東大生のノートが綺麗な「決定的な理由」…「問い」をうまく使い、頭の中を整理していた

頭の良さを決めるのは記憶力? 言語化力? それとも論理的思考力? 偏差値35から二浪で東大に合格。現在は教育事業を手掛け、TBS日曜劇場「御上先生」「ドラゴン桜」の監修も担当した西岡壱誠さんは、根本的に大事なことは深く理解することにあると指摘する。「問い」と「答え」を意識して整理する東大生のノートの取り方にそのヒントがある。 西岡さんが一生ものの「頭の良さ」を身につける方法に迫った著書 『なぜ、東大の入試問題は、「30字」で答えを書かせるのか?』 (サンマーク出版)より一部抜粋、再構成してお届けする。 同じ授業を受けているはずなのに、なぜ成績が違うのか 小中高の学校生活において、「同じ授業を聞いているはずなのに、あいつはすごく成績が良くて、自分とは全然違う」と思い悩んだ人もいるのではないでしょうか。それに対して、「あいつは記憶力が良いから成績が良いんだな。自分はそうじゃないから成績が悪いんだ」と解釈していた人もいるのではないかと思うのですが、実はそういうわけではない部分もあります。 記憶力に違いがなかったとしても、成績は大きく変わってきてしまう場合があります。その理由は、「『問い』を意識している人とそうでない人との間で、天と地ほどの差が開くから」です。 問いが前提にある人とそうでない人とでは、学校のテストの成績では特に、大きな差が開いてしまいます。 授業を聞いて、先生から「刀狩というのはこういうものなんだぞ」と言われて、「ふーん、そうなんだ」と思っている人と、「これ、テストだと刀狩の目的についての問題が出るかもしれないから、一揆を抑えるために行なわれたってポイントは覚えておかないとな」という形で「問い」を前提にして話を聞いている人とでは、成績が大きく変わってきてしまうのです。この差は、記憶力の差ではなく、意識の差により生じているものだと言えるでしょう。 東大生はそれを理解しているからこそ、一問一答形式の参考書を買って「問いを意識した勉強」を行ない、授業中のノート自体も「問い」と「答え」で整理しているわけです。 どこに何の情報があるのかがわからなければ、情報を活用できない 脳をクローゼットにたとえて説明させてください。みなさんは、脳という名前のクローゼットを持っています。その中には、自分が明日着ていく予定のシャツも、冬にしか使わないようなコートも入っています。靴下も、パンツも、上着も、全部入っています。 しかし、どこにどの服が入っているかがわからなければ、着ていくことはできません。どこにあるのか探すだけでかなりの時間を食ってしまう……なんてことになったら、クローゼットに収納する意味はなくなってしまいます。 そのために、多くの人は「クローゼットの左上には靴下を、右下にはシャツを」といったふうに整理し、どこに何が入っているかを記憶して、「ほしい」と思ったときにすぐに取り出せる状態にしておくと思います。 記憶も、これと同じです。クローゼットと同じように、たくさんの収納部分が脳には用意されているわけですが、それをどのように活用するか、というのはすべて、そのクローゼットを使う人に任せられているわけです。 パンパンになるまでたくさんの情報をクローゼットにしまっておける人もいるでしょうが、そのクローゼットのどこに何の情報が入っているかがわからなければ、その情報はまるっきり活用できないわけです。 そして、このクローゼットに収納する行為こそが、「問い」と「答え」で整理するということなのです。 「1588年(天正16年)、豊臣秀吉は、全国に『刀狩令』を布告した。農民の武器の回収を命じたものである。これにより農民を武装解除させることで一揆の発生を抑えることが目的だった」 という文章は、なかなか覚えられません。覚えられたとしても、歴史にまったく興味のない人にとっては、「あの靴下ってどこに入れたっけ?」という感じで、記憶の中から引っ張り出すのが難しい情報です。 ですから、人間は問いと答えで頭の中を整理しています。 Q 豊臣秀吉が刀狩令を布告したのは何年か? A 1588年 Q なぜ、豊臣秀吉は刀狩を行なったのか? A 農民の一揆を抑えるため 後から思い出しやすくするために 「1588年」「農民の一揆を抑えるため」といった、そのままでは、どこかにいってしまうような覚えにくい情報の記憶を、「Q 豊臣秀吉が刀狩を行なったのは何年か?」「Q なぜ、豊臣秀吉は刀狩を行なったのか?」という問いが書かれた戸棚にきちんと収納することで、後から思い出しやすくしているのです。 逆に、この「問いと答え」での整理ができていない人は、もしかしたら脳というクローゼットのどこかに「1588年」「農民の一揆を抑えるため」が入っているかもしれないのですが、どこにしまってあるかわからなくなってしまっている状態だと考えることができます。 【もっと読む】『東大生がノートをとるのは「記録」のためではない…理解力がある人とそうでない人の「決定的な違い」』 東大生がノートをとるのは「記録」のためではない…理解力がある人とそうでない人の「決定的な違い」

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