新型メルセデス・ベンツCLA、まさかの旧式400V DC充電器「使えない」 800Vのみ対応 欧州

ブースター非搭載、コスト削減か メルセデス・ベンツが投入した新型EV『CLA』は、航続距離792kmを実現する革新的なモデルとされているが、欧州で一般的な400VのDC充電器を使用することはできない。 【画像】航続距離792kmの新世代EV【メルセデス・ベンツCLAを写真で見る】 全13枚 第3世代となるCLAは新開発のMMAプラットフォームを採用しているが、多くの旧式の50kW充電器や、ほとんどのテスラ・スーパーチャージャーと互換性がない。 ノルウェーなど一部地域では電圧ブースターが搭載されるという報道もあるが、詳細は不明だ。 これは、DC-DC電圧ブースターを搭載していないためで、800Vに対応した充電ステーションでのみ急速充電が可能だ。800V充電器は通常、400V充電器の約2倍の速度で充電可能なHPC(高出力充電)ネットワークで採用されている。 800Vの充電器は、まだ十分に普及していない。英国での事情を例に挙げると、同国内には現在、50kW以上の充電が可能な公共充電ポイントが1万4448か所存在する。充電インフラ事業者Zap-Mapは、800V充電器(最大350kW)が一部の場所で利用可能であるものの、400V充電器(最大250kW)ほど普及していないことを認めている。 CLAにおける400V DCコンバーターの省略はコスト削減策と推測され、大多数の顧客が主に自宅でAC接続経由で充電するとの想定が背景にあると考えられる。この場合、400V ACが車載充電器に流れ込み、内部で800V DCに変換されてバッテリーに蓄えられる。 メルセデス・ベンツは、ドイツ向けのオンラインコンフィギュレーターで「400V充電ステーションでの充電は不可能」と明記している。 同社の広報担当者はAUTOCARに対し、「充電ネットワーク全体における800V DC急速充電ステーションの割合は着実に増加している」と述べ、走行中はナビゲーションシステムによって「互換性のある充電ステーションに誘導される」と付け加えた。利用可能な充電ステーションの情報は、ほぼリアルタイムで更新されるとのことだ。 DCコンバーターをオプションで設定するかどうかについては、広報担当者は「現時点ではコメントできない」とした。 ライバルの自動車メーカーは異なるアプローチを採用している。ヒョンデとキアは、アイオニック5やEV6などのE-GMPプラットフォーム採用車に、400V-800V変換が可能な電圧ブースターを内蔵し、旧式のDC充電ステーションでも充電できるようにしている。 一方、ポルシェとアウディは、マカン・エレクトリックやA6 eトロンなどのPPEプラットフォームのEVに、バッテリーを2つの400Vセクションに分割して充電する(ただし、充電速度は低下する)方式を採用している。 メルセデス・ベンツは、欧州の一部市場で販売されているCLA EVにおいて、いずれの方式も採用していない。一応、車内にDC-DCコンバーターは搭載されているが、これはシートヒーターやインフォテインメント・システムなどの補助システムに12V電源を供給するためにのみ使用される。 欧州各地で400V充電器から800V充電器への切り替えが進んでいるが、ノルウェーなど、他の国よりもEV充電インフラが早期に整備された国では、400V充電器が依然として多く残っている。 一部報道によると、ノルウェーで販売されるCLA EVにはDC-DCブースターが搭載されるとのことだが、他の国でも導入されるかどうかは不明だ。 メルセデス・ベンツのベルギーおよびオランダ向けのオンラインコンフィギュレーターには、充電制限についての記載はない。

もっと
Recommendations

「2025 RAYS FAN MEETING」は700台超 1000人以上のレイズファンが集結! ファンクラブを新たに立ち上げた理由は? これからのレイズを社長に聞いた

年々盛り上がりを増す「RAYS FAN MEETING」は早くも開催4回目!愛車…

スズキ新型「ジムニーノマドFC」がスゴイ! ロングボディד5速MT”の「最安モデル」とは? “専用装備&安全機能”も充実の「5ドア」に注目!

ジムニーシエラと比較すると全長が大きく、ホイールベースは2590mmへと延長

スバル新型「フォレスター スポーツ」がスゴい! パワフルな水平対向ターボ&初の「アイサイトX」がめっちゃイイ! 全方位で進化した「最新SUV」の実力は?

新型「フォレスター」どんなモデルに進化した?スバルのミドルサイ…

新車110万円! スバル新「サンバー」に反響多数! 「水平対向エンジン」じゃないエンジン搭載&安全性UP! 超便利な「カクカクモデル」に“スバル製”求む声も

スバル新「サンバーバン」に反響多数!スバルは、2024年11月7日、「…

スポーティな最新「5人乗りワゴン」がスゴイ! “ちょうどいいサイズ”×500馬力超え「ツインターボ4WD」! 専用装備もり沢山のBMW「M3ツーリング」とは?

高性能と実用性を融合したステーションワゴン日本ではステーション…

新型メルセデス・ベンツCLA、まさかの旧式400V DC充電器「使えない」 800Vのみ対応 欧州

ブースター非搭載、コスト削減かメルセデス・ベンツが投入した新型EV…

ホンダ「“新”フリード」はツヤ感マシマシ!? 人気の「e:HEV」モデル一部改良で何が変わった? “ちょうどいい”「コンパクトミニバン」販売店への反響とは

外装塗装に新たなクリア素材が使われ、艶感と耐久性が向上

トヨタ新「カローラ“スポーツ”」発表! ガソリン車“廃止”で全車「ハイブリッド」に!? デビュー7年目の“改良点”とは

装備面での改善も実施トヨタは2025年5月9日、「カローラスポーツ」…

約218万円から! トヨタ「新型SUV」に注文殺到! “RAV4サイズ”のちょうどいいボディ&「めちゃ広ッ車内空間」も魅力! 発売から1ヵ月半で「2万台以上」売れた「bZ3X」中国モデルに熱視線!

トヨタ新型SUV「bZ3X」が大人気!広汽トヨタ(トヨタの中国法人)は…

三菱が「新たな軽自動車」を投入へ! “背の高いワゴン”を示唆!? 新型「3列シートSUV」「グランディス」も登場? 「市場シェア拡大」目指し24年度決算を発表

新型車の投入でシェア拡大三菱自動車工業(以下三菱)は2025年5月8…

loading...