映画『宝島』アメリカ統治下時代の沖縄を象徴する人物を演じる10人のキャストと役どころを公開

 俳優の妻夫木聡、広瀬すず、窪田正孝、永山瑛太らの出演、大友啓二監督、日米共同製作によるエンターテインメント超大作『宝島』(9月19日公開)。新たに10人のキャストとその配役が発表された。 【動画】映画『宝島』特報映像  本作は、真藤順丈の直木賞受賞小説『宝島』(講談社文庫)が原作。戦後、アメリカ統治下の沖縄で、米軍基地から物資を奪い、住民に分け与える若者たち“戦果アギヤー”を中心に、自由を求め駆け抜けた若者たちの20年の軌跡を描く。  主人公グスク(妻夫木)、幼なじみのヤマコ(広瀬)、レイ(窪田)、そして英雄的存在のリーダー・オン(永山)。「でっかい戦果を上げる」と夢見ていた彼らだったが、ある襲撃の夜、オンが忽然と姿を消す──。  今回、明らかになったキャストが演じるのは、CIA、軍の高官、民族運動家など、激動の時代を象徴する人物たち。キャストとその役どころは以下の通り。 ■徳尚(とくしょう)役:塚本晋也(※塚=旧字体)  失踪したオンを探すため刑事となった徳尚は、グスクやヤマコたちの良き理解者。『鉄男』(1989年)はじめ、映画監督としても世界的に評価されている塚本本は、本作出演に対して「徳尚という役を通し、沖縄のこと、日本のこと、たくさんのことをあらためて見つめる大事な機会になりました」とコメント。 ■小松役:中村蒼  米軍の高官アーヴィンの通訳。日米の間に立ち、グスクと対峙する。中村は、Apple TV+ドラマシリーズ『Pachinko シーズン2』(2024年)で自身初となる海外作品へ参加。「戦後の沖縄という最も過酷な現実に置かれ、歴史に声を奪われた登場人物の怒り、友情、絶望、希望が描かれておりそんな今作にとても心打たれました。画面からすごいエネルギーがひしひしと伝わってきました」と本作について語っている。 ■チバナ役:瀧内公美  ヤマコが慕うAサインバーの女給。瀧内は、『由宇子の天秤』(21)での輝かしい受賞歴をはじめ、圧倒的存在で出演作が後を絶たない。混沌の時代をたくましく生き抜くチバナを演じて、「沖縄で過ごした時間はわたしの心にいまも生き続けています。ものがたりでもあり、フィクションであるにも関わらず、沖縄史にどうしても気持ちが向き、ここに生きている"人間たちが""魂が"あったんだ、と叫ばざるを得ませんでした」と、沖縄での経験が深く心に残ったと語る。 ■ウタ役:栄莉弥(エリヤ)  物語のカギを握る謎に包まれた孤児。演じる栄莉弥は、カナダ出身で「メンズノンノ」モデルオーディション史上最年少グランプリを受賞。本作で本格的な俳優デビューを果たす。沖縄に生きる若者の代弁者として魂を震わせる演技を見せる。 ■タイラ役:尚玄  オンを見つけ出すためにヤクザへの道を選んだレイの刑務所仲間である民族運動家。 ■喜舎場(きしゃば)役:ピエール瀧  ヤクザになったレイに特飲街の仕切りを任せるコザ派の親分。 ■ダニー岸役:木幡竜  ある事件の内容を探るためグスクに近づくCIA要員。 ■謝花ジョー役:奥野瑛太  密貿易団クブラのリーダーで、オンが消えた日、一緒に基地に忍び込んだ戦果アギヤー。 ■辺土名役:村田秀亮(とろサーモン)  喜舎場や謝花ジョーとつながり、オンの行方にも関わっている鼻の曲がった男。 ■アーヴィン・マーシャル役:デリック・ドーバー  グスクの刑事としての才能を買い、チームを組んで何件もの事件を解決する米軍の高官。デリック・ドーバーはアメリカ出身で元プロ格闘家。 ※新キャストのコメント全文 ■塚本晋也:徳尚(とくしょう)役  すべてのシーンが圧巻の特大スケールで驚きました。徳尚という役を通し、沖縄のこと、日本のこと、たくさんのことをあらためて見つめる大事な機会になりました。映画が放つ強いメッセージが皆様に届くことを願っています。 ■中村蒼:小松役  戦後の沖縄という最も過酷な現実に置かれ、歴史に声を奪われた登場人物の怒り、友情、絶望、希望が描かれておりそんな今作にとても心打たれました。画面からすごいエネルギーがひしひしと伝わってきました。  私が演じた小松は普段は淡々と通訳の仕事をこなし穏やかで理知的な人間ですが物語が進むにつれてそれだけではない別の一面も持ち合わせています。私は、彼が冷徹で計算高い男なのか、理想と現実で板挟みになり苦悩する男なのか、それとも沖縄を思うが故に独自のやり方で尽力した人物なのかは観た皆さんがどう思うのかとても楽しみにしている所です。 ■瀧内公美:チバナ役  いまも続いている"沖縄の現実"というものを内地の人間は見つめざるを得ない。 沖縄に出向き、戦争の話をしてくれたおばぁたち。コザにある映画館シアタードーナツで見せていただいたドキュメンタリー映画「モトシンカカランヌー」。アケミさんが唄っていた十九の春。沖縄で過ごした時間はわたしの心にいまも生き続けています。  ものがたりでもあり、フィクションであるにも関わらず、沖縄史にどうしても気持ちが向き、ここに生きている"人間たちが""魂が"あったんだ、と叫ばざるを得ませんでした。伝えたいことは山ほどある。映画では語りきれないほどの想いがそこにはあります。この作品に協力してくださった沖縄のみなさんに心から感謝しております。エンドロールをご覧になってみなさまがどう感じてくださるのか、沖縄に出向いた際はひめゆりの塔で手を合わせていただけることを切に願います。 ■栄莉弥:ウタ役  大友監督が導く『宝島』の世界、僕はカメラの前で芝居をすること自体がほぼ初めての経験でした。撮影中は様々な感情が入り混じり、緊張で硬まってしまう事もありましたが、監督から「ここにいる以上は、同じ土俵に立っているのだから自信を持ってやっておいで」と仰っていただき、その言葉をパワーに変え、キャストの先輩方やスタッフの皆さんに背中を借りる気持ちで日々挑戦でした。 撮影の合間には、ひめゆりの塔や、ガマ、美しい海、荒崎海岸にも足を運びました。  沖縄の神秘と、そこに確かにある悲惨な歴史、そしてそれを乗り越えてきた琉球の方々の魂の力強さを感じ、心が震える思いでした。  激動の戦後沖縄を生き抜いたたくさんの命を、肌で感じていただける作品になっています。ぜひ多くの方に劇場へ足を運んでいただきたい気持ちでいっぱいです。 ■尚玄:タイラ役  アメリカ統治下にあった沖縄の激動の時代。彼らが命を懸けて守ろうとしたのは、島のかけがえのない『宝』だった。理不尽な現実は、今もなお形を変えて続いている。民意とは何か、そして誰のための本土復帰だったのか——その問いは決して過去のものではない。沖縄と真摯に向き合ってきた大友啓史監督だからこそ実現できた意欲作。沖縄出身の俳優として、この作品に参加できたことを光栄に思う。 ■ピエール瀧:喜舎場(きしゃば)役  久しぶりに大友監督の現場に参加させていただきました。相変わらずのエネルギッシュな現場で、何よりも監督が楽しそうにされている姿に触れてこちらも嬉しくなりました。 ■木幡竜:ダニー岸役  沖縄という戦後の戦場に焦点を当てて、グスク、ヤマコ、レイという幼馴染たちがそれぞれの人生を歩みオンちゃんという彼らにとっての英雄を探す物語です。国の過去と向き合う覚悟。人間の尊厳、自由への渇望が詰まったこの小説を読んだ時、どこに僕の役があるのだろう。どの役ならこの映画に貢献できるのだろうと感じておりました。  大友監督からいただいた役はダニー岸。映画唯一と言っていい悪役は、小説ではかなりのサイコパスな役です。しかし、小説と実写映画では少しこの役の意味合いは違いました。監督といろいろな意見交換をしながら撮影に挑みました。  試写会で映画『宝島』を観た時、全ての役が、キャラクターが、個性が、映画の中に息づいていました。その中にダニー岸も居て、すごい作品の一部になれていると感じました。この映画はぜひ、映画館で見ていただきたいです。 ■奥野瑛太:謝花(じゃはな)ジョー役  撮影休みの金曜日の夜、賑やかなコザゲート通りで1人酔い潰れていました。異国の雰囲気漂う通りで寝転んでいると、路面店からは終始洋楽のカラオケの音が鳴り響いていました。咆哮にちかい歌声にしばし身体を預け、酔いがおさまってきたところでふらふらと路地を散歩しました。先ほどの景色とうってかわり地元の若い人達がやっている飲み屋さんが立ち並んでいました。  どこからともなく聞き馴染みある沖縄のJ-POPのカラオケの音が聞こえ、今度は地元愛の滲む平和的な若者の声に残りの酔いを任せました。通り一つはさむだけでまるで違う国に来たかのように錯覚してしまう情景に、外部から来ておこがましいの百も承知ですが、「これが沖縄なのか」と、その複雑さと歴史にただただ呆然と酔っ払いました。 ■村田秀亮(とろサーモン):辺土名(へんとな)役  どんだけ涙が出てくるねんってくらい泣いてた…  胸が熱くて苦しくて痛くて…涙が止まらなかった。  戦争は終わったはずなのに沖縄では何も終わっていなかったあの時代  自分達の本来の島を取り戻したくて護りたくて命を懸けて立ち上がる若者たちの姿は、泥臭くて尊い。  これはただの物語でも映画でもないよ。  人間が生きることそのものにぶつかっていくリアルな叫び!  生きてる以上前に進まないと損やもんな  よし、明日も生きていこ!  今世紀絶対観てほしい一本です。 ■デリック・ドーバー:アーヴィン・マーシャル役  『宝島』は私にとって特別な作品であり、日本映画界にとっても大きな意義を持つ挑戦だと感じています。大友啓史監督の情熱が、視聴者だけでなく、多くの業界関係者にも共感と希望を届けてくれることを願っています。  この物語は観る人に問いを投げかけ、考える力を引き出す深い作品です。激動の時代だからこそ、こうした普遍的な物語がいっそう求められていると感じます。  日本の文化と映画は、私の人生とキャリアに大きな影響を与えてくれました。この作品に関わり、尊敬する監督や仲間と共に創り上げられたことを心から誇りに思います。

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