静岡県内の国道を走行する車のドライブレコーダーには、対向車線を走るトレーラーから黒い物体がフロントガラスに衝突し、前方が見えない状態になってしまった映像が。車の運転手は「すごい音と衝撃だった」と恐怖を語りました。このトレーラーを所有する会社が28日、『news zero』の取材に応じました。 ◇ 静岡県掛川市内を走る車のドライブレコーダーの映像。トレーラーとすれ違ったそのとき…。黒い物体がぶつかり、フロントガラスが大破。車は道路脇に停車しました。 いったい何が起きたのか。 被害者の運転手 「最初、何が起こったのかよくわからなくて、すごい音と衝撃があって。レッカーの人が、すぐ近くに輪留めが落ちてるのを持ってきてくれて、こんなのが当たったんだってびっくり」 飛んできたのは、停車中に車が勝手に動かないようにタイヤを止めておく「輪留め」。 被害者の運転手 「(ガラスを)貫通してたと思うと余計怖い。社会人になってから(お金を)ずっとため続けてて、ようやく買えた自分の車だった。なんでこんなふうになっちゃったんだろうって」 車は3か月前に購入したばかりで、ボンネットにもへこみや傷ができていたといいます。 被害者の運転手は静岡県警に事故を届け出ていて、交通事故としてトレーラーの所有者の特定が進められていましたが、日本テレビが取材を進めると、都内の運送会社のものである可能性が浮上。28日に『news zero』がその運送会社を訪ねると…。 ──日本テレビなんですが。 「はい」 ──責任者の方いらっしゃいますか? 「私です」 取材に応じたのは、運送会社の代表。動画を見てもらうと…。 ──掛川の道路で…。 運送会社の代表 「なんか飛んだってやつですね。(28日の)朝、警察から連絡きた。出頭します」 ──この車はこちらの(会社の)? 運送会社の代表 「そうです」 輪留めを落としたのは、この運送会社のトレーラーであることを認め、29日に警察に出頭するといいます。 ──被害者の方に対してどう思っている? 運送会社の代表 「本当に申し訳ない気持ちで、あした連絡とって謝ろうと思ってます」 ──補償は? 運送会社の代表 「当然直します。こっちが悪いので」 事故当時の状況については…。 ──あのトレーラーは東京から? 運送会社の代表 「東京から浜松に行く途中の掛川バイパスで、衝撃か何かで落ちてしまった」 ──(ドライバー)本人とはお話は? 運送会社の代表 「本人は(落ちたのに)全然気づいてなくて。工場に行って(翌)朝起きたら半分なかったから、盗まれたと思って」 “落ちたことには気づかなかった”と釈明しました。見せてくれたのは、落下したものと同じ輪留め。 運送会社の代表 「停車しているときに」 ──(トラックが)動かないように。 運送会社の代表 「これをここに(置いて)とれないようにするんだけど、何かの弾みで飛んじゃったんだろうね」 ──どこで固定されている? 運送会社の代表 「固定はしていない。あとはしまう人とか」 輪留めの管理方法は「ドライバーに任せている」としました。 ◇ 数多くの交通事故を扱う亀井正貴弁護士は…。 亀井正貴弁護士 「道路交通法に違反する可能性があると思います。運転手の基本的な順守事項として、積載しているものが転落・飛散しないように措置を講じなければならない規定がある。5万円以下の罰金刑」 被害者の運転手 「輪留めの管理をしっかりしてもらえていたら、こういうことになってなかった。人に当たっていたらもっと大変なことになっていた。管理はしっかりしてもらいたい」 運送会社は二度と起きないよう、輪留めの管理を会社で徹底するといいます。 運送会社の代表 「落ちないようにフックをかけるところがトラックにはついているが、トレーラーにはつける場所がない。落ちないようにしまうとか、対策を練らないと。落下物は特に危険なので、みんなで話し合っていきたい」 (5月28日放送『news zero』より)