トヨタ新型「RAV4」が世界初公開 気になる話をチーフエンジニアに直撃

ついに登場! 新型RAV4、あれやこれやをキーマンに聞いてみた!  6代目に進化したトヨタ新型「RAV4」が日本で世界初公開されました。  本記事では筆者(山本シンヤ)が現地でチーフエンジニアの太長根嘉紀(フトナガネ・ヨリノリ)氏と各領域の開発担当者、更にチーフブランディングオフィサーでデザイン領域を統括するサイモン・ハンフリーズ氏に聞いた生情報をお届けしたいと思います。 ついに6代目となった新型「RAV4」 【画像で全部見せます!】 これが新型RAV4「3つの顔」です!(30枚以上) —— RAV4は1800の国と地域で販売され、累計販売台数は1500万台を記録。年間の販売台数は100万台前後と単一車種としてはトヨタラインナップでトップで、まさに「エース中のエース」と言っていいモデルです。そのフルモデルチェンジと言うとプレッシャーは大きかったと思いますが?  太長根:プレッシャーはどんな仕事をしていても常にありますが(笑)、RAV4の開発はむしろワクワクのほうが上で、常にチャレンジャーの気持ちで開発に取り組みました。 —— エクステリアはキープコンセプトですが、より知的な印象です。3つのスタイルも実に明快で解りやすいと思いました。  サイモン:先代(5代目)でRAV4の立ち位置が明確になったので、新型はその良さを活かし、素直に「カッコイイ」を目指して進化させています。  特に意識したのは「ど真ん中にしない事」です。もちろん失敗できないクルマなのはよく認識していますが、それを考えすぎると仕事ができなくなるので(笑)。  太長根:実はパワートレインの小型・高効率化で先代よりボンネットフードが下げられた事も、デザインの自由度を上げられた要因の一つだと思っています。 —— Coreをセンターにアドベンチャーは先代よりワイルドな雰囲気が魅力です。個人的には北米専売の4ランナーとイメージが似ているような気がしました。  サイモン:なかなか鋭いですね(笑)。  トヨタのオフロードSUVのモチーフを応用していますが、ハンマーヘッドの良さは残したかったのでその要素はしっかり盛り込んでいます。 —— GRスポーツはRAV4初設定です。  太長根:やはりユーザーの幅がとても広いクルマですので、お客様の多様な価値に対応するためにも選択肢を広げるために用意しました。  先代のPHVはパフォーマンスがウリの電動車でしたが、GRスポーツは当然その上を目指しています。 RAV4として初設定の「GRスポーツ」 —— インテリアは水平基調でクリーンな印象ですが、やはり注目はソフトウェアづくりのプラットフォーム「アリーン」の採用です。  太長根:新型RAV4の挑戦の1つですが、これで「何ができる」よりも、「シッカリとした土台ができた」と言う認識です。  現時点では新世代のマルチメディアや最新の運転支援機能(トヨタセーフティセンス4.0)などに反映していますが、販売台数が多いクルマに搭載することに意味があると思っています。 —— ラゲッジスペースも拡大されています。  サイモン:ラゲッジを広くすると平板に見えてしまいがちですが、リアの張り出しを強調することで、ダイナミックなスタイルと使い勝手を両立させました。 —— パワートレインはHEV/PHEVの2タイプになります。ガソリン車は?  開発担当者:現時点では設定ありませんが、マルチパスウェイプラットフォームですので…(意味深)。  HEVはクラウンクロスオーバーと基本的には同じハード(=第5世代)を搭載しますが、PHEVはトヨタ初搭載となる第6世代のハイブリッドシステムをベースにプラグインハイブリッド化しています。 —— 第6世代ハイブリッドシステムはどのような進化をしているのでしょうか?  開発担当者:BEV(bZ4X)の開発で培った技術・知見をフィードバックさせたシステムになっています。  具体的にはパッケージの拡張性を上げるために、小型・高効率化(できるだけエンジンコンパートメントに集約)させつつ出力も上げることが狙いです。  具体的にはフロントアクスルへのシリコンカーバイト半導体の採用など、損失低減を図った駆動伝達系の採用が行なわれています。当然、エンジンもより厳しい排ガス規制を見越した最適化を行なっています。 —— PHEVの航続距離が従来の95kmから150kmと大きく伸びました。これはバッテリ容量が増えているわけですよね?  開発担当者:その通りですが、容量などに関しては改めてご説明させてください。 —— ちなみに先代PHVが登場した時、当時の開発担当者は「200km走れるPHEVがあれば、BEVは必要なくなるですけどね」と言っていましたが、それに近づきつつあります。  開発担当者:もちろんBEVも一生懸命やっていますが、新型のPHEVは「ほぼBEV」として使える領域が増えたのは事実ですね。 —— ちなみにグレードのよってパワートレインの使い分けは?  太長根:CoreはHEV/PHEV、アドベンチャーはHEVのみ、逆にGRスポーツはPHEVのみの設定となっています。 3つの仕様が設定される新型「RAV4」 —— RAV4の歴史を振り返ると、初代/3代目にBEVがラインアップされていましたが、新型にはその予定は? ちなみに上海モーターショーで世界初公開されたレクサスESは同じGA-Kプラットフォームですが、BEVも用意されています。  太長根:BEVはトヨタにはbZ4Xがあります。マルチパスウェイと言う考え方としては、それを含めて「群」として考えています。なのでRAV4はHEV/PHEVと言うわけです。 —— ちなみに先代PHVは0−100km/h加速6.0秒(GRスープラに次ぐ)の俊足で「PHVの『P』はパフォーマンス」と言っていましたが、新型はシステム出力が306→320psにアップ。つまり、更に上を行くと?  太長根:当然YESです。更にGRスポーツは空力性能を高めるスポイラー(前後)やフットワークの専用チューニング(専用サスペンション、専用EPS)もしていますので。 —— プラットフォームは先代と同じくGA-Kを採用していますが、どのような進化が行なわれているのでしょうか?  太長根:我々は2巡目と呼んでいますが、1つは電動化対応で、床下をいかに有効的に使えるかの部分は大きく手を入れています。  走りに関しては先代で高い評価を得た「RAV4らしい走り」をより引き上げるのはもちろんですが、静粛性に関しては課題があったので、その辺りもシッカリと手を入れています。 —— ちなみにHEV/PHEV共にE-Four(電動4WD)を採用しています。RAV4はオフロード性能も大事なポイントですが、その辺りはどうでしょうか?  開発担当者:ガソリン車と同じ性能を備えています。リアモーターは先代と同じ(=40kW)ですが、先代はその性能をフルに使えておらず。  そこで新型はその性能をフル生かせる制御に進化させました。その辺りのノウハウはスバルさんからも間接的に勉強させてもらっています。 新型RAV4のワールドプレミアに登壇したサイモン氏 —— RAV4が新型になると、当然そのコンポーネントを活用しているハリアーの生末が気になる所ですが、どうでしょうか?  太長根:非常に答えにくい質問ですね(苦笑)。  ひとつ言えるのは、RAV4群はカローラやヤリス、そしてクラウンの群戦略とはちょっと違った群戦略で動いていると言う事ですね。  サイモン:実は僕はハリアーと縁があります。  デザイン部長になった時に先代ハリアーが登場、役員になった時に今のハリアーが登場しました。次は? 解りませんね(笑)。 —— 最後に新型RAV4について、読者の方に一言お願いします。  太長根:新型RAV4はアナログとデジタルの両側面で様々な挑戦をして開発したモデルです。  開発コンセプトは「Life is an Adventure」ですが、誰もがこのクルマでアクティブな生活を楽しんでもらえると嬉しいです。  日本での発売は2025年度内を予定していますので、是非ともご期待ください。

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