【天皇賞・春】「人一倍思いは違う」勝ち星全国2位のベテラン騎手が「マイネル軍団」で恩返しのG1初制覇に挑む 

◆第171回天皇賞・春・G1(5月4日、京都競馬場・芝3200メートル)  天皇賞・春にマイネルエンペラーで参戦する丹内祐次騎手(39)=美浦・フリー=は、先週まで全国リーディング2位の41勝をマーク。キャリアハイの70勝を挙げた昨年を上回るペースで勝ち星を量産している。絶好調の要因に加え、「マイネル軍団」で人馬そろってのG1初制覇に懸ける思いに迫った。  地道な努力が実を結ぼうとしている。「G1は乗ることも難しいので憧れてきた」。初のビッグタイトル制覇へ、丹内が日経賞を制したマイネルエンペラーと挑む。  前走の勝利インタビューで「キリンさんになって待っています」とユーモアを交えてコンビ継続を願ったが「タケノコの“1にょっき”くらいでした」とすぐにオファーが届いた。全姉で21年のオークス馬ユーバーレーベン、半兄で同年新潟記念の勝ち馬マイネルファンロンにも騎乗。「兄姉にほとんど乗っているけど、乗りやすいのが遺伝している」と、ゆかりの血統だからこそ特長を熟知していると胸を張る。  ある出会いが騎手人生のターニングポイントになった。06年、落馬で右上腕骨を骨折。影響が長引いて08年には年間3勝まで成績が落ち込んだ。窮地を救ってくれたのが当時の師匠・清水美波元調教師や松岡に紹介してもらった“マイネル軍団の総帥”で21年に亡くなった岡田繁幸氏だった。時間を見つけては北海道の牧場に通い、調教にまたがった。  「(マイネルエンペラーが所属する)ラフィアンさんを通じて、色んな先生とつながりができた」。関東だけでなく関西からの依頼も増え、サークル内の枝葉が広がっていった。昨年はJRA最多の911鞍、今年も1位の326鞍に騎乗。関係者の信頼は厚い。「このままでは騎手として終わってしまうかも」との不安から解放され、精神面の安定が好調の要因となっていると分析する。  「赤、緑袖赤一本輪」の勝負服への思いは熱い。「乗せていただく馬主さんは皆ですが、ラフィアンさんとなると人一倍思いは違うかもしれない」。クラブ名の由来は米国の名牝。周りが見向きもしなかった馬を米国修行中の岡田氏が一目で名馬になると予感したというエピソードがある。総帥の目には、丹内の現在の活躍が見えていたのかもしれない。  地元で重賞初勝利を飾ったマイネルミラノでの16年函館記念から9年。「もう1回ウイニングランするよ」。22年目のベテランが、恩返しの勝利を届ける。(浅子 祐貴)  ◆丹内 祐次(たんない・ゆうじ)1985年11月5日、北海道函館市出身。39歳。04年に美浦・清水美波厩舎所属でデビュー。1日現在、JRA通算1万1936戦584勝。重賞はマイネルエンペラーで制した日経賞など今年3勝、通算9勝。同期に川田、津村、藤岡、吉田隼らがいる。165センチ、47キロ。

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