生活につながる身近なニュースを掘り下げるコーナー「らいふ」今回は、日本人女性の9人に1人がかかるという「乳がん」がテーマです。その早期発見につながる乳がん検診について考えます。 【写真を見る】痛くない乳がん検診「無痛MRI検診」 熊本総合病院で始まる マンモグラフィなどと合わせ受診率の向上を 40歳になると、以降2年に1度の受診が推奨されていますが、受診率はどれくらいだと思いますか? 実は、47.4%なんです。他の先進国と比べて日本はかなり低いと言われています。なぜ低いのか。乳がん検診について熊本の街で聞きました。 ――乳がん検診を受けていますか? 70代「受けていないです」 50代「受けていない。一度はあります。痛かったです」 30代「受けていないです。痛いと聞くと、ちょっとなぁとなって行かない」 30代「受けたことないです。痛いと聞いて、ちょっと気が引けているところもあります」 乳がん検診でよく知られている方法が「マンモグラフィ」です。乳房を2枚の板ではさみ、押しつぶした状態でX線撮影するものです。 熊本総合病院 本島寛之健康管理センター長「乳房をつぶすという状況になって痛みを伴う、乳房を他の人に見られてしまうというところあたりが検診率を抑えてしまうのかなと思っています」 毎年検診を受けているという人でも、いろいろと気になることがあるようで… 50代「一応、年1回は受けています。色々なことを聞いて放射線が気になるなと」 50代「乳がん検診毎年受けています。マンモが痛い。母が乳がんにかかっていたので、痛いし恥ずかしいけど、やっぱり大切なことなので毎年受けなきゃなぁと思って」 こういった中で、これらの悩みを解消できる新たな検診方法が、県内で初めて八代市の病院で始まりました。 記者「新たな検診方法は、このように検査着を着たまま受けられます。実際に受けてきます!」 5月19日に八代市の熊本総合病院で運用が始まった「無痛MRI検診」最大の特徴がその名の通り”痛くない”ことです。 記者「目を閉じて横になっている間にあっというまに終わっていました。痛くない、恥ずかしくないので受けることのハードルがグッと下がるような気がします」 乳房を圧迫せずに検査ができるので、痛みがないことに加え、検査着を着たまま受けられるのでプライバシーも守られます。そして… 熊本総合病院 佐藤加奈子放射線科医師「被ばくがないのでその点が一つメリットかと思います」 さらに、無痛MRI検診は、乳腺の濃度が濃い人が多い日本人の乳房に適しているとされ、より精度の高い検査ができるということです。 熊本総合病院 佐藤加奈子放射線科医師「他県では導入されている施設もあったんですが、熊本県にはまだ導入されている施設がなかったので、これを機会に今まで受けていない方にもぜひ受けていただきたいなと思います」 実際に受けた人は… 50代「こんなに楽で、MRIというと怖いイメージがあるんですけど、何にも怖くないし短時間で終わるし恥ずかしくないというのもすごくいいかなと思います。以前の検診で、高濃度乳房、乳腺が多いと言われてよく引っかかるんですよね。乳腺が多くても問題ないというのもいいのかなと」 50代「金額は高いなと思ったんですが、それなりの価値はあるのかなと。あとは良かった点しかないと思う。痛くもないし、職場で若い子たちに広めてみたいなと思います」 受けた人からは評価が高い「無痛MRI検診」ですが、一方で、実際にこの検査方法を選択する人はまだ少なく、情報の周知が課題となりそうです。 【無痛MRI検診について】 ▼熊本総合病院では22,000円(保険適用外) ・マンモグラフィ:4,070円(1方向)6,050円(2方向) ・乳腺エコー:3,300円 ▼2020年に認められた新しい検査方法のため有効性に対するデータは乏しい 費用面これまでの方法と比べると高いので、例えば、プレゼントとして贈ることも良いでしょうし、八代市がふるさと納税の返礼品として2025年中の登録を目指しているので、これまで受けていなかった人にも選択肢のひとつとして考えてほしいということです。