らしめていないのが現状で、悪循環になっています。つまり、クルマが売れないからクルマが少ない。だから、お客様も買わないということ。そこにメスを入れたい。お客様にEVはこういう良いところもあるということをいいたくて日本にも導入しました」とコメント。 一方で、「販売は苦戦するでしょうね」とも。スズキは業販が強いので、そこでのEVの周知がキモとなりそうだ。 BEVであることを忘れそう そんなeビターラを、実際に走らせてみよう。今回はまだナンバー取得前のため、袖ヶ浦フォレストレースウェイでのプロトタイプ試乗となった。 まずステアリングを握ったのは、61kWhの2WD。ゆっくりとコースインして様子を見ながら最初に気付いたのが、静粛性の高さだった。限られた環境ではあるが、ロードノイズの侵入は非常に低く抑えられ十分満足のいくもの。 「プラットフォームからすべて違います」とチーフエンジニアの小野純生さん。 内田俊一 そして乗り心地の良さにも驚いた。サスペンションがしなやかで、段差を超えた時などはきれいにショックを吸収してくれる。また、コーナーに侵入して徐々にアクセルペダルを踏み込んでいくと、フロントもリアもしっかりと路面を捉え、安心感のある走りを披露する。 ステアリングフィールも満足のいくものだ。きちんと路面からのフィードバックをドライバーに伝えて来るし、フロントがグリップを失うタイミングもしっかりと把握できた。 もうひとつ驚いたのは、低重心感が強調されていないことだ。重いバッテリーを床下に配することで低重心化は可能だが、それが行き過ぎると特にルーフあたりで違和感のある揺れ方になりがち。しかし、およそ30分間コース上を走り続けると、途中からBEVという意識は完全に忘れ去り、まるでよくできた内燃機関車を操っている印象なのだ。 BEVらしさといえば、回生ブレーキを強めにセットすれば、アクセルペダルを戻すと適度な減速も得られる。60km/h程度で流す分にはブレーキペダルに足を乗せる機会はほとんどなかったので、BEVと内燃機関の良いとこ取りという印象だった。 さらに安定したコーナリング この印象は4WDに乗り換えてもほぼ同じだ。コーナリング時にアクセルペダルを踏み込むと、2WDよりもリアから押される感じが伝わってくることと、コーナリングスピードが1割から2割程度上がるほど、安定したコーナリングだということは強調しておきたい。 両方乗り比べてどちらもまさに自然なクルマの動きで、全ての操作において内燃機関車から乗り換えてもほぼ違和感はなく、ストレスなくステアリングを握ることができた。 内燃機関車から乗り換えてもほぼ違和感はなく、ストレスなくステアリングを握ることができた。 スズキ 気になる点もいくつか挙げておきたい。 まず、シートの表皮が滑りやすく、かつサイドサポートが弱いのはぜひ改良してもらいたい点。これだけよく出来たクルマであれば、長距離も走りたくなるだろう。その時に疲れを誘発することになりかねないからだ。付け加えるなら、もう少しヒップポイントを下げられるとさらに乗りやすくなるだろう。斜め左後方の死角が大きい点も気になった。 インテリアは上質なもので、ブラウンのトリムが品の良さも感じさせる一方、センターコンソール周りにピアノブラックを多用しているが、指紋や傷つきが気になってしまう。そろそろ次の加飾を開発してもいい頃だと思う。 eビターラをひと言で表現するなら『自然なクルマ』といえるだろう。内燃機関やBEVというカテゴリーを飛び越えた、『良く出来たクルマ』だった。一般路で走らせるのが楽しみな1台といえよう。

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