【国民民主】山尾志桜里擁立にネット猛反発…天下取りを狙う玉木雄一郎の「見過ごせない問題」

「手取り増」を掲げ、勢いに乗る国民民主党だったが、風向きが変わりつつある。来る参院選に山尾志桜里氏を擁立し、SNSを中心に非難が殺到しているのだ。山尾氏といえば、’17年に男性弁護士との不倫が発覚。弁護士の妻が自殺する悲劇も起こった。 同党では筆者がスクープした平岩征樹衆院議員の「偽名不倫」も発覚したばかりだ。 代表である玉木雄一郎氏から続く不倫スキャンダルに、支援組織「連合」の芳野友子会長も業を煮やしており、両者の亀裂はついに決定的なものなろうとしていた…。 「15年後に総理大臣になります」 のどかな田園風景の中を、ディーゼルカーがゆったりと走る。香川県東部のさぬき市寒川町。田畑が広がり、秋になれば、コスモスが咲き誇る農村で、国民民主党の玉木雄一郎代表(56歳)は育った。SNSを駆使し、野党トップの支持率を誇る一方、「土の匂いのする政治家」を自称するのは、こうした背景がある。玉木氏の元秘書の一人が語る。 「ご実家があるのは、神前という地域。地名にあやかってか、地元の人は『玉木さんは神童と呼ばれとるけんな。神の子や』と真顔で言う。お父様に『コイツは総理大臣になるけんな。秘書になれてありがたいと思え(笑)』と言われたことも。冗談交じりでしょうが、面食らいましたよ」 玉木氏は東京大学法学部を卒業し、大蔵官僚となった後は米・ハーバード大学大学院にも留学した。'05年の衆院選では香川2区から民主党の候補として初出馬したが、自民候補に敗北。雌伏の時を経て、'09年の衆院選で初当選した。複数の元秘書は玉木氏が当時、支援者に何度もこう語っていたと口を揃える。 「5年後に大臣、15年後に総理大臣になります」 民主党政権が瓦解し、「5年で大臣」は達成できずじまいだった。しかし、総理への野心を語ってから約15年後の現在、玉木氏の天下取りの道は確かに現実味を帯びている。 石破政権の支持率は低迷し、夏の参院選で自公過半数割れに追い込まれれば、与党に留まるため「玉木総理」を条件に「自公国」の枠組みで国民民主に連立を持ちかけるシナリオが急浮上する。 自民内にも石破茂総理(68歳)に代わる有力な総裁候補が見当たらず、「玉木総理待望論」も聞こえる。玉木氏自身、立憲民主党との連携に否定的な一方、自民との参院選後の連立入りに含みをもたす。国民民主の参院選候補者が語る。 「首班指名を狙っているのは間違いない。玉木さんも榛葉賀津也幹事長も、万年野党じゃダメだという考えです」 ただ、見過ごせない問題も存在する。労働組合の中央組織「連合」との関係だ。 支援組織「連合」は空中分解寸前! 「同じ姓を名乗っていても、家族が壊れる時は壊れる」 4月24日にそう語ったのは連合の芳野友子会長(59歳)。玉木氏と国会内で面会し、選択的夫婦別姓制度導入を求めた。度重なる国民民主の「不倫問題」への当てつけか。国民民主は前回衆院選で選択的夫婦別姓を公約としたが、最近は消極姿勢が目立ち、連合側は苛立ちを募らせた。 立憲幹部が語る。 「結局、我が党は単独で法案を出しましたが、選択的夫婦別姓は国民民主が乗ってくれれば成立する可能性もあった。しかし、玉木さんはのらりくらりとかわしてきました」 立憲と国民民主の最大の支援組織である連合は、両党に連携を求める立場。だが、参院選の候補者一本化を巡っても、国民民主は立憲候補のいる一人区に独自候補を擁立し、溝は深まるばかりだ。 「参院選後に主導権を握るため、玉木さんは『公明党くらいの勢力にしたい』と話しています。裏金問題などで自民から離れた保守票をとりにいく戦略で、選択的夫婦別姓の導入も含め、立憲との協調はマイナスと見ている」(同前) 旧民主の枠組みから離れ、総理の椅子を目指す玉木氏に、連合関係者からは「みんな呆れている」という声も出る。 だが立憲と国民民主が道を分かつのと同時に、まとめ役を自任する連合自体が、今や分裂の危機に瀕していることは見過ごせない。 立憲の参院議員が語る。 「連合はその名の通り、産別(同じ産業に従事する労働者により企業の枠を超えて組織される労働組合)の連合体です。一部の産別は勢いのある国民民主支持でイケイケドンドン。逆に立憲に対してはもうダメ。連合も昔と違い一枚岩ではないのです」 連合内の亀裂はすでに表面化している。たとえば連合千葉の主要幹部は、国民民主寄りの電力総連の出身者が占める。前回衆院選では「電力総連の組織内候補である岡野純子衆院議員(国民民主)への身びいきが露骨で、立憲候補には地域推薦を出さなかった。地元の地方議員にも『推薦候補以外を応援したら推薦を取り消す』と圧力をかけた」(連合千葉関係者)という。 「福島原発事故後、大人しくしていた電力総連ですが、最近は原発再稼働に向け、活発に活動する。原発ゼロを掲げる立憲とは水と油です」(同前) 後編記事『山尾志桜里擁立で国民民主に逆風が吹き荒ぶ中…「自民党の弱体化と連合の賞味期限切れ」玉木雄一郎の野心と誤算』へ続く。 かわの・よしのぶ/'91年、東京都生まれ。早稲田大学政治経済学部を卒業後、『サンデー毎日』『週刊文春』の記者を経てフリーに。主に政治を取材している 「週刊現代」2025年5月26日号より 【つづきを読む】山尾志桜里擁立で国民民主に逆風が吹き荒ぶ中…「自民党の弱体化と連合の賞味期限切れ」玉木雄一郎の野心と誤算

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