毎日たくさんの情報があふれる中で、目の前の情報だけを信じていませんか? 見えていることだけでなく、「見えていないこと」に目を向けてみることで、本当の真実が見えてくることがあります。 論理的思考問題の傑作を世界中から収集・解説し、20万部を突破している話題書 『頭のいい人だけが解ける論理的思考問題』 (ダイヤモンド社)から、ある隠れた部分に目を向けることで解ける問題を抜粋して出題します。 知識や計算はいっさい不要。問われるは「考える力」のみ。論理的思考問題の初級編。難易度はかなり低いです。ぜひ試してみてください! 天秤と9 枚の金貨 柔軟な発想をするには、考える「対象」を変えることも有効です。この問題、ある部分に目を向けることがポイントになるのですが、わかるでしょうか? ▼問題 あなたの目の前に、天秤と、9枚の金貨がある。 どれも見た目はまったく同じだが、1枚だけ他の金貨より軽い金貨がある。 天秤を使って、軽い金貨がどれかを特定したい。 ただし、天秤を使えるのは2回まで。 さて、どうすればいい? 脳のトレーニングとしてもよく出てくる「天秤問題」です。海外では「Balance Puzzle」「Counterfeit Coin Puzzle」と呼ばれる、論理的思考問題の王道ジャンル。これは、その初級編です。難易度はかなり低いため、ノーヒントで挑みましょう。 「天秤問題」の基本戦略 このタイプの問題の基本となるのが、「天秤を1回使えば3グループの詳細がわかる」という考え方。「いや、天秤は2つのものの重さを比べるものなのでは?」と思うかもしれませんが、例を挙げて考えてみましょう。 「3枚のうち1枚だけ軽い金貨を、天秤を1回使って見抜け」 この場合、3枚のうち2枚を、それぞれ天秤の左右に載せて量ります。天秤が傾いた場合は、左右どちらかの金貨が軽いということ。 では、天秤が釣り合ったら? 天秤に載せなかった金貨が「軽い金貨」という事実を表します。つまり天秤は使い方によって、「天秤に載せなかったものの正体」もわかるのです。 2回の計量で「9分の1」を見抜く方法 今回の問題は、天秤の基本戦略を2回繰り返すだけです。 まず1回目の計量では、9枚の金貨を3枚ずつ3つのグループに分け、そのうち2つのグループを天秤で計量します。これで「どのグループに軽い金貨が含まれているか」がわかります。天秤が傾けば、皿が上がった方のグループに「軽い金貨」が。釣り合えば、天秤に載せなかったグループに「軽い金貨」があります。 そして2回目の計量では、軽い金貨が含まれているグループの3枚のうち、2枚を天秤の左右に載せます。これにより「どの金貨が軽いのか」を特定します。天秤がどちらかに傾けば、皿が上がった方の金貨が「軽い金貨」。天秤が釣り合えば、天秤に載せなかった金貨が「軽い金貨」です。 ◇正解 金貨を3枚ずつのグループ(A,B,C)に分ける。 グループAとBを天秤に載せる。 どちらかに傾けば皿が上がった方のグループに、釣り合えばグループCに「軽い金貨」はある。 「軽い金貨」があるグループの金貨3枚のうち、どれか2枚を天秤に載せる。 どちらかに傾けば皿が上がった方の金貨が、天秤が釣り合えば残りの1枚の金貨が「軽い金貨」である。 考え方のまとめ 「天秤なんて、実社会で使わないよ」という気持ちはわかります。私も使ったことなんて一度もありません。ただ、「確認していないことに、目を向ける」という視点の転換はさまざまな場面で役立つ思考法なので、覚えておいて損はないと思います。 ●Point 確認したことだけでなく、「確認しなかったこと」に目を向けることで、わかってくることがある 「結婚している人が独身の人を見ている」は正しい?世界一単純な問題【論理クイズ】