国内初の大規模SAFプラントを取材!使用済みの油がSAFになるまで_〈2〉天ぷら油で飛行機が空を飛ぶ!?持続可能な航空燃料SAFとは—_SDGs企画【ひるおび】

使用済みの油を回収する人々にお話を伺うと、どうやってこの油が飛行機が飛べる燃料、SAFになるか知りたいという意見が出ました。いよいよSAF製造の内部へ!今大注目の新エネルギーを製造する日本初の大規模プラントを徹底取材しました。 【動画で見る】使用済みの油がSAFになるまで ここからはコスモ石油の後藤真也さんにも加わっていただき、SAF製造装置を案内していただきます。 若林アナウンサー 「ここではどのようににSAFがつくられているんでしょうか?」 コスモ石油 後藤真也氏 「送られてきた廃食用油はジェット燃料の規格に合うように、いわゆる化学反応で加工されてSAFとして最終的には出来上がります」 若林アナウンサー 「じゃあここが大変身の場ってことですね」 後藤真也氏 「おっしゃる通りです。ここが廃食用油からいわゆるSAF、再生可能なジェット燃料を作る場所になります」 SAFの製造方法は大まかにいうと廃食用油と水素を化学反応させ、様々なエネルギーの素に変化させます。それらに熱を加え、SAFや軽油などのエネルギーに分離します。 SAF製造装置の内部へ入り、奥へ進んでいくとSAFの吐出スペースに到着しました。 特別にSAFを見せてもらうと・・・ 若林アナウンサー 「わー!ええ!?無色透明。きれいですね。さっきと全然違います」 航空・旅行アナリスト 鳥海 高太朗氏 「おー、本当にすごいですね」 廃食用油と比べると差は歴然。茶色の油から透明な「SAF」へ生まれ変わりました。 今後の課題はやはり「安定した供給」にあると言います。SAFは量産化されていないため、 従来の航空燃料の3〜5倍の価格です。 後藤真也氏 「海外から輸入するのではなくて、国内から幅広く集めることができれば、それだけ価格も下げることができます。あと、日本は資源のない国ですが、ある意味で廃食油が日本で生まれた資源みたいな形で使えますので、非常に良いことだと考えております」 国産SAFの立役者、日揮の西村さんが目指す未来とはー 日揮 西村 勇毅氏 「例えば我々は小学校にこの活動を広げるために、出前授業をおこなっています。もう本当に目を輝かせて、楽しそうに聞いてくれるんですね。みんながワクワクするようなこと、これを引き続き皆さんとともに作り上げていきたいなと思っております」 鳥海 高太朗氏 「使った油はまたお店に持っていくとか、そういう回収をするということが 20年後や30年後には当たり前のことになっているんじゃないかなということはありますよね」 西村 勇毅氏 「そういった活動が地道ですけど、広がっていくといいかなと思ってます」 経済産業省のホームページによると、年間に回収している廃食用油は38万トンありますが、そのうち12万トンを輸出しているため、日本は輸出した原料をもとに製造された割高なSAFを輸入している状況です。  国土交通省のホームページによると、ノルウェーやフランスではSAFの混合を義務化しています。また英国運輸省の報告によると、イギリスは2050年までに航空燃料の75%をSAFにすることを目指すとしています。世界のSAFへの取り組みを見ても、日本は国内で資源循環させて、国産SAFを量産していくことが急務になっています。 コメンテーター 清水 章弘 「ここまでの広がりを今後見せるんだっていう可能性にびっくりしました。たぶん要点は二つで、いかに資源を循環させて我々がリサイクルに持っていくとか循環させていくのか、というところと、あとおそらくこのパーセンテージの増やし方は、企業努力や技術の革新によって今後値段が下がっていくであろう、抑えられていくだろうってことですから、その両面に期待しています。」 弁護士 八代 英輝 「航空ジェット燃料ってほとんど成分が私達の身近にある灯油と変わらないんですよ。 ですから食用油を蒸留精製して灯油と同じような成分にしていくんですけども、バイオエタノールとかを使ってもできるんですけど、それはそれでやはり作物を油にするということで環境負荷がかかるんですね。 ですので廃油のリサイクルに関しては、それができた方がもう圧倒的に効率が良いので、やはりいかに集めてくるかということと、それから各空港にこれからどう配備していくかが課題だと思います。」 (「祝国内初!ついに実用化されたSAFを搭載した民間の旅客便が飛行!航空アナリスト・鳥海高太朗が現地からお届け_〈3〉天ぷら油で飛行機が空を飛ぶ!?持続可能な航空燃料SAFとは—_SDGs企画【ひるおび】」に続く) (ひるおび 2025年5月1日放送より)

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