大阪地検トップの検事正だった北川健太郎被告（６５）が元部下への準強制性交罪に問われた事件で被害を訴えている女性検事が２１日、都内の日本外国特派員協会で会見を開いた。 　女性検事は２０１８年９月に当時大阪地検トップの検事正だった北川被告から酩酊し抵抗できない状態で性暴力を受けたと告発し現在、大阪地裁で係争中。起訴された北川被告は初公判で容疑を認めていたがその後、一転して否認し、争う姿勢を見せているという。 　会見で北川被告の直筆書面を公開。書面には「あなたの気持ちをよく考えてもっと誠実に対応しておけば解決のチャンスはあったかもしれないと思っています。後悔しています。私も事件後はおかしくなっていたようです」などと記されていた。 　北川被告が１８年から１９年まで検事正を務めていたことから森友学園問題に関する質問も飛んだ。学校法人「森友学園」への国有地売却をめぐる文書改ざん問題で１９年に佐川宣寿元国税庁長官や財務省職員らを不起訴処分としている。 　また、この問題をめぐっては今年４月に財務省が新たに開示した森友学園に関する文書の一部が欠落していると遺族が指摘したことに対して「廃棄されたと考えられる」と回答し波紋を広げた。 　１８年９月に女性検事に性暴力を加えたとされる北川被告は当時、森友学園問題に対して判断が下せるような精神状況にあったのか。 　女性検事は「森友事件は私が担当してないので詳細は把握していません」と断ったうえで「北川の直筆書面にも『私も事件後はおかしくなっていたようです』と書いてるように、私が訴えないかどうかすごくビクビクおびえていた時期でした。そもそも犯罪を犯し、追い込まれている人がきちんとした判断できたのか非常に疑問に思っています」と述べた。 　女性検事は森友問題を含めて事件の見直しをするべきと検察に掛け合ったが、見直されることはなかったという。「捜査機関として本当にそういうことでいいのかと強く感じます」と語った。