不動産投資会社「レーサム」の創業者で元会長の田中剛容疑者（60）と職業不詳・奥本美穂容疑者（32）、東京科学大に通う女子大生の小西木菜容疑者（21）の3人が、都内の高級ホテルで覚醒剤とコカインを所持していたとされる事件。田中容疑者が支払う高額な報酬とひきかえに、奥本、小西容疑者2人が性的な接待に応じていたという。 【内部写真】「薬物にウィダーinゼリー…性的パーティーは十数時間にわたることも」 「3人の逮捕容疑は昨年6月24日、東京都千代田区のラグジュアリーホテルの一室で、覚醒剤約0.2グラムとコカイン約0.8グラムを所持した疑いです。 　その後、小西容疑者は、田中容疑者を不同意性交等致傷罪で刑事告訴していました。しかし薬物を『無理矢理吸わされた』と訴えているとはいえ、複数回、自らの意思で薬物がある現場に顔を出していたこともあり、警視庁は“被害者”ではなく“共犯者”として小西容疑者を逮捕しました」 　小西容疑者が警視庁に提出した告訴状には、逮捕に至った“薬漬け性接待”の異常さが詳しく記されていた──【前後編の後編】。 　事件当時20歳だった小西容疑者の告訴状によると、昨年6月24日、指定された高級ホテルに赴いた。部屋に到着すると〈被告訴人（※編集部註：田中容疑者）と若い女性一人（※編集部註：奥本容疑者）がいた〉（告訴状より）。関係者によると、奥本容疑者とはこの日初対面だったという。田中、奥本容疑者はすでに薬物を摂取していたとみられ、意識が朦朧としているような様子だったようだ。 〈被告訴人が部屋に到着するや否や、全裸になるように命令した。告訴人（※編集部註：小西容疑者）は、被告訴人の様子が違うため不安になったが、逃げることもできないので命令に従った。女性が告訴人の胸や性器を実際に触り、薬物を混入したクリームを告訴人の体に塗った。いつもは基本的に見ている被告訴人も入ってきて、自分の手に薬物が混入されたクリームをつけて、告訴人の体をまさぐるように触ってきた（告訴状より） 　さらに田中容疑者は、小西容疑者に大麻や違法薬物をあぶった煙をストローで吸わせ、意識は朦朧としていたという。田中容疑者は薬物を混ぜたクリームをつけた指を小西容疑者に挿入するなど、これまでよりも激しい行為が続いた。 　田中容疑者は時間が経るにつれ、不機嫌になっていったという。小西容疑者は次第に恐怖を募らせ、交際相手の男性に助けを求める連絡をした。 　一方の田中容疑者は小西容疑者に「そばが食べたい」と要求した。ルームサービスのメニューを確認した小西容疑者がそばがないことを伝えると、田中容疑者が激高。長時間にわたって怒鳴り、靴ベラで複数回殴打したり、頭をつかんで強く揺さぶるなどの暴行を加えたという。 　その後も小西容疑者に対し奥本容疑者と〈絡むように命令した〉が、彼女らの体勢が気に入らなかったからか、〈被告訴人は「そうじゃない！」と言って再度告訴人の右足を殴った〉（告訴状より）。告訴状には、この際についたアザの写真が添付されている。 「小西容疑者が怪我をしたことで、告訴の罪状が不同意性交等致傷になっています。その後、駆けつけた交際相手が部屋の前まで来て、小西容疑者は部屋を出ました。 　交際相手の男性は薬物の現場の様子を押さえようと、携帯電話で撮影しながら室内に入り、両容疑者とトラブルになり、警察沙汰となっていました」（大手紙社会部記者） 　告訴状に記載されたこれらの出来事は、昨年6月24日に起きている。なぜ3人の逮捕まで1年近くもかかったのだろうか。 「不同意性交等致傷の罪に問えるかといったことや、薬物を吸引させられた小西容疑者の状態や発言の信用性など、立件へのハードルがいくつもあり、捜査が難航したことが推察されます。また“被害者”でもある小西容疑者をどのように処分するかということにも議論があったとみられます」（同前） 　共犯者として警視庁に逮捕された小西容疑者。代理人である加藤博太郎弁護士はこう話す。 「SNS上では小西容疑者が金銭目的だ、美人局だなどと書かれているが、6月24日の報酬はもらっていないし、決してそのような意図はありません。当日の田中容疑者の暴行はひどく、けがもしている。 　私個人としては小西容疑者が共犯者として逮捕されていることに違和感があるが、小西容疑者は処罰感情の強さから、逮捕の可能性を承知の上で告訴に踏み切った。田中容疑者の被害者で、警察に相談している女性は他にも複数います」 　警視庁は、田中容疑者の薬物の入手ルートや“性接待”の実態解明に向けて捜査を進めている。