「コメを買ったことがない」などの発言が批判を受け、江藤拓農相（６４）が更迭された２１日、江藤氏の地元の宮崎県内では消費者やコメ農家らから「辞任は当然だ」などの声があがった。 コメどころで知られるえびの市の農家の男性（５１）は「農政をつかさどる大臣が『コメを買ったことがない』と公の場で発言するのは適切ではなく、辞任はやむを得ないのではないか」と話した。 江藤氏は１８日に佐賀市で開かれた自民党佐賀県連の政治資金パーティーで「コメは買ったことがない。支援者がたくさんくださる。売るほどある」と述べたほか、もらったコメについて「石とか混じっている」とも語った。こうした言葉について男性は「コメの質に関するような発言は最低で許せない」と憤った。 宮崎市のスーパーを訪れた市内の主婦（７３）は「コメは必需品なので高くても仕方なく買っている」とため息をついた。江藤氏の発言については「あまりにも軽率」とし、同氏が「『売るほどある』は宮崎弁的な言い方」と釈明したことに関しても、「方言ではない。自分の失言を軽くしようとしたのでは」と切り捨てた。 宮崎市の別のスーパーに来ていた市内の女性（６８）は「皆がコメの高値に苦労している時に言うことではなかった。自宅に以前、確保していたコメが残っているが、どんどんコメが高くなっている」と今後を心配していた。 宮崎市役所では江藤氏辞任を伝えるニュースがテレビで流れ、来庁者がみていた。市内の会社役員男性（６１）は「コメの値段が高く国民の生活が苦しい時期だけに脇の甘さを責められても仕方ない」と話した。 一方、延岡市でコメをつくり、養鶏も行う男性（６２）は江藤氏の発言については問題と思っていないといい、「なぜ辞めなければいけないのかという思い」と語った。その上で「これまで（江藤氏に）農業分野について様々な要望をしており、これからも色々な意見を聞いてくれると期待していたところでの辞任で大変残念。コメ価格の対策などが今後どうなるのか不安だ」と語った。
