【トヨタRAV4ヒストリー】原点は1989年のRAV-FOUR!木村拓哉CMの初代から5代目まで歴代モデル振り返り

歴代のRAV4を展示 5月21日、6代目となる新型トヨタRAV4のワールドプレミア会場では、歴代のRAV4も展示された。そこで、プロトタイプのコンセプトカーから現行型の5代目まで、RAV4の歴代モデルを簡単に紹介していこう。 【画像】原点は1989年のRAV-FOUR!木村拓哉CMの初代から最新6代目まで歴代トヨタRAV4 全200枚 会場に展示された初代トヨタRAV4(左)と現行型の5代目RAV4(右)。 平井大介 トヨタRAV-FOUR(1989年:コンセプトカー) トヨタは、1989年の第28回東京モーターショーに『RAV-FOUR』(RAV4ではない)なるコンパクトなクロスカントリー4WD風のコンセプトカーを出展した。まだ、SUVやクロスオーバーというジャンルは定着していない時代だ。 当時の4WDといえばラダーフレームにFRベースでオフロード志向のいわゆるクロスカントリー(クロカン)タイプが主流。唯一、スバルがレオーネでセダンやツーリングワゴンをラインナップしていたくらいだ。 トヨタRAV-FOUR(1989年:コンセプトカー) 平井大介 そんな時代に乗用車と同じモノコック構造のコンパクトなボディに丸型2灯ヘッドランプやセミオープンスタイルを採用した、かなり先進的なモデルだった。 しかし、この1989年はトヨタ・セルシオ(初代)、日産スカイラインGT-R(R32)、ユーノス・ロードスター(NA)、スバル・レガシィなど、いまも注目されるクルマが数多く登場したビンテージイヤー。東京モーターショーでもトヨタ4500GT、三菱HSR-II、ホンダNSXなど、蒼々たるクルマが参考出品され、残念ながらRAV-FOURは目立った存在ではなかった。 初代トヨタRAV4(1994年) RAV-FOURから4年後の1993年の東京モーターショーで、トヨタはコンパクト4WDのプロトタイプ『RAV4』を発表。ほぼそのままのスタイルで、翌1994年5月に発売された。 FF乗用車をベースにした、いわゆるSUV(スポーツ・ユーティリティ・ビークル)のルーツに関しては諸説あるが、トヨタにおけるSUVのルーツは、この初代RAV4であるといわれている。 初代トヨタRAV4(1994年) 平井大介 コンパクトな3ドアハッチバックに2トーンのボディスタイルなどはコンセプトカーのRAV-FOURから踏襲されているが、異形角型2灯ヘッドランプにボディ同色グリルなど、顔つきはかなり異なっていた。販売店の関係で、『RAV4 L』(カローラ店)と『RAV4 J』(ネッツ店)があったが、ほとんど違いはなかった。 いままでのクロカン4WDとは異なる都会にも似合うスタイルに加えCMキャラクターに木村拓哉を採用した初代RAV4は若者を中心に大ヒット。その後、ホンダCR-Vや三菱パジェロiOなどのライバルが登場することになる。 また1995年にはロングホイールベースで5ドアの『RAV4 V』も追加設定され、ファミリー層からも人気を得る。1997年にはトヨタ初の市販電気自動車となった『RAV4 EV』も登場した。 2代目トヨタRAV4(2000年) 初代RAV4は北米市場でもヒットし、CUV(クロスオーバー・ユーティリティ・ビークル)と呼ばれる、乗用車ベースのクロカン4WDとして人気を集めた。 それゆえ海外市場での需要拡大を考慮して、2代目RAV4は2000年3月のジュネーブ・ショーでワールドプレミア。日本仕様は同年5月に発売された。 2代目トヨタRAV4(2000年) 平井大介 スタイリングは初代からの正常進化といったデザインだが、サイズは全体的に大きくなり、全車3ナンバーとなった。初代同様に販売店の関係でRAV4 LとRAV4 Jを設定。ボディタイプも3ドアと5ドアが設定されていたが、初代とは異なり5ドアが主体となっていた。 初代RAV4が先鞭をつけた日本のSUV市場だが、ホンダCR-Vや日産エクストレイルといった少しサイズの大きなライバルが人気を集め、またトヨタでも兄貴分のハリアーが登場し、やや中途半端な存在となった2代目RAV4は、日本市場では初代ほどの人気を集めることはなかった。 3代目トヨタRAV4(2005年) グローバルカーとしての地位を固めつつあるRAV4は、3代目も2005年9月のフランクフルト・ショーでワールドプレミアされた。日本仕様は同年11月に発表される。 ボディサイズは先代よりもさらに大きくなり、また3ドアが廃止されて5ドアのみとなる。またネッツ店専売車種となったのでRAV4 LとRAV4 Jは統一され、車名は単にRAV4となった。全長は4.4m足らずだが全幅は1.8mを超え、当時の日本の街中ではかなり大きく感じられた。 3代目トヨタRAV4(2005年) 平井大介 パワートレーンも、それまでは1.8Lや2Lが主流だったが2.4L+CVTとなり、海外仕様には3.5LのV6やディーゼルエンジンも設定された。2010年にはテスラと共同開発したコンセプト電気自動車『RAV4 EV』が発表されている。 日本市場では肥大化したサイズだけではないと思われるが、初代からのイメージが乖離したこともあり、人気が低迷して2007年に生産を終了。輸出仕様のRAV4ロングボディをベースにした『ヴァンガード』が後継車種として登場する。 4代目トヨタRAV4(2013年) 4代目となるRAV4は2012年のロサンゼルス・ショーでワールドプレミアされ、翌年から北米市場を皮切りに、欧州などでも販売される。だが、日本で発売されることはなかった。 かつてはRAV4の兄貴分的存在だったハリアーは、レクサスRXとの絡みもあって日本市場では一時期フェードアウトしていたが、2013年に4代目RAV4のプラットフォームを共用して復活。これが人気を集めたことも、4代目RAV4の日本仕様が設定されなかった理由のひとつに挙げられるだろう。 4代目トヨタRAV4(2013年) 平井大介 だが、グローバルカーとしては成功しており、2016年と2017年には、世界で一番売れたSUVの座を獲得している。 サイズはさらにアップされ、全長は4.6m近く、全幅も1.85m近くになった。パワートレーンは2.5Lガソリンを中心に新開発の2.0Lディーゼルなども仕向け地によって設定された。また、2015年のマイナーチェンジでは2.5L+モーターのハイブリッドも設定された。 5代目トヨタRAV4(2018年) 5代目となる現行型のRAV4は、2018年3月にニューヨーク・ショーでワールドプレミア。かつてのコンパクトSUVからミドルクラスSUVへとサイズアップしたRAV4だが、日本市場においてもSUVブームは活性化しており、ハリアーと棲み分けての販売は可能と判断したのか、北米仕様から遅れること約1年、2019年4月に発売された。 クーペ風のスタイルで都会的なイメージが強いハリアーに対し、4代目RAV4はSUVらしい力強さを感じさせるデザインとなった。そう、ちょっとひ弱そうに見えた日本の高校生男子がアメリカへ長期留学して、ひとまわり以上たくましくなって帰国した、といった感じだろうか。 5代目トヨタRAV4(2018年) 平井大介 トヨタの新世代プラットフォーム『TNGA-K』や新世代『ダイナミックフォース』2.5Lエンジン、それにモーターを組み合わせたハイブリッドシステム、そして電気式4WDのE-FOURなど、さまざまな新メカニズムを採用。2020年にはプラグインハイブリッド車も設定された。 フルモデルチェンジの度にスタイルもパフォーマンスもたくましくなり、世界的なSUVブームの波にも乗り、2024年には約105万台が販売され、トヨタではカローラの次に売れているRAV4。満を持して登場した新型6代目も、世界的に人気を集めることは間違いなさそうだ。

もっと
Recommendations

斬新すぎる「2人乗り“スポーツカー”」公開に反響多数!? 「凄い」「圧巻…」 縦・横ドア「キャノピーボディ」に2.2Lターボ&高性能4WD搭載! 公道走行OKな「アズテック」とは

日本で市販してしまった「斬新モデル」2025年4月11日から13日にかけ…

日産の「ステーションワゴン“SUV”」! 3.5リッター「V6」搭載の“スカイラインワゴン”!? 高性能「電動スーパーHICAS」も搭載した「ステージア AR-X FOUR」とは

スカイラインの走行性能とSUVの多用途性を兼ね備えたモデル

トヨタ新「ハイラックス」発表! 専用デザインの「マイルド」仕様! 約360万円の2.8リッター「直4」搭載した「新モデル」墨国で登場

マイルドハイブリッド仕様のハイラックスは精悍で高級感のある表情を演出

「リッター約54km」走る! スズキ新「原付2種スクーター」発表! 快適性&実用性を重視した“コスパ優秀”モデル! 日常の足にピッタリな「バーグマンストリート125EX」登場!

快適な乗り心地と上質な装備を備えた1台として、多くの支持を集めている

レクサス新「“5人乗り”最小SUV」発表! 全長4.2mの“ちょうどいいボディ”&リッター「28キロ」走る低燃費! “豪華内装”×快適装備も魅力のエレガントな「LBX」最安モデルとは?

最安モデルでも充実した装備が魅力的!レクサスは2025年5月15日、コ…

この特別なGクラス、いいじゃない! 本物のオフロード車らしい雰囲気 英国記者の視点

レトロな要素にやられてしまったもし筆者が大金持ちだったとしても、…

コンパクトなSUV!? 新型「600 Hybrid」発売! 初代オマージュのデザイン採用!? フィアット初のハイブリッド車、365万円から

「かわいい顔して、しっかりモノ」のフィアット「600」にハイブリッド…

スバル「最小SUV」待望の“ハイブリッド仕様”登場へ! 全長4m以下のコンパクトボディ×パワフル&低燃費なパワトレ新搭載! 新たな「レックス」とは!

ボディサイズは全長3995mm×全幅1695mm×全高1620mmとコンパクトなサイズ

日産「コンパクトハッチ」の“暴れん坊モデル”がスゴかった! 990ccエンジンに市販車唯一の“ツインチャージャー”搭載!? 初代「マーチ」の過激仕様「スーパーターボ」とは!

強力なツインチャージャーエンジンを搭載日産「マーチ」は、コンパ…

トヨタ「“新”ヤリス」登場! 新車“235万円”で高級感ある「精悍ブラックエクステリア」×斬新2トーン採用! オトナな上品さが魅力の「URBANO」特別仕様車 どんなモデル?

精悍なブラックの外装アイテムや専用用品で加飾した特別仕様車

loading...