阿部寛が主演する映画『キャンドルスティック』のジャパンプレミアが、6月19日に開催されることが決定。あわせて、米倉強太監督より阿部&菜々緒が演じるキャラクター像や撮影エピソードに関してのコメントが到着し、主要キャスト陣が演じる“ろくでなし”たちの思惑が渦巻く場面写真第2弾も解禁された。 【写真】『キャンドルスティック』“ろくでなしたち”の緊迫感が伝わる場面写真第2弾 本作は、元・天才ハッカー野原と世界各国のろくでなしたちが、“AIを騙して大金をせしめる”前代未聞のミッションに挑むマネーサスペンス。 この度、本作のジャパンプレミアが6月19日に開催されることが決定した。都内イベント会場で夕刻に実施される予定だ。イベントには阿部寛、菜々緒、アリッサ・チア、サヘル・ローズ、津田健次郎、リン・ボーホン、YOUNG DAISの国際色豊かな豪華キャスト陣に加え、本作で長編映画初監督を務めた新鋭・米倉監督も登壇。一筋縄ではいかない“ろくでなしたち”を演じた総勢8名が一堂に会する、貴重なイベントとなる。 また、米倉監督から阿部&菜々緒が演じるキャラクター像や撮影エピソードに関してのコメントも到着。主演を務める阿部については、「これだけの役者陣をまとめ上げられたのは、阿部さんがいたからこそだと思います。僕自身も含めて、阿部さんが導いてくれた、そんな現場でした」と「メンズノンノ」の先輩でもある阿部への信頼を語った。 本作で国際映画デビューを飾る菜々緒については、「『いかに“自分”に見せないか』という意識で、メイクも含めてかなり繊細に作り込まれていて、白髪もあえてそのままにしていたほど」と語り、その役への真摯な姿勢と女優としての存在感に深い敬意を示した。 あわせて解禁された場面写真には、“ろくでなしたち”の揺れ動く感情が色濃く映し出されている。かつてはエリートプログラマーとして将来を約束されながら、その道を完全に外れ、今は愛車・ウーズレーに車中泊を繰り返す日々を送る野原(阿部)。彼の相棒である赤いウーズレーは、劇中ではすべてを失った孤独な野原の心情に静かに寄り添う存在として登場する。 野原は、FXのセミナーで、自分と同じく数字に色がついて見える“共感覚”を持つ女性・杏子(菜々緒)と出会い、やがて惹かれ合っていく。それにより彼女は数学者の夫・功(津田)との間で修羅場を迎えることに。 一方、野原は過去に因縁を持つリンネ(チア)の陰謀に巻き込まれ、AIを欺く金融トリックという知能戦に挑む。そんな葛藤に苦しむ彼を、杏子がそっと抱きしめ支える。 さらに、台湾の若き経営者ルー(ボーホン)の眼光鋭い眼差しや、立ち退きの危機に直面する福祉施設を守ろうと奔走する吉良(YOUNG DAIS)と、彼を励ます中東出身の美女・ファラー(ローズ)の鬼気迫る表情も印象的だ。 映画『キャンドルスティック』は、7月4日より全国公開。 ※米倉強太監督のコメント全文は以下の通り。 <コメント全文> ■米倉強太監督が語る阿部寛&菜々緒のキャラクターと撮影エピソード ——野原(阿部寛)について。 本当に、これだけの役者陣をまとめ上げられたのは、阿部さんがいたからこそだと思います。僕自身も含めて、阿部さんが導いてくれた、そんな現場でした。 現場では、阿部さんとたくさん会話しました。僕から質問することもあれば、阿部さんの方から「どうしたい?」と問いかけてくれることもあって。「こうした方がいいんじゃない?」みたいに決めつけるのではなく、あくまで僕自身の意志を引き出すようなスタンスでいてくれました。それがすごく話しやすかったし、自分の意見も言いやすかったですね。そういう意味でも、阿部さんは僕を“監督になっていく”というプロセスへと導いてくれた人です。現場中、ずっと階段を一段一段上らせてくれているような感覚がありました。 また、野原というキャラクターを描くにあたって、最初に悩んだのが「彼を感情豊かな人間にするか、それともAIのような無機質な存在として描くか」という点でした。もし彼を感情の起伏が激しい人物にしてしまうと、物語全体のバランスが崩れてしまう気がしたんです。 結果的には、野原を「まるでコンピューターのような男」として描くことにしました。彼はハッカーやポーカープレーヤーに共通するただ無感情ではなく内面に感情を持ちながらも、それを外には出さずに処理できる才能を持つ人間像として表現しました。 ——杏子(菜々緒)について。 菜々緒さんは、現場では本当に周囲のスタッフと気さくにコミュニケーションを取っていて、すごく朗らかな雰囲気を作ってくれました。一方で、僕自身は現場であまり雑談をしないタイプなので、菜々緒さんとは必要なことをじっくり言葉を交わす、という距離感でした。 でも、杏子というキャラクターについては、菜々緒さんからさまざまな意見や提案をいただきました。「このセリフ、杏子なら言わないんじゃないですか?」「ここはちょっと杏子っぽくないかもしれない」といった具合に、細かいニュアンスまで丁寧に向き合ってくださって。野原との関係性についても、同様に深く掘り下げて考えてくれていました。 今回の杏子という役柄は、菜々緒さんにとってもこれまでにない新しい挑戦だったと思います。これまでは、華やかで強く輝く女性の役が多かった印象がありますが、今回はそれとはまったく違う、静かで内面に力を秘めたキャラクター。だからこそ、ご本人も楽しみながら演じていたように見えました。「いかに“自分”に見せないか」という意識で、メイクも含めてかなり繊細に作り込まれていて、白髪もあえてそのままにしていたほど。むしろ、その静けさが杏子という人物の品格として映っていました。