資格試験で新たな知識を身につければ、毎日がより豊かになる。これからの人生で今日はもっとも若い日だ。チャレンジするなら今しかない。 1日1時間で合格できる 「『合格』という明確な目標があると、毎日をいきいきと生きられるんです。そのうえ知識や教養が身につけば世界が広がって見えますし、受検を通じて新たな友人とも出会える。これだから資格を取るのはやめられません」 これまでに50以上の資格を取得しているタレントの西村知美さん（54歳）は、資格試験の魅力をこう語る。 40年にわたる仕事漬けの日々にようやく一区切りを迎えたが、現役時代は激務に追われて趣味を持つ暇なんてなかった。ぽっかりと時間が空いてしまった今、いったい何をしようか—そう悩んでいる人にオススメなのが、資格の取得だ。 記憶力が衰えてきた実感があり、勉強はちょっと……と思う人もいるかもしれないが、心配いらない。ファイナンシャル・プランニング（FP）技能検定3級程度の資格であれば、1日1時間も勉強すれば約1ヵ月で合格できる。 「実は行政書士や社会保険労務士といった難関資格の受検者を見ると、50〜60代も少なくありません。その年齢で合格して、定年後に士業デビューする人も多く、実は高齢層がボリュームゾーン。60歳を過ぎてから始めても、決して遅くないんです」（500以上の資格を持つ「資格ソムリエ」の林雄次氏） 中には試験を受ける必要すらなく、講習だけで取得できる資格もある。前出の西村さんが保有している温泉ソムリエもその一つだ。 「温泉旅行が好きなので、半日ほどの講習を受講して取得しましたが、おかげで脱衣所に貼ってある成分表も読めるようになりました。最近では、冷え症がつらい冬場には塩分が多くて湯冷めしにくい塩化物泉、肌の調子がよくないときは殺菌作用が高い酸性の温泉といったように、自分の体調に合わせて行く温泉を選ぶことも多いですね」 受検料を払っても元が取れる資格 西村さんのように自分の趣味に従って選べば、勉強のモチベーションにもつながる。旅行が好きならば日本城郭検定や世界遺産検定があるし、日本酒に目がないなら唎酒師がオススメだ。 もし自分の興味関心の延長線上にピッタリな資格が見当たらなければ、取るだけでおトクなものに挑戦するといいだろう。1000以上の資格を保有している資格コンサルタントの鈴木秀明氏が紹介する。 「たとえばサウナ・スパ健康アドバイザーの資格を持っていると、協賛している温泉施設で割引サービスを受けられるので、サウナ好きなら簡単に受検料の元が取れます。日本ビール検定は、満点を取ったらビール1年分がもらえるので、勉強に励む価値は十分ありますね。 また東京シティガイド検定をはじめ、各地域で実施されている『ご当地検定』もおトクな資格の一つ。中には合格すると、地元の施設や博物館、提携している飲食店などで料金を割り引きされるものもあります」 ほかにもユニークな資格やおトクな資格は数多くある。後編記事『マグロ解体師、敷金診断士、プライベートバンカー…知られざる「ユニークな資格」を明かそう』で紹介していこう。 「週刊現代」2025年5月12日号より 【つづきを読む】マグロ解体師、敷金診断士、プライベートバンカー…知られざる「ユニークな資格」を明かそう