ロシアとウクライナは１５日、ウクライナ侵略を巡る和平に向けてトルコのイスタンブールで直接協議する。 　直接協議は２０２２年３月以来、約３年２か月ぶりとなる。動向が注目されていたプーチン露大統領は参加しないとみられる。米欧やウクライナが求める３０日間の無条件停戦を露側が受け入れるかどうかが焦点だが、協議は難航が予想される。 　露大統領府は交渉前日の１４日深夜、代表団のメンバーを発表した。前回の協議でもトップを務めたウラジーミル・メジンスキー大統領補佐官が団長となる。プーチン氏やセルゲイ・ラブロフ外相は含まれていない。ウクライナのウォロディミル・ゼレンスキー大統領は停戦を実現するため、プーチン氏の参加を繰り返し要求してきたが、露側は無視した形だ。ゼレンスキー氏はプーチン氏が出席すれば、自身も協議に参加する意向を示していた。 　ゼレンスキー氏は、プーチン氏の参加見送りで「停戦に消極的なのはロシアだ」と非難を強め、米欧に対露制裁の強化を求めるとみられる。ロイター通信によると、ゼレンスキー氏はトルコの首都アンカラに向かっており、１５日にトルコのタイップ・エルドアン大統領と会談する予定だ。 　ロシアとウクライナの協議では、３０日間の停戦案を受け入れるようウクライナが露側に求めるとみられる。だが、露側は停戦の前に紛争の「根本原因の除去」が必要だと訴え、ウクライナの「非軍事化」や「中立化」を求める立場を示してきた。停戦案を容易に受け入れる可能性は低い。 　ウクライナ側の代表団は公表されていない。和平を仲介する米国からは、代表としてルビオ国務長官らが出席する見通しだ。 　米ＣＮＮは１４日、トランプ米大統領がロシアとウクライナの協議に参加しないと報じた。複数の米当局者が明らかにしたという。トランプ氏は中東３か国を歴訪中で、出発前の１２日にはトルコでの協議に参加する可能性に言及していた。１４日にも大統領専用機内で記者団に「プーチン氏は私にトルコに来てほしいと思っている。もし戦争を終結できるなら私は訪問を検討する」と述べていた。