食事、設備、雰囲気、職員の表情……いざ介護施設を選ぶときには何をチェックすればよい？迷わないためのポイントをイチから解説します。 前編記事『老人ホームに入る前にチェックすべき「意外なポイント」があった！職員の離職率が高い施設の見分け方！』より続く。 施設長を訪ねよ さて、入りたい施設を3~5ヵ所選んだら、実際に見学や体験入居をしてみよう。ケアマネや家族に同行してもらうとよい。 見学では何をすればよいのか。民間介護施設紹介センター「みんかい」のアドバイザーで、『間違いだらけの老人ホーム選び』の著書がある小嶋勝利氏が語る。 「私がすすめているのは、その施設のトップと会って話すことです。施設長の性格や考え方はそのまま施設運営に影響するので、肩書や経歴の凄さだけで評価してしまうと失敗します。 もし、施設長が出てきてくれなかったら、その施設はアウト判定していい。おカネの計算ばかりして運営に関与せず、入居者のQOLには興味すらない可能性がありますからね」 おすすめは魚料理 裏ワザとして、昼食を挟む時間の見学を希望し、魚料理がメニューの日に、「食事も実際に食べてみたい」と伝えるのが良いという。 「食事の時間は一日で最も忙しいため、職員の働く様子がとてもよく見えます。また生魚を使うか冷凍魚を使うかなど、肉料理より魚料理のほうがどの程度の食事レベルなのかがわかりやすい。仕入れる食材の質に気配りの差が出るわけで、食事に気を遣う施設はサービス全体の気配りもできているものです」(小嶋氏) 見るべき意外なポイントはエレベーター。古い独身寮などを改装した介護付き有料老人ホームも多いが、ストレッチャーが入らないほどエレベーターが狭いと、急病になったときに不安が残る。 「トラブルはない」と話す施設にご用心 介護・暮らしジャーナリストの太田差惠子氏は「人間関係のトラブルはないですか？」と尋ねることもすすめる。 「担当者が『トラブルは一切ありません』と話す施設は逆に要注意です。高齢者施設でトラブルがないわけがありません。過去の事例について、どう対応してきたかを話してもらえると、入居後の参考になるでしょう」 少子高齢化による労働力不足が深刻な日本では、外国人介護人材（ヘルパー）も積極的に受け入れている。熱心で丁寧、真面目に働く外国人は多いが、言語の壁や文化・慣習の違いによる"ズレ"も生じることがある。 「飲料用として問題はないのですが、トイレの手洗い用の蛇口から飲料水だと水を汲まれて、入居者が驚いてしまうこともあります」(在宅介護エキスパート協会代表の渋澤和世氏) 実際に行って職員に触れてわかることは数多い。以下のリストを参考にしながら施設をチェックし、最も幸せに暮らせる住処を見つけよう。 「週刊現代」2025年5月26日号より 【さらに読む】『超高級老人ホームの大浴場に「排泄物」が浮いていて大騒動…！看取り医もうんざりした、70代半ばになっても「学歴や肩書に執着する」残念な入居者たち』 【さらに読む】超高級老人ホームの大浴場に「排泄物」が浮いていて大騒動…！看取り医もうんざりした、70代半ばになっても「学歴や肩書に執着する」残念な入居者たち