今夏の参院選山梨選挙区（改選定数１）に向け、立憲民主党県連は６日、国民民主党県連と、両県連の支持母体・連合山梨との３者協議に臨むと発表した。 　国民県連が擁立する前知事で新人の後藤斎氏（６７）について、候補者一本化の可否を話し合う。一方、見送りも検討される独自候補擁立については、今後も「継続する」とした。ただ、関係者間では「事実上の断念」との声が上がっている。（大野琳華） 　この日、甲府市内で開かれた常任幹事会で提案し、了承された。 　立民県連は１月、甲府市議の男性の擁立を発表したが、２月には男性が「一身上の都合」を理由に出馬を辞退。以降、幹部らによる選考委員会を開き、独自候補擁立を模索してきた。 　こうした中、国民県連は、３月に後藤氏の擁立を決定。候補者一本化も視野に、連合山梨共々、立民県連に３者協議の開催を呼びかけてきたが、立民県連内では、過去の国政選で日本維新の会から出馬するなどした後藤氏への反発は根強く、「候補擁立に向けて動いている最中」として応じてこなかった。 　立民関係者らによると、参院選の公示日として有力視される７月３日まで残り約２か月となる中でも、立民県連内では具体的な候補者の名前は挙がっておらず、今月３日の会合では擁立見送りの検討も行われ、後藤氏への対応についても、支援には消極的な意見が上がっていたという。 　ただ、常任幹事会後に取材に応じた小沢雅仁代表は「残された時間を考えると、選考作業を継続しながらも協議をしていくべきだという判断に至った」とし、共闘実現が可能かを探る道を選んだ理由を明かした。まずは、国民県連が後藤氏を擁立するまでの経緯を確認するという。 　ただ、今回の立民側の対応に対し、近しい関係者は「擁立は現実的ではない。事実上の断念ということだ」と冷ややかだ。また、３者協議の表明についても、「ただ『一本化できない』と言っているだけでは、県民の理解も得られないからでは」との見方も出ている。 　今回の決定を受け、国民県連の遠藤長男代表代行は「できれば、もっと早い時期にやりたかったが、一歩前進した。協力関係を築けるよう、協議しなければならない」と語った。 　連合山梨の窪田清会長は「タイムリミットが来ているので、独自候補をどうするか明白にしてほしかった」とした上で、協議については「しっかり３者で心をあわせたい」と話した。 ◇ 　山梨選挙区では他に、自民党が現職の森屋宏氏（６７）、共産党が新人で党山梨国政対策委員長、早田記史氏（４１）、参政党が新人で学習塾経営、永田己貴氏（５５）の擁立をそれぞれ決めている。