神奈川県横須賀市で酒気帯び運転とみられるベンツが車8台に次々と衝突した事故で、現場から立ち去っていた同乗者が警察に出頭していたことが分かりました。 　　　　◇ 白昼の“飲酒暴走事故”でした。事故直後、開いたのは助手席のドア。中から黒い服を来た同乗者が出てきます。足を引きずりながら現場から去りました。そして、座り込みました。 5日午前、神奈川県横須賀市で暴走した乗用車が車8台に衝突し、8人がケガをした事故。 これまでに、運転手の野中雅仁容疑者（31）が酒気帯び運転の疑いで逮捕されています。 警察によりますと、基準値のおよそ3倍のアルコールが検出されているという野中容疑者。その母親は、日本テレビの取材に「お酒には本当にだらしなかった『飲酒で失敗するな』と何度も言ってきた」と話していました。 捜査関係者への取材で、現場からそう遠くない横須賀市内で酒を飲み、車を運転していたとみられることが新たに分かりました。 さらに、複数の防犯カメラから分かったのは、その“暴走ぶり”です。現場となった、京急「横須賀中央駅」近くの県道。野中容疑者は、駅方向からおよそ250メートル暴走していたことが確認できました。 あるカメラには、車道が赤信号のなか、バスの後ろから出てきた猛スピードの車が1台の車にぶつかっているように見える様子が捉えられていました。 警察によりますと、野中容疑者が運転する車が最初にぶつかったのは「路線バス」。その後、バックした際に後続車。さらに、対向車線にはみ出し、複数台の車に衝突したといいます。 その瞬間とみられる映像では、止まったバスが確認できます。さらに、その先のカメラには車が猛スピードで直進し、別のバスに衝突し停止する様子が捉えられていました。 ここで中から出てきたのが、同乗者の男性です。足を引きずりながら、現場を離れました。 警察が行方を追っていましたが、事故からおよそ半日後の5日午後10時すぎに20代の男性が警察に出頭。現場から立ち去った理由について、警察の任意の調べに「衝突した衝撃でパニックになった」と話しているということです。 警察は、野中容疑者が酒を飲んで車を運転した経緯などを調べるとともに、同乗者についても酒気帯び状態と知りながら車に乗った疑いがあるなどとして捜査しています。