AV新法改正に向けた勉強会で飛び出した「スカウトバック」の闇

 問題は多岐に及んでいる——。AV出演被害防止・救済法(AV新法)の改正について、国会議員を対象にした「院内勉強会」が13日、衆議院第一議員会館で行われた。今回の主催は、有志のAV女優、男優ら実演者で構成された「一般社団法人映像実演者協議会」(以下、協議会)。  今まで計4回にわたりシンポジウムを開催してきた「AV産業の適正化を考える会」(考える会)は主にAVメーカー、制作者側らで構成された任意団体で、立場は異なる。国会議員らへ訴えた問題点も、ベースこそ同じだが「考える会」とは異なるものとなった。 「考える会」は、新法上の「出演契約後1か月間の撮影禁止、撮影後4か月の公表禁止」「公表後1年間は無条件で契約解除可能」の2点を問題視。契約、撮影、販売までのタイムラグによって経営的に疲弊する、制作サイドの状況を訴えた。  しかし今回、「協議会」が訴えたのは「考える会」が挙げた問題から、さらに業界の�グレーゾーン�に斬り込んだものだった。  それは今年改正される風営法で禁止事項として盛り込まれる「スカウトバック」の問題で、AV業界でも似たような事例が起きていると指摘したのだ。 「スカウトバック」とは、風俗店が女性を紹介したスカウトに支払う報酬のこと。悪質ホスト問題を機にその存在が浮き彫りになり社会問題化したが、協議会は「AV業界においてもスカウト問題は発生しています」と主張。  プロダクションとスカウトの間でスカウトバックが行われていることを訴え、改正風営法に盛り込めないのであればAV新法等で規制をかけるべきだ、とした。さらに協議会側は、その実態を出演女性が知らないまま出演料を受け取っていることもあわせて問題視した。  しかし、勉強会最後の質疑応答では「悪質なスカウトは禁止されるべきだが、AVスカウトそのものを禁止するのはAV=有害というイメージを持たれかねないのではないか」などの意見も飛び交うなど、難しい側面ものぞかせた。また協議会が挙げた問題点の中には、メーカーや制作サイドに対するものもあり、その根深さをうかがわせた。  AV新法施行からもうすぐ3年。改正へ向け着実に前へ進んでいるとはいえ、その道のりはまだ遠いと言えそうだ。

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