日産、新型EV『マイクラ』欧州導入 ボリューミーで丸みのあるデザインへ 航続距離408km

歴代初のEV専用モデルに 日産は、第6世代となる新型『マイクラ(Micra)』を欧州で発表した。これまでの「おばあちゃんのクルマ」というイメージから脱却し、若い世代のユーザーをターゲットに開発された。 【画像】「日産らしさ」は実現できた? 若者向けのプレミアムな新デザイン【日産マイクラの詳細を見る】 全45枚 初代モデルの発売から42年、累計600万台以上の販売実績を誇る人気ハッチバックの最新型だ。アライアンスパートナーであるルノーのEV『5』の兄弟車であり、歴代で初めて内燃エンジンを搭載しないことになる。 欧州市場で発表された新型日産マイクラ。 日産が近年大きな損失を被り、大規模なコスト削減を余儀なくされる中で、マイクラは欧州市場での販売拡大を目指している。 新型マイクラは、2026年末までに欧州で発売する4車種の新型EVのうちの1つ。他の3車種は新型リーフ、ジューク(次期型EV)、および新型ルノー・トゥインゴと兄弟車となるAセグメント車(車名未確認)だ。 Amprスモール・プラットフォームを採用し、40kWhまたは52kWhのバッテリーを搭載。航続距離は前者が310km、後者が408kmだ(WLTP基準)。上位グレードでは、最大100kWの充電速度に対応し、15%から80%まで30分で充電可能。 ルノー5と同様、シングルモーターをフロントに搭載し、40kWhバッテリー搭載モデルで最高出力123ps、52kWhバッテリー搭載モデルで150psを発生する。 独自のスタイルを追求 パワートレイン以外の最大の変更点は、その抜本的に刷新されたデザインだ。5と同時に開発が進められたが、日産のデザイナーは「より日産らしい」デザインを目指したという。ただし、「その実現には苦労した」と、エクステリアデザインマネージャーのCho Yongwook氏はAUTOCARに語っている。 新しいデザインは「大胆で、主張が強く、スタイリッシュ」と形容され、2002年登場の第3世代のマイクラ(K12型マーチ)からインスピレーションを得ており、特にフロントとリアの円形デイタイムランニングライトが特徴的だ。 エクステリアは第3世代(K12)の影響を受けている。 日産 Cho氏によると、「すでにスタイリッシュな」5とは異なるデザインを任され、「大変」な思いをしたという。 ルノー5との違いの1つはフロント部分で、ボンネットがより高く、長く、ややボリューミーなアーチ形状となっており、独自のシルエットを作り出している。 「フロントにボリューム感を出したかった」とCho氏は述べ、これによりマイクラは5よりもクロスオーバーに近い印象になったと付け加えた。 違いとしては他にも、リアにリップが追加されたことと、サイド(2台の関連性が最もよくわかる部分)に「ジェラートをすくったような」ショルダーラインが描かれていることが挙げられる。 これらのデザイン要素が組み合わさって、マイクラは「おばあちゃんのクルマではなくなった」とCho氏は主張する。 プレミアム志向の仕上がり インテリアは5とほぼ同一で、2つの10.25インチディスプレイ、スイッチ類、素材は同じだが、カラーバリエーションはホワイト、グレー、ブラックと、落ち着いた組み合わせになっている。 これは、5よりもプレミアムな製品として位置付けることを目的としたものだ、と欧州マーケティング責任者アルノー・シャルパンティエ氏はAUTOCARに語っている。そのため、価格はルノー5の2万2995ポンド(約440万円)よりも高くなると見込まれる。 インテリアは兄弟車のルノー5よりもプレミアム志向だという。 日産 マイクラのデザインを大幅に変更した理由について、シャルパンティエ氏は次のように説明した。 「英国は欧州でも圧倒的に重要な市場(2024年初頭から13万3000台を販売)なので、何か新しいものを提案する必要がありました」 「この新型車は、人々が『マイクラ』という車名を見て思い浮かべるイメージと、ギャップがあると思います」 「若い購入者がターゲットです」 シャルパンティエ氏によると、英国のマイクラの購入者層は、他の地域とは異なっているという。例えば、フランスやスペインでは購入者の年齢が若く、「ほぼ95%が女性」だ。そのため、「ジェンダーニュートラルな(性別を問わない)デザインにしたかった」とのこと。 「真の課題は若返りです。英国では “おばあちゃんのクルマ” というイメージが根付いていますが、大胆で遊び心のあるデザインを通じて、現代の若い親世代など、新たな顧客層を獲得できると確信しています」と同氏は言う。 日産の再活性化を担う重要な1台 EVへの切り替えは販売に影響を与えるかという質問に対し、シャルパンティエ氏は「これはEVであるということを説明する必要があるでしょう。ルノー5では説明する必要がありました。それが事実です」と答えた。 5は今年に入って欧州で1万6948台を販売するなど、好調ぶりを見せている。その人気の理由の1つは低い価格設定にあり、シャルパンティエ氏は、完全電動化がマイクラの販売を妨げるという見方に異を唱えた。 富士山のモールドなど、日本らしい要素が随所に散りばめられる。 日産 「ブランドは非常に強力です。例えば、マイクラというブランドは英国では5よりも強いと確信しています。おそらくイタリアでも同様でしょう。そのため、この点については心配していません」 さらに、シャルパンティエ氏は、新型リーフと次期型ジュークの導入が、苦境に立たされる日産を活性化させるだろうと考えている。 「この新しいEVラインナップは、わたし達を競争に復帰させるでしょう」と同氏は期待を寄せた。 新型マイクラの生産は、ルノー5と同じフランス・ドゥエでの工場で行われる。

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