1リッターで「約50km」走る!? トヨタの「“4人乗り”コンパクトカー」がスゴい! 全長4m以下の「ちょうどいい」サイズ&斬新顔の“4ドアクーペ”「FT-Bh」とは

800kgに満たない超軽量ボディ!  トヨタは、過去に斬新なコンパクトカー「FT-Bh(エフティービーエイチ)」を参考出品していました。  1リッターで約50km走行できるという驚異的なエコカーですが、どのようなクルマなのでしょうか。 ガソリン1Lで「約50km」走るってマジ!? 【画像】超カッコいい! これがトヨタの「超絶“エコ”コンパクトカー」です! 画像で見る(30枚以上)  FT-Bhが発表されたのは、2012年3月に開催された「ジュネーブ国際モーターショー」です。  車名は「Future Toyota B-segment hybrid」の略で、ハイブリッド車の本格普及時代に向け、Bセグメントで究極の低燃費を追求するという壮大なテーマが込められていました。  最大の注目点はその燃費性能で、ガソリン1リットルあたり47.6km、CO2排出量は49g/kmを実現しているといいます(欧州NEDCモード)。  トヨタが「プリウス」で培ったハイブリッド技術を、より小型で手頃な車種にも展開しようとする強い意志が感じられるモデルでした。  開発テーマは「ECOMOTION(エコモーション)」。これは「エコロジー」と「エモーション」を掛け合わせた造語で、環境性能と走りの楽しさを両立させるというトヨタの思想を表しています。  従来の環境対応車にありがちな“退屈さ”を払拭し、軽快な操作性と先進的なデザインで幅広い層への訴求を目指しました。  燃費性能を支えたのは、「軽量化」「走行抵抗の低減」「パワートレインの効率化」「熱マネジメント」「電力消費の削減」という5つの要素です。  FT-Bhの空車重量はわずか786kgで、一般的な同クラス車両より200kg以上軽量。高張力鋼板や発泡断熱材を多用し、コストを抑えながらも徹底した軽量化を実現しています。  空力性能にも注力し、Cd値はわずか0.235を達成。カメラミラー、絞り込まれたリアエンド、空力ホイールといった工夫により、走行抵抗を極限まで抑え込みました。  ボディサイズは、全長3985mm×全幅1695mm×全高1400mm、ホイールベース2570mm。乗車定員は4人です。  タイヤは145/55R18という極細かつ大径の専用設計が採用されています。  パワートレインには、1リッター直列2気筒のアトキンソンサイクルエンジンを搭載した、ハイブリッドシステム「THS II」を採用。コンパクトなリチウムイオンバッテリーとともに、軽量・高効率を徹底追求した構成です。  さらに圧縮天然ガスを燃料とするCNG車(天然ガス自動車)や、PHEV(プラグインハイブリッド)への転用も視野に入れた柔軟なプラットフォームが構想されていました。 4代目「プリウス」のスタイリングにも大きな影響を与える  FT-Bhのインテリアは、未来感にあふれるレイアウトで構成されていました。  軽量素材を用いたテンションファブリックシートやカメラ式ルームミラー、3つのリアビューカメラによるディスプレイ表示、アンビエント重畳表示式ルームミラーなど先進技術を多数採用します。 改めて見てみると…4代目「プリウス」の原型!?  冷暖房には「エアゾーニング」技術を用い、必要な空間だけを効率的に空調する方式が採られました。排熱再利用によるエネルギー効率の向上も追求されています。 なお同モデルはジュネーブで出展後、世界のモーターショーで展示されたほか、国内のイベントなどにも登場していたようです。  市販化については、関係者から2015年から2020年の実用化を視野に入れた発言が出ていたものの、量産には至りませんでした。  それでも、FT-Bhが示した技術や思想は、その後のトヨタ車に多くの影響を与えています。  特に外観デザインでは、のちの「キーンルック」に通じる要素が見られ、特に4代目「プリウス」のスタイリングには大きな影響を与えたことがうかがえます。  技術面では空力設計や軽量化、エネルギーマネジメントの考え方がトヨタのハイブリッドモデルの開発に応用されたと見られます。 ※ ※ ※  FT-Bhは、単なる低燃費の実験車ではなく、実用車の領域でどこまで“理想”を追求できるかに挑戦した象徴的な存在でした。  環境対応車であっても「かっこよく、楽しく、そして合理的」であることが可能であると証明した点にこそ、このクルマの意義があるといえるでしょう。  2025年秋に開催される「ジャパンモビリティショー2025」では、FT-Bhのように「未来の省エネモビリティ」を再び体現するようなコンセプトモデルの登場に、期待が高まります。

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