現代日本の「移動格差」驚愕の実態!半数弱は自分を「自由に移動できない人間」、6割以上が「移動の自由をめぐる差は存在する」と思っている現実

日本人は移動しなくなったのか? 人生は移動距離で決まるのか? なぜ「移動格差」が生まれているのか? 注目の新刊『移動と階級』では、通勤・通学、買い物、旅行といった日常生活から、移民・難民や気候危機など地球規模の大問題まで、誰もが関係する「移動」から見えてくる〈分断・格差・不平等〉の実態に迫っている。 「移動できる人」と「移動できない人」の格差 〈移動手段が飛躍的に発展し、便利になったと言われる世の中だが、以前よりも移動しにくい人や、移動できない人も多くいる。世界中を旅行したり、移住を繰り返したりする人がいる一方で、日々の買い物に行くことさえも一苦労という人がいる。「移動に困難を感じている人」や「移動したいけれど、移動できない人」とは一体どんな人だろう。逆に、自由に移動し続けている人々は、一体どんな人なのだろうか。 こうとも言えるだろう。実は、現代社会には、「移動できる人」と「移動できない人」の間に大きな“格差”が存在するのだと。そして、私たちは、無意識のうちに移動できる人ほど“格”が高い“勝ち組”で、移動できない人、移動しない人は“格”が低い“負け組”だと思っていないだろうか。〉(『移動と階級』より) 〈本書は、「移動格差(mobility gap)」という言葉をキーワードに、移動を問い直し、現代の移動の実態と、移動がつくる社会の姿を明らかにする。簡潔に言えば、「移動って何?」「なぜ、どんなふうに移動は不平等なのか?」を、社会学的な視点から解き明かす本である。 移動格差とは、「人々の移動をめぐる機会や結果の格差と不平等、それが原因で生じるさまざまな社会的排除と階層化」を意味する概念である。きっとこの言葉を初めて聞く人が多いと思う。なぜなら、移動格差をテーマにした本は、世の中にごく僅かしかないからである。しかし、いまはまだ広く知られていないものの、近年、メディアや政策でもたびたび言及されるようになっており、今後、さらに関心が高まっていくことは間違いない。 本書では、移動格差の実態を明らかにするために、独自のアンケート調査結果や研究蓄積をもとに、議論を進めてみたい。その結果、浮かび上がってくるのは、階級や社会階層、性別、居住地域などによって異なる移動の実態である。〉(『移動と階級』より) この世界には「移動できる人」と「移動できない人」がいて、格差がある。お金があれば移動しやすそうだし、その逆もある。直感的には理解できるが、データではどのようなことが見えてくるのだろうか。 現代日本の「移動格差」の実態 そこで、『移動と階級』で紹介されているデータからいくつか紹介してみたい。 ・年収が高いほど移動にかかる平均費用も高い ・半数弱は自分を「自由に移動できない人間」だと思っている ・5人に1人は移動の自由さに満足していない ・6割以上の人が「移動の自由をめぐる差は存在する」と思っている ・3人に1人が、他人の移動を「羨ましい」と思っている ・4人に3人が「移動はもって生まれた権利」と認識 など、移動をめぐるリアルが見えてくる。 ほかにも旅行であれば、〈過去1年以内に居住都道府県外への旅 行経験がない人の割合が、年収600万円以上の人だと18.2%、年収300万〜600万円未満の人は30.7%、年収300万円未満の人は45.6%という調査の結果である。つまり、居住都道府県外への旅行をめぐって、年収600万円以上の回答者と300万円未満の回答者で、およそ27%ポイントもの差が存在する。〉(『移動と階級』より)といったように「約3人に1人が、過去1年以内に居住都道府県以外に旅行していない」といった衝撃の実態もある。 データや論点を通じて、移動をめぐる格差や不平等を考えるきっかけにしてほしい。 新刊『移動と階級』では、意外と知らない「移動」をめぐる格差や不平等について、独自調査や人文社会科学の研究蓄積から実態に迫っている。 【つづきを読む】この世界には「移動できる人」と「移動できない人」に大きな格差があるという「深刻な現実」

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