南北線の東大前駅で大学生が切りつけられた事件で、男は「教育熱心な親たちに、度が過ぎると私のように犯罪を犯すと示したかった」などと話しているということです。 　　　◇ 戸田佳孝容疑者（43） 「私がやったことに間違いありません」 「男性を襲った理由は特にない。たまたま男性が近くにいたので狙いました」 「世間に自分の考えを示すことができれば、相手が死んでも死ななくても、どちらでもよかった」 東京メトロ南北線の東大前駅で7日、面識がないとみられる20歳の大学生を切りつけ、殺害しようとした疑いで逮捕された戸田容疑者。調べに対し、黙秘を続けていましたが、捜査関係者によると、8日の午後から一転、容疑を認め、話し始めたといいます。 その中で語られた動機。繰り返し口にしたのは「教育熱心な親」について。 戸田佳孝容疑者（43） 「東大を目指した教育熱心な世間の親たちに、あまりに度が過ぎると私のようにグレて、私のように犯罪を犯すと、世間に示したかった。教育熱心な親のせいで不登校になり苦労した」 本人は中学時代、教育熱心な親から教育虐待を受けていたと主張しています。どんな人物なのか。 戸田容疑者の現在の自宅があるのは、長野県の山あいにある生坂村。 記者 「戸田容疑者の自宅です。家の前には段ボールの箱が山積みになっています」 近所の人によると4年ほど前、ここに引っ越してきたといいます。 ──どういう印象？ 近所の住民 「普通の人。IT技術者ってことだったから、在宅ワークで仕事ができて。話す時は敬語とかしっかりしていて丁寧な言葉遣い」 この家に、一人で暮らしていたとみられます。 戸田佳孝容疑者（43） 「生活がたちゆかなくなったことも、事件を起こしたきっかけの一つです」 事件当日は、電車で上京。発生の約30分前に東大前駅に到着し、トイレやホームをうろうろしていたといいます。 そして、事件は起きました。 戸田容疑者（43） 「バッグの中に（包丁を）2本入れていた」 なぜ、東大前駅だったのか。 戸田佳孝容疑者（43） 「名前に東大とついており、世間の人たちが教育虐待を連想しやすいと思ったから」 東大の近くで、教育熱心な親による教育虐待は犯罪につながるという考えを、世間に示したかったという戸田容疑者。 これに、東大生は…。 東大3年生 「そういう（考えの）人もいてしまうのかなと。追い詰められてしまう前に相談できる環境があったらよかった。（東大という）肩書だけで起きてしまうのは悲しい」 東大院1年生 「なんでそういう方法でしか伝えられなかったのか。法を犯してなにか主張しても、恐ろしい・不安・危険しか伝わらなくて、本当に伝えたかったことは国民には伝わってない。適切な方法をとるべき」 戸田容疑者は、反省の弁は述べていないということです。