最高のピザの作り方 ピザは、ウマい——。これは筆者がアメリカに住んでいた時に徹底的に叩きこまれた価値観である。高校卒業直前、「日本に帰る」と同級生に伝えたら、「アメリカにはピザがあるのになんで出て行くの!?」と言われたほどピザは彼の国で愛されているのである。というか、日本にもピザはありますわ! 【垂涎】少しの工夫で大変身! ピザ好きの筆者がお勧めする「カスタムトッピング」の世界 日米含め、世界中で愛されるピザだが、宅配ピザだとデリバリーの人件費がかかることもあり、若干割高に感じる方も多いのではなかろうか。さらに、けっこう冷めていたりするし、実際のトッピングの量もチラシの掲載写真より少なかったりして、がっかりしてしまうこともしばしば。そんな中、気軽に、最高のピザを食べるにはどうしたらいいのか。ピザファンの私が導き出した一つの結論は、スーパーで安いチルドのピザを買い、そこにトッピングととろけるチーズを爆乗せするのである。そうすると、アメリカ人も唸るほど、とんでもなくウマいピザを食べることができるのだ。 誰もが愛してやまないピザ(写真はイメージ) スーパーで何も乗っていないピザ生地を買うとなると、だいたい179円だ。しかし、日本ハムのチルドピザ「マルゲリータ」だとこのピザ生地よりも少し大きく、トマトソースとチーズがかかっていて219円。40円の差だったらこちらを選ぶ。ここからチルドピザを自己流にアレンジし、最高のピザを作り上げていくのである。 トマトソースにジェノベーゼソースを上乗せ 基本的にはトマトベースのピザソースは用意していた方が良い。これをまずは全面に塗る。耳部分も含めてだ。そこにとろけるチーズ(シュレッドチーズ)を大量に乗せる。そして、意外と思われるかもしれないが、市販のジェノベーゼソースを塗るのも良い。瓶詰めで売っているが、そこまでたくさん使わないのであれば、ジェノベーゼパスタ用の和えるソースを買ってそれを使ってもいい。これは2食分入っていて198円ほどで買える。 トマトソースがベースでその上にジェノベーゼソースを乗せスプーンで広げていく。この組み合わせは実に美味である。こうして豊富なソースとチーズのベースができたところであとはトッピングに入る。 チルドピザにはソーセージが乗っているものもあったりするが、基本的に具は貧弱である。チーズも少ない。この安さだから仕方がない、と割り切ることも致し方ないが、せっかくの食事、よりおいしいものを食べたいではないか。だからこそ、ベースを作ったうえで、トッピングを充実させるのである。 まずは野菜だ。ピーマン、タマネギみじん切り、シメジあたりがいいだろう。他にも瓶詰めのハラペーニョペッパーもいい。そして、ここからが本番なのだが、まずオススメはサラミである。300円ほどで買えるサラミを敷き詰める。これで十分にウマい。 素晴らしきピザライフを 続いてのオススメはミックスシーフードだ。エビ・イカ・アサリの冷凍だが、一旦冷凍庫から出して解凍し、具がない場所に敷き詰めてしまおう。これで立派なシーフードピザになるのだ。 そして、もっともオススメするのは、イタリアンソーセージである。「サルシッチャ」の名前で売られていることもあるが、宅配ピザでも定番のトッピングだ。イタリアンソーセージはピザのために存在するのではなかろうか、というほどピザに合う。 私は佐賀県唐津市の「唐津くん煙工房」の4本入りサルシッチャを購入し、これを全部乗せてしまう。オーブントースターで焼く場合は火が完全に通らないため、事前に細かく切ってフライパンで焼いた上で乗せて再度オーブントースターで焼く。 648円するが、これを敷き詰めたピザは絶品である。元々のチルドピザと野菜とチーズ・ジェノベーゼソース合わせて1000円ほどだが、とんでもなく満足できるピザになる。 あとは冷凍ピザも同様のアレンジが可能だ。セブンイレブンの「金のマルゲリータ」にサラミを敷き詰めて食べたこともあるが、これも見事な出来栄えだった。「既製品をそのまま食べるのがいい」と考える人にとっては邪道だが、「正直既製品は具が少ないんだよな」と考える人はバンバン具やソースを足した方がいい。素晴らしきピザライフを! 中川淳一郎(なかがわ・じゅんいちろう) 1973(昭和48)年東京都生まれ、佐賀県唐津市在住のネットニュース編集者。博報堂で企業のPR業務に携わり、2001年に退社。雑誌のライター、「TVブロス」編集者等を経て現在に至る。著書に『ウェブはバカと暇人のもの』『ネットのバカ』『ウェブでメシを食うということ』『よくも言ってくれたよな』。最新刊は『過剰反応な人たち』(新潮新書)。 デイリー新潮編集部