子どもたちの「視力低下」が深刻な状況です。 【写真を見る】子どもの視力が危ない 小学生約3割 中学生約6割が視力1.0未満 夜寝ている時だけコンタクトつける「オルソケラトロジー」による予防に注目 (児童)「右…上…見えない!…わかりません!」 新学期、名古屋の小学校で行われた視力検査の様子です。5メートル先を懸命に見つめる児童たち。 (児童)「上!下!」 (先生)「見にくい?」 (児童)「見にくい…」 検査を終えた児童たちは… (児童) 「まぁ自信あるかな」 「左が見えなかった」 「私は右が見えなかった」 「右も左も無理」 「スマホ見過ぎ…」 「私スマホそんなに見てない…」 文科省は視力が1.0以上あれば、授業中、先生が書く黒板の文字や、ホワイトボードの文字を見ることに支障がないとしています。 しかし去年の調査では、小学生のおよそ3割が裸眼での視力が1.0未満という結果に。さらに、中学生になるとおよそ6割に上りました。1979年度からのデータをグラフ出見ると、目安の1.0を下回る子どもたちが年々増えていることがわかります。 愛知県清須市のサッカー教室にお邪魔しました。メガネをかけている小学生たちがいますが、中には… (コンタクト着用) 「試合の時にメガネだと(ボールが)当たり危ないから、コンタクトにした方がいいよって」 見守る保護者にも聞きました。 (保護者) 「(以前メガネの児童は)今ほどはいなかった。サッカー部でもメガネをかけてサッカーしていたのは僕以外いなかった気がする」 年々すすむ子どもの視力低下と低年齢化は何が原因なのか。名古屋市東区のクリニックで聞いてみると… (愛知医科大学眼科クリニックMiRAI 柴田藍医師) 「インドアになって、タブレットやゲームで手元の物を見る時間が増えてきているのが一つの影響」 さらに、夏の異常な暑さで外遊びが減少したことも大きな要因だといいます。 柴田医師は、近視になるとメガネやコンタクトで視力矯正をしておわり…とはならない深刻な状況に陥る可能性もあると言います。 (柴田医師) 「大人になって近視が強い人ほど、緑内障や網膜剥離、緊急性黄斑症という病気のリスク」 失明にも繋がるこうした病気に将来かかる可能性が高まるというのです。 そこで… (柴田医師) 「連続でなくていいので、1日2時間外でしっかり遊んだり、ゲームやスマホ、タブレットを30分使ったらお休みするのを心がけて」 一般的に、近視は一度なったら「治らない」とされています。私たちの目は角膜と水晶体でできたレンズから、網膜といういわばフィルムにピントを合わせることではっきりとモノを見ることができます。 しかし、眼球は近くのモノを見続けるといった生活習慣などで伸びてしまうと、ピントが手前にずれてものがぼやけて見えます。これが「近視」です。やっかいなことに、伸びた眼球は一度伸びると元には戻せないといいます。そこで、こんな予防法もここ数年注目されています。 (愛知医科大学眼科クリニックMiRAI視能訓練士 岡部有希子さん) 「オルソケラトロジーです」 愛知医科大学のクリニックでは7歳から10歳の近視のこどもたちには夜寝ている時にだけつけるハードコンタクトレンズ、「オルソケラトロジー」による予防を勧めています。 寝ている間、長時間動かない眼球に装着することで網膜の形を矯正することが可能になると言います。朝起きたらこのコンタクトははずすことになりますが、はずした昼間はピントが正常な位置に戻っているので裸眼で物がはっきり見えるといいます。取材したサッカー教室にも利用して1年という小学生が。 (オルソケラトロジー着用の小学生) 「夜着けて朝起きたら外して、起きたときにちょっと目が良くなるみたいな」 Q昼間は支障ない? 「結構見える」 「オルソケラトロジー」は現在、自由診療のため治療費はおよそ10万円から20万円ほどと高額ですが、子どもの近視予防として世界で注目されています。生涯取り替えることの出来ない目。一度、お子さんの生活習慣をチェックしてみてはいかがでしょうか…