【アウトビアンキって覚えていますか?】世界的にも珍しい、A112の全国ミーティングに若手編集部員オゴーが参加

今となっては見る機会も減ったA112 今では自転車のメーカーとして広く知られる『Bianchi』(ビアンキ)。その昔は、自動車を意味するAuto(アウト)が頭についた『Autobianchi』(アウトビアンキ)という自動車部門を擁していた。第二次世界大戦後はフィアットとピレリの後ろ盾を得て、フィアットやランチアの兄弟車とも言えるクルマたちを世に送り出していた。 【画像】A112がいっぱい A112の日の詳細を見る 全127枚 今回の話の主役である『A112』は1969年に発売されると、優れた走行性能とファッション性から若者を中心に人気を博し、1971年にはアバルトがチューンした『A112アバルト』がデビュー。ボーイズレーサーやホットハッチとして日本でも大いに人気を集めた。 筆者のアウトビアンキA112アバルト。 石井利玖 筆者もこのアウトビアンキA112アバルトを所有している。今からおよそ3年前、筆者が19歳の時に、30年ほど不動だった個体を即決購入。整備の経験も全くない中、インターネットで情報とパーツをかき集め、丸1年かけて公道復帰させた。 今考えると、若さと勢いに任せた無謀な挑戦だったが、エンジンや足回りに至るまでを自力で組んだことは自動車のメカニズムや基本構造を学ぶ上でとても勉強になったし、A112を自分で直して乗っていなければ、この仕事に就くこともなかったし、今の人間関係を築けてはいなかった。たまに訪れるトラブルに対しても、冷静に対処する『肝』を身につけることができた。アウトビアンキがいなければ今の僕は存在していない、大事な愛車なのだ。 今年は21回目の開催 さて、そんなアウトビアンキであるが、他のイタリア車の例に漏れず、たくさん売れてはいても、故障と錆に弱いボディのせいで、気づけばすっかりレアなクルマになってしまった。 それでも、A112の魅力に魅せられた人たちが日本中から集まる『112の日』というミーティングがある。車名の『112』にちなんで、毎年11月2日近辺の週末に行われ、この日だけは普段なかなかお目にかかることのないアウトビアンキA112が、日本各地から約40〜50台が集結する。 会場に集まったA112たち。半数以上が赤のアバルト。 小河昭太 2024年は通算21回目の開催。愛知県の木曽三川公園、東海広場の駐車場で行われ、今年は41台が集まった。集まるメンバーは毎年変わらないそうだが、今年は新たにアウトビアンキを手に入れた若いオーナーが2名ほど増えており、そのうちの一人は筆者と同い年の2002年生まれだった! イベント自体はカーミーティングらしく、クルマに関する情報交換や雑談に花を咲かせ、ランチ弁当を楽しみ、最後はジャンケン大会で閉幕といった流れ。 恥ずかしながら、会場にたどり着いた途端にエンジンが不調になってしまった筆者のアウトビアンキは、人だかりの要因になってしまった。頼もしい先輩オーナーたちの助言を受け、応急処置を施し、なんとか自走で帰宅することができたのだった。 アウトビアンキの不思議 今回『112の日』に参加して確信を強めたのは、アウトビアンキA112とのそのオーナー達にはちょっとした傾向と不思議が混在するということ。 まず、僕のように日頃のメンテナンスや整備はもちろん、エンジンや板金塗装に至るまで、DIYでクルマを維持している人の割合が多い。きっとそれは、簡単な構造であることや、金銭コストをかけずに手間や時間をかけた盆栽のような嗜み方ができることが要因。 偶然にもパンタロン(ベルボトム)着用率が高かった。 小河昭太 ちょっと不思議なのは、オーナーたちの年齢や雰囲気がバラバラであること。同じクルマを持っているということは、基本的に価値観や状況の何かしらかが似通っているわけで、なんとなくクルマとオーナーの雰囲気には相関があるのが一般的。それが見事に三者三様なのである。ただ、共通点があると言えば、パンタロン(ベルボトム)のジーンズを履いた人がやたら多かったことくらい。これがなぜなのか、そういう筆者もたまたま履いていったのだが。 さらには、クルマ自体も1台ずつ雰囲気が異なる。これは見た目や雰囲気だけでなく、実際に試乗してみても、同じクルマとは思えないくらい『三車三様』。これは、オーナーたちによる努力や工夫の結果なのか、はたまた元々の製造公差が大きいからなのだろうか。 また、イベントの雰囲気も独特。同じ場所に集まっているのに、それぞれがいい意味で独立しているので、オリジナル状態に近いから偉いとか、アバルトは速いから偉いなどといった固定観念や、排他的な思想のようなものが存在しない。『みんなちがって、みんないい』の世界観を体現しており、なんとも言えない居心地の良さがあるのだ。

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