【収入調査】会社員もフリーランスも「生活が苦しい」人が4割…手取りアップ対策の「意外な実態」

株式会社Hajimariが運営するフリーランスプロ人材マッチングの「ITプロパートナーズ」の最新調査によると、年収が増加しても実質的な生活の余裕は感じられず、約4割のビジネスパーソンが「昨年より生活が苦しくなった」と回答していることが明らかになった。年収が増加した人でも約75%が「生活に変化なし」または「苦しくなった」という。 では、ビジネスパーソンは手取りアップのために具体的にアクションを起こしているのか? 調査から浮かび上がった実態は……。 会社員・フリーランスの4割が「生活が苦しくなった」 「ITプロパートナーズ」が20〜50代のビジネスパーソン794名(会社員400名、フリーランス394名)を対象に実施した調査で、昨年と比較した年収の増減について大半が「ほぼ変わらない」と回答した。 変動があった人では、会社員は「年収が増えた」人が多く、フリーランスは「年収が減った」人が多い傾向が見られる。 生活実感については、会社員・フリーランスともに約4割が「生活が苦しくなった」と感じている。 会社員よりもフリーランスの方が「生活が苦しくなった」と答えた割合が多い一方、「生活に余裕ができた」と回答した人の割合も多く、フリーランスは収入の変動が大きいことが推察される。 また、年収が増えたと回答した人でも、生活に余裕ができたと感じているのはわずか約25%にとどまり、7割以上が「変わらない」もしくは「苦しくなった」と感じていることが判明した。 気になる「手取り額」と「金銭面の悩み」 会社員とフリーランスともに手取り額は30万円台までに集中しており、特にフリーランスでは20万円未満という回答も目立った。会社員においては、年代による大きな変化が見られず、賃上げが叫ばれる一方で給与上昇の実態は限定的である。 手取りが60万円を超える会社員はごくわずかである一方、フリーランスは収入の幅が広く、ばらつきが顕著であった。 調査では、「金銭面の不安や悩み」についても聞いている。 会社員・フリーランスともに「物価上昇の影響」や「税金、社会保険料の高さ」を不安を感じる材料として挙げた。 また会社員は「収入が上がらない」ことに、フリーランスは「収入が不安定である」ことにそれぞれ不安を感じる傾向があり、老後の資金や漠然とした不安も多く見られた。 「手取りアップ」への取り組みをしているか 手取りを増やすための具体的な行動については、金銭面の不安や悩みを感じる要素が多い一方で、「何も行っていない」という回答が最多で、会社員の29.16%、フリーランスの24.30%にのぼった。 行動を起こしている人の間では、特に「投資」への関心が高かった(会社員104名、フリーランス71名)。 会社員は昇進や副業による収入アップを目指す傾向がある一方、フリーランスは経費削減、スキルアップによる市場価値向上、報酬単価を高めるための自己研鑽に投資する傾向が見られる。 給与や報酬引き上げの実態 給与や報酬の引き上げ交渉を行ったことがある人は、会社員で約18%、フリーランスで約26%と、全体では2割程度にとどまった。交渉経験者の勤務先は、外資系企業、スタートアップ、日系大手企業、中小企業にまんべんなく分布しており、企業規模や業態を問わず給与交渉が行われている。 「交渉しようと思ったが、できなかった」と回答した人が全体の4分の1ほどいる一方で、会社員の約57%、フリーランスの約50%は「交渉したいと思ったことがない」と回答しており、多くのビジネスパーソンが賃上げに対して受け身の姿勢であることがうかがえる。 交渉成功者の年収増加額を見ると、会社員は5万円〜10万円未満、10万円〜20万円未満の年収アップが同数で最も多く、次いで1万円未満、1万円〜3万円未満と続いている。フリーランスは1万円〜3万円未満の増加が最も多く、次いで3万円〜5万円未満となっている。 フリーランスは年収増加額の分布が幅広く、30万円以上の高額な増加を実現した人も会社員より多い傾向にある。これは、リスキリングやトレンド技術の習得により、市場価値を高く評価される新規・追加案件の受注が背景にあると予想される。中には100万円以上の大幅な年収アップに成功している人も見受けられた。 自己投資が収入向上につながる 今回の調査を受けて、株式会社Hajimari代表取締役の木村直人氏は 「インフレによる物価高や税金や社会保険料の負担増が家計を圧迫し、収入の増加がそれに追いついていない実態が浮き彫りになりました。こうした状況にもかかわらず、収入増加のための具体的行動を起こしていない人が会社員で約29%、フリーランスで約24%も存在することは注目すべき点です」 と指摘する。 「金融リテラシーの高い人ほど、積極的に収入向上のための行動を取っている傾向が見られます。 さらに、会社員・フリーランス共にスキルアップや資格取得による収入向上を目指す人もおり、自分の実力を向上することで報酬を増やす事を目指す方々もいらっしゃいます。特に若手のうちは自己投資が最も将来的な収入向上につながる可能性があることは認識しておくべき」(木村氏) 生活が苦しくなったと嘆くだけで、「何もしない」のはもったいない。手取りアップには自身の行動が不可欠だと言えよう。 *もっと読む:人事評価で「上位5%」に入った人たちの働き方「驚きの共通点」 ■調査概要 調査概要:収入実態調査 調査方法:インターネット調査(QIQUMOを利用) 調査時期:2025年3月 有効回答:ビジネスパーソン794名 属性:フリーランス394名、会社員400名 年齢:20代から50代まで、フリーランス・会社員それぞれ各世代100名ずつ(フリーランス20代のみ94名) 【もっと読む】人事評価で「上位5%」に入った人たちの働き方「驚きの共通点」

もっと
Recommendations

【ニャンちゅう】声優・津久井教生さん 車いすに試乗「感覚もバッチリです♡ 乗り心地も大丈夫です」「出来上がりが楽しみ」 【ALS闘病】

NHKの「ニャンちゅうワールド放送局」の「ニャンちゅう」役などを…

「悠仁さまの成年式延期」は出産控えた姉・眞子さんへの配慮だった可能性「9月開催で眞子さんの“初里帰り”&秋篠宮ご夫妻と“初孫”の対面実現も」

元皇族・小室眞子さん(33)が“極秘出産”していたことが「女性セ…

北朝鮮・金正恩総書記 日本にいる同胞の訪朝を奨励

北朝鮮の金正恩総書記が日本の朝鮮総連の結成70周年に合わせ、日本に…

チューリップフェアで世界初の試み 使用済みEVバッテリー利用のイルミ馬車登場 北海道釧路市

北海道・釧路市で、第51回「くしろチューリップ&花フェア」が2…

“ママの写真がネットにいっぱい…”お天気キャスターから会社員へ「高樹千佳子さん」の今 芸能界への未練は「ないです」

『めざましテレビ』のお天気キャスターや、ラジオのパーソナリティー…

芸能界引退から6年…元めざましキャスター「高樹千佳子さん」が語る“宅建から始まったセカンドキャリア”

『めざましテレビ』(フジテレビ)のお天気コーナーで、キャスターを2…

【ごみ清掃芸人】 「23区の場合、布団は粗大ごみになります」 SNSで注意喚起 【マシンガンズ滝沢】

「ごみ清掃芸人」を自称するお笑いコンビ「マシンガンズ」の滝沢秀一…

「山一證券なんて潰せ」「いや再建だ」…田中角栄氏も動いた64年「日銀特融」の“秘密会合”、大蔵省の高級官僚が見た舞台裏

大蔵省の官僚として舞台裏にいた人物1965年5月21日、山一證券の経営…

【難読漢字】「著しい」って読めますか? 間違えると恥ずかしい...!

間違えて読んでいませんか?突然ですが「著しい」って読めますか?も…

【難読漢字】「卜う」って読めますか? カタカナの「ト」みたいな....

突然ですが、「卜う」という漢字、読めますか?最初の文字はカタカナ…

loading...