2児の母・青木裕子が、息子も経験した”小学校受験”の最近の「傾向」に思うこと

フリーアナウンサー、VERYモデルとして活躍する青木裕子さん(Instagram: yukoaoki_official )は、11歳と9歳の2人の男の子の母。2024年4月には、青木さんがお子さんたちと一緒に実践してきた「体験学習」の具体例や、小学校受験の大原先生による月々のアドバイスなどを掲載した、書籍 『「学びが好きな子に育つ!」 青木裕子の3歳からの子育て歳時記』 が発売されました。 子育ての正解ってある? 教育ママじゃダメ? 子どもにとって“本当にいいこと”って? などなど、この連載では、青木さんが子育てをする上で日々感じているアレコレを、「子どもの教育」をテーマにしつつ徒然なるままに語っていただいています。今回は、ここ数年の小学校受験の出題傾向の変化について、2人の息子さんが小学校受験を経験した青木さんが思うことをお伝えします。 小学校受験の傾向「自分で考えてアウトプットする力」 今年3月、『3歳からの子育て歳時記』 発売1周年を記念して、本にご寄稿いただいた小学校受験専門塾『 コノユメSCHOOL 』代表・大原英子先生とインスタライブを行った。非常に情報量が多く濃い1時間だったので、それぞれのインスタグラムからアーカイブをぜひご覧いただきたい。 本と同じく、小学校受験を考えている方にもそうでない方にも興味深い内容になっているはず。(余談だけど、インスタライブってやっぱり緊張してしまう。多くの人や技術を介しているわけではないのに、不特定多数の人々へ向けての生放送! と構えてしまうからだ。時代の変化に乗り切れていないのです) さて、そのインスタライブで特に気になったのが、小学校受験の出題傾向の変化についてだ。先生曰く、直近の試験では“自分で考えてアウトプットできるかどうか”が見られていると強く感じるそう。作られたもの、用意してきたものではないというのがポイントだとか。 詰込み型ではなく、自分で考えてアウトプットする力を、というのは昨今の教育のトレンドそのものだけれど、小学校受験にもその傾向が及んでいるとは。いや、本来、小学校受験というのは他の受験に比べてそういう傾向はあったのだと思う。学校によって考査の内容は違うけれど、〈何かができること〉よりも、〈どう対応するか〉が見られることが多いのが小学校受験なんじゃないかと私は感じている。行動観察という考査などその最たるものだろう。ただ、大原先生が、昨年度ころからその傾向が顕著だとおっしゃるのだから、これまで以上にその傾向が見られるということだろう。 「考える力を育む」教育って難しい… 大変だなあ、と思う。だって、小学生の息子たちと接していても思うけれど、自分で考える力を伸ばすってとっても大変なんだもの。決まったことを教える方が、詰め込む方が、やらせる方が、よっぽど楽だ(とはいえ、反抗期の長男についてはそれも大変、というか私が何かをやらせるのはほぼ不可能に近い)。 幼少期は特に、やらせてみたら思っていたよりできたということが多かった記憶がある。ピアノを弾くとか、自転車に乗るとか、逆上がりができるようになるとか。周りでも、英単語をたくさん覚えたという子、漢字が書けるとか、掛け算ができるとか、そんな子がたくさんいた。子どもの可能性って無限大! というのをひしひしと感じたし、〈できるようになる〉のは、子どもにとって自信につながる。 目に見えて成長を感じられると、親にとっても満足度が高い。きちんと結果が見えるから取り組みやすくて、目標が立てられるから取り組ませやすい。そういった事柄に“やりすぎない程度で”取り組むのは振り返ってみてもよかったなあと思う。 でも同時に、何かが〈できるようになる〉ことと、〈考える力を育む〉というのは別だとも思う。で、やっぱり、成果が見えにくい〈考える力を育む〉教育って難しいなあと思うのだ。それこそ、体験からの学びで意識しているのはそこなんだけど、成果が見えないからねえ。 『3歳からの子育て歳時記』でご紹介したような体験を大人も一緒になって楽しめるうちはいいけれど、受験のために身に着けたい力があるとか、この時期までにここまでやらなきゃとか思い始めたらしんどいだろうなあ。また、小学生になったらなったで、日々やるべきことが多すぎて、考える力をじっくり育むなんて二の次三の次になりがちだ。それもこれも成果が見えにくいからだろう。あーあ、考える力バロメーターみたいなのないかな。やる気スイッチの仲間か。見えるようにつけておいてくれ。 「優秀な子」って? 目に見える結果が全てじゃない そうそう、もう一つ大原先生がおっしゃっていたことで気になったのが、「今年は優秀な子が不合格になった」という噂についてだ。「あるある〜」と思ったのは、私もそんな噂を聞いたことがあったから。 わかりやすい点数で合否が決まらない小学校受験では、そういう噂って流れがちだ。お教室であんなにたくさん発言していた子が不合格で、いつも先生に注意されていたあの子が合格なんて! 何かがあるに違いない。と考えるのは実に自然なことだし、その結果、「どうやら優秀な子ほど不合格になっている」なんて噂が流れるのは容易に想像できる。でも結局、噂って、流した人の回りのごくわずかな範囲で起きたことというのがよくあるパターンだ。 更に、先生曰く、そもそも「どうやら優秀な子ほど不合格になっている」という考え自体が、認識のずれから来ているというのだ。つまり、親たちが思っている優秀な子と学校のそれが合致しないことが往々にしてありうるということ。そしてそれは、前述した〈できるようになること〉と〈考える力を育む〉ことの差異にもつなげて考えられるんじゃないかなあと感じた。 〈できるようになる〉ことが増えると親はどうしても優秀だと感じてしまいがちだけれど、表面に見えているそこだけを伸ばせばいいということじゃない、というか。目に見える結果を追いかけがちな自分への自戒としても学びのあるインスタライブだった。大切なものは目に見えないんだよな。 4月から、長男はついに最終学年になった。ありきたりだけど、この間入学したばかりなのになあと本気で思う。いつまでたっても新しい悩みがあとからあとから湧いてくるので(本当に、子育ての悩みって湧いてくるという表現が実にしっくりくると思う)、いつまでたっても心落ち着かないけれど、大きな区切りの学年だ。すべてのことに“最後の”と冠が付く学校生活。一つ一つを大切にしていこう。また、中学生以降の生活の変化を想定すると、親子での体験も今年度が最後というものが増えていくかも。改めて、『3歳からの子育て歳時記』を読み返して、できることを大切にやっていこう。 ということで、4月はじまりで体験をたくさんご紹介している『3歳からの子育て歳時記』、皆さんにもぜひ手に取っていただけたら嬉しいです。 【関連】2024年度・小学校受験で見えた「顕著な傾向」…子どもたちに求められた“チカラ”

もっと
Recommendations

【 中川翔子 】 妊娠を報告 40歳の誕生日 「なんとお腹に新しい命を授かりました」「レベル40にして、とても大きな転機」 個人事務所も立ち上げ 【全文掲載】

タレントの中川翔子さん(40)が、妊娠したことを公表しました。また…

井上尚弥、ラスベガスで4団体統一王座を防衛…カルデナスに8回TKO「非常にタフな相手だった」

【ラスベガス(米ネバダ州)=平沢祐】ボクシングの世界スーパーバ…

世論誘導に利用されるパブリックコメント、誤情報が拡散して意見が殺到…国は分類にAI導入を検討

国民の意見を政策に反映させる国のパブリックコメント(パブコメ)…

「食料品の税率を下げるべき」回答が35%で最多 消費税減税めぐり19%が「今の税率維持すべき」 5月JNN世論調査

物価高対策として与野党双方が主張する消費税の減税について、「食料…

「こどもの日」健やかな成長を願い 加茂川で500匹の“鯉のぼり” 県内の子どもの数は過去最少に《新潟》 

5月5日は子どもの健やかな成長を願う「こどもの日」です。加茂市の加…

拉致被害者家族 アメリカから帰国 横田代表「今こそ本気度、覚悟が試されている」

アメリカで政府高官らと面会した拉致被害者の家族が4日に帰国し、日本…

【小学生4人死傷事故】「一生をかけて償っていきたい」運転手の男性が遺族に謝罪(浜松市)

3月、浜松市で小学生4人が軽トラックにはねられ死傷した事故で、当時…

3月聴取で…逮捕の男“別れてから岡崎さんに複数回、会いに行った” 川崎女性遺体遺棄

神奈川・川崎市で20歳の女性の遺体が見つかった事件で、逮捕された元…

こどもの日 親子でよろい身に付け“武士気分”味わう 小3の男の子は8キロのよろいに「重たかったけどかっこいい」 愛知・田原城跡

きょうは「こどもの日」。愛知県の田原市博物館では子どもたちがよろ…

行方不明後もメッセージ 友人「不審な点あった」 川崎20歳女性遺棄 逮捕の白井秀征容疑者(27)が“なりすまし”か 偽装工作はかった可能性含め捜査

川崎市で20歳の女性が遺体で見つかり、元交際相手の男が逮捕された事…

loading...