人口減少日本で何が起こるのか——。意外なことに、多くの人がこの問題について、本当の意味で理解していない。どう変わればいいのか、明確な答えを持っていない。 100万部突破『未来の年表』シリーズのベストセラー『未来の地図帳』は、20年後の日本人はどこに暮らしているのか?人口減少が10〜20年後の日本のどの地域をどのような形で襲っていくのか?についての明らかにした必読書だ。 ※本記事は『未来の地図帳』から抜粋・編集したものです。 下落率が最も大きいのは銚子市 2025年になると、大都市部でも25〜39歳の女性が2015年に比べて大きく減るところが目立ってくる。 政令指定都市で15%以上下落するのは、19.0%減となる北九州市をはじめ、仙台市、神戸市、札幌市、新潟市、静岡市、相模原市、浜松市、堺市の計9都市だ。 小さな自治体を含めた全体では、最も減るのが東京都利島村だ。島嶼部であることの特異性を考える必要はあるが、対2015年比で68.5%減である。次いで、北海道歌志内市(63.6%減)、東京都檜原村(58.0%減)、青森県深浦町、群馬県神流町(ともに57.8%減)などとなる。 2025年になると、人口1000人以上の自治体における0〜4歳児の伸び率(対2015年比)は大都市の中心部で目立ってくる。トップは大阪市中央区で10%の伸びだ。次いで大阪市浪速区9.0%増、東京都千代田区7.4%増、東京都港区6.8%増である。女性の社会進出に伴って職場に近いエリアに住む出産期の女性が増え、こうしたところの伸び率が高止まりするということだ。 大都市の中心市街地以外では、福岡県福津市と沖縄県中城村が6.7%増、福岡県新宮町6.1%増などとなっている。福岡市への通勤エリアである福津市や新宮町の伸び率の高さは、広い住宅を求める子育て世代の住み替えが続くことが要因である。 一方、2020年時点で0〜4歳人口が大きく減り始めていた自治体では、減少幅がさらに拡大していく。 2025年時点で下落率が最も大きくなるのは、千葉県銚子市だ。対2015年比で2020年には16.2%減だったが、32.5%減に拡大する。愛媛県宇和島市(31.7%減)、北海道小樽市(31.4%減)などがこれに続く。この頃になると、若い女性の減少が子供数の激減に直結する。 最も減る政令指定都市は仙台市 2035年にはどうなるのか。25〜39歳の女性の動きから追ってみよう。 2035年において、2015年よりもこの年齢層の女性人口が増える東京と政令指定都市の区部は、大阪市浪速区(4.0%増)、大阪市中央区(0.8%増)、東京都中央区(0.02%増)の3つだけだ。札幌市清田区(44.7%減)、札幌市南区(44.4%減)、札幌市厚別区(41.3%減)、北九州市門司区(40.1%減)では4割以上の減少となる。 政令指定都市として捉え直すと、最も減るのは32.1%減となる仙台市だ。続く北九州市(24.8%減)、札幌市、新潟市(ともに24.2%減)、神戸市(23.7%減)などは、2015年に比べて4分の3程度となってしまう。出産期にある25〜39歳の女性の減少は人口減少を加速させていくだけに、ここまで減ってくると政令指定都市であっても、後々の人口減少を加速させる大きな要因として暗い影を落とすことになる。 ちなみに、2035年になると25〜39歳の女性人口が奈良県川上村と高知県大川村で6人となるなど、1桁となる村が全国で6ヵ所登場する。 0〜4歳人口の伸び率(対2015年比)はどうだろうか。人口1000人以上の自治体における0〜4歳児の伸び率(対2015年比)のトップは、東京都中央区の13.3%増だ。続いて大阪市中央区13.0%増、東京都千代田区12.8%増、沖縄県中城村12.7%増、東京都港区12.6%増となっている。 この頃になると、大都市の中心部やベッドタウンに子供が集中する傾向が鮮明になってくる。 つづく「日本人はこのまま絶滅するのか…2030年に地方から百貨店や銀行が消える「衝撃の未来」」では、多くの人がまだまだ知らない「人口減少」がもたらす大きな影響を掘り下げる。 【つづきを読む】日本人はこのまま絶滅するのか…2030年に地方から百貨店や銀行が消える「衝撃の未来」