フジテレビが設置した第三者委員会が、中居正広さんの「性暴力」を認定したことについて、中居さん側が反論し証拠の開示などを求めた問題で、第三者委員会は、証拠の開示を拒否したうえで、「事実認定は適切だった」などと文書で回答しました。 3月31日に公表された第三者委員会の調査報告書では、元フジテレビアナウンサーの女性が中居さんから「業務の延長線上」における性暴力を受けたと結論づけました。 これに対し、中居さんの代理人弁護士は今月12日、中居さんに詳細な事情聴取などを行った結果、「『性暴力』という日本語から一般的に想起される暴力的または強制的な性的行為の実態は確認されなかった」などと反論し、中居さんの人権救済のため第三者委員会側に関連する資料の開示と釈明を求めていました。 これに対し、第三者委員会は22日、資料の開示については、フジテレビに守秘義務を負っているうえ、調査の過程で収集した資料などを一部の関係者に開示することは委員会に対する信頼や中立性を損なうとして、これを拒否しました。 また、調査結果については、女性と中居さんそれぞれの証言内容や2人のショートメールでのやりとり、女性が守秘義務を負う前に被害を申告したフジテレビ関係者へのヒアリングなどを「十分に吟味して、自由心証により事実認定を行った」とし、「事実認定は適切であった」と回答しました。 中居さん側は、第三者委員会がWHOの定義にもとづいて「性暴力」と認定したことについて、「その言葉がもつ凶暴な響きには何ら留意することなく漫然と使用し、中居さんの名誉を著しく損なった」と指摘していましたが、これについて第三者委員会は、「WHOの示す客観的な規範に基づくことが適切であると判断した」などと反論しました。 また、第三者委員会は中居さんが今年1月の時点で守秘義務の解除に前向きな姿勢を示したことについては、「事実」と認めましたが、その後、女性と中居さんの双方の代理人が直接交渉を行うなどした結果、最終的に、中居さん側から「守秘義務は解除しない」との回答があったと説明し、「第三者委員会の姿勢に中立性・公正性・公平性に欠ける部分はなかった」としました。