イベント会場に現れる「謎のキッチンカー」普通のクルマと何が違う? 内部は一体どうなってるの?「軽トラベース」が多い意外な理由とは?

細かい規定が多い「キッチンカー」  スポーツや音楽などのイベント会場、または駅前の広場やオフィスビル街などでも見かける「キッチンカー」。荷台部分を店舗として、さまざまな料理や飲み物、スイーツなどを販売しているクルマで、利用したことがある人も多いでしょう。    そんなキッチンカーを見かけるたびに素朴な疑問として思うのが、普通のクルマとどこが違うのかということ。キッチンカーの謎に迫ってみました。 イベント会場などで活躍する「キッチンカー」  実は、キッチンカーには細かい規定がたくさんあるようです。 【画像】カッコいい! ホンダが「斬新キッチンカー」製作してた!? 画像を見る(19枚)  基本的にキッチンカーは、ベースとなる車両によって小型・中型・大型の3種類に分類されます。  ベース車は、小型は軽トラックか軽バン(スズキ「キャリイ」・ダイハツ「ハイゼット」など)、中型は1トンまでのトラックやバン(トヨタ「タウンエース」・日産「バネット」など)、大型は1.5トンサイズの普通トラック(マツダ「タイタンダッシュ」やいすゞ「エルフ」)が多いようです。  バンをベースにしたキッチンカーもありますが、トラックベースのほうが都合が良く、その理由は、バンだとルーフの高さ(=車内高)が限定されてしまうから。  荷台部分に設置した店舗で調理・接客を中腰で行うことになり、それならば軽規格の2.0mギリギリ、または荷台の店舗部分を「積載物(荷物)」扱いとして申請し、+50cmの最大2.5mまで室内高を稼げる軽トラをベースにしたほうが利便性も高いというわけです。  そしてキッチンカーは店舗部分を追加した「改造車両」になります。立って作業できるスペースを確保したり、シンクやコンロ、発電機などを搭載するため、改造した車両を所轄の陸運局や軽自動車検査協会に持ち込み、「構造変更等検査」を受ける必要があります。  この検査に合格し「特種用途自動車」として登録され8ナンバーが付与されます。  また軽トラベースのキッチンカーの場合、店舗部分がどうしても小さくなってしまうため、最近ではキッチン部分をトレーラーに配置、けん引車両として展開している車両も増えています。ただしけん引するトレーラーが750kgを超える場合は、普通免許だけでなく、けん引免許も必要になります。  クルマの構造以上に難しいのが、その荷台に設置された店舗部分。食品を扱う場合、2021年6月に改正された食品衛生法に準じているか保健所に申請・検査してもらい、営業許可証を発行してもらう必要があります。車両の詳細な規定も決まっているようです。  まず最低限必要なのが「シンク」。さらに「給水タンク」と「排水タンク」の設置も義務化されています。  店舗内の作業を考慮して50ルクス以上の明るさの「照明器具」や、「換気扇」と換気用の「窓」の設置が必要です。  加えて、食品を冷蔵保存するための「冷蔵設備」、ゴミなどを貯める「ふた付き廃棄物容器」も必要で、走行中も冷蔵設備を稼働させたり、組み上げ式の電動ポンプ付きの水道設備(シンクやタンク類)のための発電機などの「電源装置の設置」も必須条件。安心・安全な食の提供のためにはクリアしなければいけない条件がいろいろあるのです。  今回、キッチンカーを製造・販売している会社に話を聞いてみたところ、開店資金調達の関係もあって軽トラベースの小型キッチンカーが人気とのことです。  ただ、軽トラベースではキッチンスペースなどが狭くなることもあり、作業人員は1〜2名程度。タンク類も80リットルまでしか設置できないため、提供できるメニューが制限されるという事情もあるそうです。  その点、中型のキッチンカーであれば、店舗部分の室内長は2.0mを確保でき(車両自体の全高は2.8m)、スペースや積載重量も余裕があるため、さまざまな形態の店舗に対応しやすいのでお勧めだと言います。  大型は、1.5トンはボディが大きいことがメリットでもありデメリットにもなります。十分なスペースがない会場や場所では店舗展開しにくく、最大全高が3.0mとなるため一般道などの高さ制限を気にする必要もあります。  ただし店舗部分も大きくできるので、イベント規模によっては販売の回転率向上が見込めることが魅力となるそうです。

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