出かける機会が増えるGWは例年クルマのトラブルが増加しますが、そんなとき役立つのがJAFロードサービス。今回は、どのような要請があったのでしょうか。静岡県内の隊員に密着しました。 好天に恵まれた日が多かった2025年のGW。「浜松まつり」を始め県内各地は多くの人でにぎわいました。そんな人の移動に合わせて、例年、増加するのがクルマのトラブル。 (依頼者) 「帰ろうと思ったら帰れなかったんで…」 (依頼者) 「体中全部調べて上着も脱いで、あ、鍵がない…」 (JAF隊員) 「お待たせしました」 そんなピンチに、頼りになるのがJAFのロードサービス。 例年、GWの出動件数は全国で6万件以上になります。 (JAF隊員) 「刺さってたのは、これですね」 しかし、そんな百戦錬磨の隊員も、思わぬ苦戦する事態が。 (JAF隊員) 「私これ、JAF入ってから初めてです こんな症状…」 (依頼者) 「かからなかったら放送できなくなる…」 果たして無事にトラブルを解決できたのか? GW依頼殺到のJAF・ロードサービスに密着。予期せぬトラブルの数々と、慌てる依頼者を安心させるプロの技を追いました。 今回の密着は「浜松まつり」がスタートした5月3日。浜松インターの近くにある「JAF静岡支部・浜松基地」。隊員15人、サービスカー7台で、浜松市を中心に牧之原から天竜・水窪まで県西部の広い範囲を担当しています。 同行取材させてもらうのは、ロードサービス歴8年、クルマが大好きでこの仕事を選んだという藤田賢暉さん。すると、早速出動依頼が…。 (JAF静岡支部 浜松基地 藤田 賢暉さん) 「袋井でエンジンがかからないまあ、行ってみないとわからないんで…」 幸い渋滞もなく、30分ほどで袋井市の依頼者の元へ到着。 (JAF静岡支部 浜松基地 藤田 賢暉さん) 「お待たせしました」 (依頼者) 「きょう2日だっけ?3日か?早くたこ揚げの取材行かなきゃダメじゃん。 たこ揚げの取材」 (取材ディレクター) 「たこ揚げは別班が行ってます」 依頼者によると、前日まで普通に動いていたのに、当日乗ろうとしたらエンジンがかからなくなったとのこと。因みに、バッテリーは2024年12月に換えたばかりだそうです。 (JAF静岡支部 浜松基地 藤田 賢暉さん) 「バッテリーではなさそうですね。電圧はしっかり12.6V。元気な電圧あるんですよ」 バッテリーは正常なのに、クルマに電気が供給されていないようです。 (JAF静岡支部 浜松基地 藤田 賢暉さん) 「私、これJAF入ってから始めてです。こんな症状。この取材、来た時に、こんな何かレアケースが来るのかって…」 (依頼者) 「たこ揚げの取材サボって来てるだもんで」 別の場所の電圧を測ってみると。 (JAF静岡支部 浜松基地 藤田 賢暉さん) 「あ、ここは電圧がきていない」 バッテリー端子のカバーを外し改めて点検してみると…。 (JAF静岡支部 浜松基地 藤田 賢暉さん) 「ここ腐食してるのわかります。ちょっと青っぽくなってると思うんですけど、接触不良ですね」 以前、使っていた古いバッテリーから中のバッテリー液(希硫酸)が噴き出していたため、それが原因で、少しずつ腐食が進み、今になって接触不良を起こしたようです」 端子をワイヤーブラシで磨き、エンジンをかけてみると…。 (依頼者) 「前のバッテリーかあ」 (JAF静岡支部 浜松基地 藤田 賢暉さん) 「焦りました。ちょっと、これでわからなかったら恥ずかしいなあって思って、JAFの隊員として」 経験豊富な隊員でも、レアなトラブルを無事解決したのも束の間、すぐに次の依頼が入りました。 今度は、出動依頼で最も多いバッテリートラブルです。 (依頼者) 「電気ついちゃてて、室内灯が」 (JAF静岡支部 浜松基地 藤田 賢暉さん) 「室内灯ですね」 室内灯を12時間もつけっぱなしにしてしまったことで、バッテリーが上がってしまったようです。外部の電源に接続して、無事エンジンがかかりました。 (JAF静岡支部 浜松基地 藤田 賢暉さん) 「バッテリー、以前交換した日付なんですけど、令和3年(2021年)の12月に交換されていらっしゃるんで」 (依頼者) 「3年ちょっと…」 (JAF静岡支部 浜松基地 藤田 賢暉さん) 「そうですね」 車のバッテリーの寿命は一般的に2~3年のため、これからエアコンを使う機会も増えるため、バッテリーの交換をすすめていました。 (依頼者) 「本当に、きょうGW初日なので、時間ね、もうちょっとかかると思ったんですけど、ありがたかったです」 続いての出動依頼もバッテリーのトラブル。 (JAF静岡支部 浜松基地 藤田 賢暉さん) 「お待たせしました」 友人の家に遊びに来て、5時間ほど滞在したあと、帰ろうとしたらエンジンがかからなくなってしまったのです。 早速、バッテリーの電圧を測ってみると、今回もバッテリー上がりが原因のようでした。 (JAF静岡支部 浜松基地 藤田 賢暉さん) 「鍵とか普通にリモコンで開きましたか?」 (依頼者) 「あのね、リモコンロックしてなかったから」 (JAF静岡支部 浜松基地 藤田 賢暉さん) 「ロックしてなかった」 鍵をかけずに駐車していたことから、半ドアだったことも考えられるといいます。その場合、室内灯がつきっぱなしとなり、それが原因でバッテリーが上がってしまった可能性があるのです。 今回も外部電源を接続して無事にエンジンがかかりました。 (依頼者) 「もう拍手。『やはりエンジンの故障ですよ』とかって言われたらどうしようかなと思った」 密着2日目の5月4日。連休真っ只中のこの日も、多くの出動依頼が。 まずは、バッテリーの次に多いというタイヤのトラブル。豊橋から浜松の親戚の家に来たところ、タイヤがパンクしているのに気付いたといいます。スペアタイヤがない車のため、パンク修理の依頼でした。 (JAF静岡支部 浜松基地 藤田 賢暉さん) 「あ、ここですね」「刺さっていたのは、これですね。頭がついていたと思うんですけど、そのまま走ってるうちに頭飛んでっちゃって…」 タイヤに空いた穴を埋めて修理完了。空気圧を規定値にして、無事に走れる状態になりました。 続いての依頼は、弁天島の友人の家から帰ろうとしたところ動かなくなってしまったという、このハイブリッドカー。バッテリー上がりのようで、今回も電源を接続して、無事にエンジンがかかりました。 ハイブリッドカーには、駆動用のバッテリーの他に通常のバッテリーもあり、エンジンの始動にはこれを使うため、これが劣化すると動かなくなってしまうのです。 (依頼者) 「ハイブリッドなら(バッテリーは)大丈夫じゃないかって思ってたんですけど、本当に助かりました、はい」 (JAF静岡支部 浜松基地 藤田 賢暉さん) 「バイバイ」 弁天島から基地に戻る途中で、また、別の出動依頼が入りました。 駐車場で待っていたのは愛知県から来たという男性。自転車で浜名湖一周、およそ70kmを走った後、車に戻ると…。 (依頼者・愛知から) 「さあ、帰ろうかなって積み込もうとしたら、開かないもんだから、あれっ、体中、全部調べて、上着も脱いで、あ、鍵がない」 なんと、浜名湖一周のサイクリング中に、どこかで鍵を落としてしまったようで、途方に暮れていたのです。とりあえず車の鍵を開けて、必要なものを車内から取り出し、電車で愛知の自宅に戻り、スペアキーを探すことになりました。 (依頼者・愛知から) 「こういう時、どうしていいかわからないんで、もう、路頭に迷っちゃうけど、JAFしか頭に出てこなかったから、本当、ありがとうございました。助かりました、本当に』 多くの出動依頼はありましたが、幸い大きな事故やトラブルはなく、藤田さんの長い一日が終わりました。 (JAF静岡支部 浜松基地 藤田 賢暉さん) 「すごく感謝されることが多くて、 なかなか、やはり感謝していただける仕事って少ないと思うんですよ。自分の好きなことをやって、さらにお客様に感謝してもらえるなんて、もう、最高だなって思います」