スズキの新型「小さなSUV」現る! 「SUV版スイフトスポーツ!?」 キビキビ走る×熱に強い「e-ビターラ」印象は?【試乗記】

これはもう「BEVでSUVのスイフトスポーツ」 「今年度中に日本へ導入」として、公式サイトで一部の情報が公開されたスズキの新型「eビターラ」。  そんな注目モデルにさっそく試乗してきました。 スズキ新型「eビターラ」に先行試乗! 【画像】超カッコイイ! これがスズキ新型「コンパクトSUV」です!(30枚以上)  試乗の舞台はサーキット。  またナンバーの取得できない状態なのでサーキットでの試乗自体はよくあることですが、驚いたのは、スズキ側が熱に対する“守り”に入っていなかったことです。  メディア向け試乗会で時々ある「5周走ったらいったんピットへ戻ってきて」といったような制約がなく、30分の走行時間が与えられたのです。  外気温30度を軽く超える炎天下のサーキットでBEV(バッテリー式電気自動車)なのに、ですよ。 「だからなに?」と思うかもしれませんが、端的に言ってBEVは熱を得意としません。  炎天下とはいえ通常走行では問題がでるような市販BEVはさすがにありませんが、サーキットを走らせると話は別。  クルマの動力系にも一般道とは違う次元で負荷がかかり、なかにはバッテリーの温度が上がってしまい安全のために出力制限がおこなわれるクルマも存在します。  しかし、スズキは「しっかり走ってみてくださいね」と、炎天下のサーキットで30分の走行へと送り出した。 「ストレートは(上限速度)120km/hまで」という制約はあったものの、この炎天下(大切なのでもう一度!)でBEVなのに30分間連続でサーキットを走ることを許可するなんて。  何が言いたいかというと「スズキは同社初のBEVを開発するにあたって熱対策をしっかりやってきた」ということ。  炎天下でサーキットを連続走行しても、バッテリーをはじめとするパワートレインが音を上げない自信があるというわけです。  ちなみにeビターラは海外で生産されて日本へ導入されるモデルが、生産拠点はインド。  もちろんインド国内にも投入されるわけですが、インドは暑いので熱対策も万全にやっているということなのでしょう。  もちろんバッテリー温度が高い際は、充電時にバッテリーを冷却する機能も組み込まれています。  反対に寒さにも強いとは言えないのもBEVの特性(寒いとバッテリーの能力が落ちてしまうから)。  そこで寒冷時にはバッテリーの出力確保のために走行前にバッテリーを温める機能や、充電時間を短くするために充電中にバッテリーを温める機能も搭載されています。頼もしいですね。  ちなみに走行用バッテリーは、国内向けの日本車では珍しいリン酸鉄バッテリー。  リン酸鉄バッテリーは国産車では一般的なリチウムイオンバッテリーに比べるとエネルギー密度が低いものの、安全性が高く、またコストも抑えられるというメリットがあります。  そんなバッテリーの選択もスズキらしいと感じられるのは筆者だけでしょうか。 乗った印象は? 運転すると良さがもっと分かる!  さて、試乗に話を戻すとまず感じたのは視界の良さ。  床はある程度高く、それにあわせてヒップポイントやアイポイントもクロスオーバーSUVの割に高めです。  いっぽうダッシュボード上面は低く抑えられているから、開放的で視界がいいですね。  そしていざ走り始めると、思いのほかどころか想定なんて軽く超えるレベルで走りが楽しい。  BEVとかSUVなんてことは忘れてドライビングに没頭できるクルマに仕上がっていることがすぐにわかりました。これはもう「BEVでSUVのスイフトスポーツ」です。  そこまで褒めるなんてオーバーなと思うかもしれませんが、筆者は本気でそう感じました。ここまで気持ちよく走れるなんて。  まず好印象なのは、車体路面にビタッと張り付く感覚。タイヤがしっかりと路面を捉えているような安心感があるのです。  そのうえフットワークがよく、コーナーもパイロンスラロームも気持ちよく曲がる。  常識的な速度で走っている限りはダラダラと外側へ向かってしまうようなアンダーステア感はまるでなく、きちんと曲がっていく心地よいまでのニュートラルステア。  ずっとサーキットを走っていたくなるような運転の楽しさを備えたモデルなのです。  あまりメディアで話題になることがないのですが、「スイフト」をはじめとするスズキの世界戦略車って実は操縦安定性がとてもいいんです。  eビターラもその仲間というわけです。サーキットを走って、そんなことを再認識しました。 ずっとサーキットを走っていたくなるような運転の楽しさを備えたモデル!  試乗ではFFモデルと4WDモデルの乗り比べもしましたが、4WDモデルはパワーがある分だけ「前へ出ていこう」という感覚が強いだけでなく、ハンドリングもFFより軽快な印象。  重量自体は4WDモデルが約100キロ重いにも関わらずそう感じるのは、後輪も駆動することのメリットでしょう。  後輪が駆動力の一部を担うことで、同様の走り方をするならFFに対して前輪がより旋回に能力を使えるという理屈です。それがハンドリングに好影響を与えているのです。  ドライバビリティもすごぶるいいBEV。eビターラに関して、まずはそういう期待をして裏切られることはないでしょう。  ルーフを低く見せるスタイリングながらパッケージングが見事で、後席居住性は想像以上にいい(足元も広い)。  国内のコンパクトSUVでは珍しいリアシートの前後スライド機能が便利といった話は、また別の機会に。  ちなみに開発者に確認したところ、クルマの最高速度は150km/hだそうです。

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