衝撃! 突然の「大雨」で道路が冠水、どうする? 事前事後の対処方法は? JAFテストに見る危険性とは

冠水道路で各車種はどう走れる? JAFが検証した衝撃の結果  全国各地でゲリラ豪雨などが予想されています。このような突然の大雨では目の前の道路が突如として冠水することもあります。  そもそも冠水路にはどのような危険が伴っているのでしょうか。 【画像】「えっ…!」これが激しい雨がもたらした「”冠水”地獄絵図」です!画像で見る(18枚)  JAFは2025年7月9日に「路冠水時、車両の走行性能・安全性は?〜冠水路に見立てたコースを各車両で走行検証〜【JAFユーザーテスト】」と題した検証動画を公開しており、その内容を元に解説していきます。 突然の冠水…どうする?(画像はイメージ/フォトAC)  近年、台風や豪雨による道路冠水被害が増加しています。2019年の台風19号では首都高速道路のアンダーパスや都心部の地下道が冠水し、多くの車両が立ち往生する事態が発生しました。  そうしたことも背景に今回JAFは、冠水した道路を想定した水深の異なるコースを設置し、ガソリン車、ハイブリッド車(HV)、電気自動車(EV)の3種類の車両で走行テストを実施しています。  テスト後には車両の状態を専門機器で診断し、浸水による影響を詳細に調査。  ツールプラネット社製のTPM-iを使用してOBD II(車載式故障診断)を行い、エンジンやハイブリッドシステムの故障コードを確認しています。  まず最初に行われたのは、比較的浅い水深30cmでの走行テスト。速度30km/hで各車両を走行させました。  一般的に考えると、このくらいの水深であれば問題なく走行できると思われがちですが、実際には意外な結果が出ています。  ハイブリッド車(HV)では、フロント牽引フックカバーと右リアのホイールカバーが外れるというトラブルが発生しました。  水の抵抗や水圧によって、車体の一部が想像以上に影響を受けることが明らかになりました。  このテスト結果は、「30cm程度なら大丈夫だろう」という油断が危険であることを示しています。  外装部品の脱落は、その後の走行安全性にも影響を及ぼす可能性があります。  次に行われたのは、水深が60cmに増した状態での走行テストです。まずは低速の10km/hでの走行を行いました。  白いハイブリッド車(HV)が水深60cmのコースを走行する様子は圧巻でした。  車体の半分近くが水に浸かり、車の周りには水しぶきが上がっています。  一見すると走行できているように見えますが、車両内部では様々な影響が出ている可能性があります。  さらに検証は進み、同じ水深60cmでも速度を30km/hに上げた場合のテストが行われました。  速度が上がることで、水しぶきの高さや広がりも大きくなり、車両への影響も深刻化します。  特に電気自動車(EV)での走行テストでは、高電圧を扱う車両が水没状態に近づくことで、どのような影響が出るのかが注目されました。映像では白い電気自動車が水しぶきを上げながら進む様子が確認できます。  テストの最終段階では、水深60cmの中を40km/hという比較的高速で走行した場合の検証が行われました。  これは実際の道路冠水時に、ドライバーが水深を過小評価して通常速度で進入してしまうケースを想定したものです。  ハイブリッド車(HV)での検証では、車外からの映像と同時に運転席からの視点も記録されました。  運転席からの視界は雨天時の状況を再現しており、ワイパーが動いているにもかかわらず、冠水路面の状況を正確に把握することが難しい様子が映し出されています。  テスト後の車両検査では、エアクリーナー全体が浸水し、ボックス内にも水が溜まっていることが確認されました。  専門スタッフがボンネットを開けて確認する様子からは、水没による深刻な影響が伝わってきます。  水没後のハイブリッド車のエンジンルームを確認する様子 軽自動車(ガソリン車)でも同様のテストが行われ、車両の機能確認が行われました。  テスト後、ホーンは正常に作動したものの、内部への水の浸入状況は別途調査が必要な状態でした。  さらに詳細な検査では、ボンネットを開けての確認作業が行われました。  ガソリン車でも、エンジンルーム内への水の浸入が確認され、電子制御系統への影響が懸念される状態でした。 冠水した道路、昼夜で見え方に変化も! トラブルを避けるには?  テストの中では、冠水した道路の昼夜における見え方の違いも検証されています。  特に夜間は、水深を正確に判断することがさらに難しくなります。  水面に光が反射して実際の状況が把握しづらく、思わぬ深さの水に進入してしまうリスクが高まります。  JAFの検証によれば、冠水しやすい場所は周囲より低くなっていることが多く、短時間で水が集まって水位が急上昇する特性があります。  さらに、車の速度が高くなるほど巻き上げる水の量が増え、エンジンルーム内に水が入りやすくなることが実証されました。  今回の検証で特筆すべきは、天候が安定し、流れのない理想的な条件下でのテストにもかかわらず、短い距離の走行でもボンネット内部に水が浸入したケースが多かったという点です。  実際の冠水道路では、雨が降り続け水流もある中での走行となるため、さらに危険度は増すと考えられます。  こうしたことから、以下の項目を覚えておきましょう。 ーーー  1. 冠水した道路は可能な限り迂回する  2. やむを得ず通過する場合は、極低速(10km/h以下)で進む  3. 水深30cm以上と思われる道路は絶対に通行しない  4. 夜間の冠水路は特に水深判断が難しいため注意する  5. 一度水没した車両は、エンジンをかけずに専門家による点検を受ける ーーー  特に注目すべきは、一般に安全とされがちな「ハイブリッド車は電気モードで水中走行できる」という都市伝説が誤りであることが証明された点です。  今回のテストでは、ハイブリッド車も多くの部品が外れたり、内部に水が浸入したりする結果となりました。 できるだけ冠水路には近づかないこと(画像はイメージ/フォトAC) ※ ※ ※  JAFの検証結果から明らかになったのは、どのタイプのクルマでも冠水路の走行はリスクが高いという事実です。  ガソリン車、ハイブリッド車、電気自動車のいずれも、水深や速度によっては重大なダメージを受ける可能性があります。  最も安全な対策は、冠水した道路を見つけたら「絶対に進入しない」ことです。  特に近年の気候変動による豪雨の増加を考えると、車のタイプに関わらず冠水路を避けるという基本姿勢が重要といえます。  もし冠水した道路を避けられない状況に遭遇した場合は、周囲の安全を確認した上で、可能であればクルマを高台に移動させ、専門家のアドバイスを求めることが推奨されます。  JAFのロードサービスなど、緊急時の連絡先を事前に確認しておくことも大切です。  今回の検証は、ドライバーに改めて「水没の危険性」を認識させる貴重な機会となりました。安全運転のために、この検証結果を心に留めておきましょう。

もっと
Recommendations

斬新「“デカい”ジムニー」に大反響! 「デカくて存在感スゴイ」「“観音開きドア”採用は面白い」「V6搭載って速そう」の声も! まさかのオフロードは厳しい!? “ベタベタ仕様”のNATS「ジムニーJ1」に再注目!

存在感ハンパない「巨大ジムニー」に反響集まる!日本自動車大学校…

334万円! ホンダ新「“3列7人乗り”ミニバン」に注目! 最上級より「100万円以上オトク」なのに「両側パワースライドドア」&キャプテンシートが標準装備! 「ステップワゴン」最安モデルってどんなクルマ?

購入しやすい価格に金額を抑えた最安グレードについて筆者が紹介

レクサス新型「スゴいSUV」発表! 400馬力の高性能モデルあり! まるでMTな新システム&世界初採用の「操縦かんハンドル」が画期的!「RZ」ドイツ仕様とは!

MTみたいな新システム&斬新すぎる“操縦かんハンドル”初採用!レ…

マツダ新型「CX-5」世界初公開! 9年ぶりの全面刷新でディーゼルモデル廃止!? 「主力SUV」の“電動化”が確実なワケとは!

現行モデルにあるディーゼルの「SKYACTIV-D」は搭載されないという

ル・マン クラシック 2025 その1|「始まりの時代」を追って

100年以上の歴史を誇るサルト・サーキット。その長い物語の幕開けとな…

「免許はあるけど無免許?」 “AT限定”でMT車を運転したら? 記載条件違うとなに違反? 元警察官が解説

MT車を「AT限定免許」で運転したら何の交通違反になる?「無免許運転…

【新色追加とADASを充実】スバル・クロストレックを一部改良 特別仕様車も追加

クロストレックを一部改良スバルは7月10日に、Cセグメントのクロスオ…

トヨタ新「ハイエース」がスゴイ! 超パワフルに進化した「商用ワゴンの皇帝」特別モデル! “20周年”を記念する「スーパーGL“DARK PRIME S”」の魅力とは!

ハイエースのH200系モデルの誕生20周年を記念する特別モデル

【特別仕様車も追加】スバル・インプレッサが安全装備の充実と新色追加で発売

新色の追加と安全装備の強化を実施スバルは7月10日、Cセグメントの5ド…

え…「さっきのはオービス?」 めちゃ似てる「Nシステム」ってナニ? 見ただけで分かる方法アリ! 何が違う?

オービスは「速度違反の取り締まり」、Nシステムは「犯罪捜査」に活用…

loading...