【パリ＝梁田真樹子、ロンドン＝蒔田一彦】英仏独とポーランドの欧州４首脳は１０日、ロシアの侵略を受けるウクライナの首都キーウを訪問し、ウォロディミル・ゼレンスキー大統領と会談した。 侵略を巡って米国のトランプ大統領が提案した「３０日間の無条件停戦」への支持を確認し、米国と協調して停戦交渉に臨む姿勢を打ち出す。 スターマー英首相、マクロン仏大統領、メルツ独首相、ポーランドのドナルド・トゥスク首相は１０日朝、キーウに到着した。ウクライナのアンドリー・シビハ外相はＳＮＳで、４首脳とゼレンスキー氏の５人が会談後、トランプ氏と電話会談を行ったと明らかにした。 停戦交渉を仲介するトランプ氏は８日、「３０日間の無条件停戦」をロシアとウクライナの双方に求めているとＳＮＳに投稿し、ゼレンスキー氏は受け入れる考えを示してきた。４首脳もキーウ訪問前の９日に発表した共同声明で「米国と共に完全かつ無条件の３０日間の停戦に同意するようロシアに求める」と表明した。 これに対し、ドミトリー・ペスコフ露大統領報道官は１０日放送の米ＡＢＣニュースのインタビューで、停戦時には米欧からウクライナへの武器提供停止を条件とする必要があるとの認識を示した。「そうでなければウクライナに有利だ。（停戦中に）ウクライナは動員を続け、新たな部隊を前線に投入する」と主張した。 ロシアが第２次世界大戦での旧ソ連の対独戦勝記念日（９日）に合わせて一方的に提案した８日午前０時から３日間の停戦は、「相手が違反して攻撃している」と双方が主張し、非難の応酬が続いた。
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