トム・クルーズ、コロナ禍の「ブチギレ音声」裏側を『ミッション:インポッシブル』監督が明かす「あれにはもっと大きな文脈があった」

2020年、新型コロナウイルス感染拡大の真っ最中に、トム・クルーズが撮影現場でソーシャル・ディスタンスを守らなかったクルーに激昂する音声が流出した。常に冷静で紳士的な印象のあるクルーズが珍しく声を荒げる様子は、世界中で大きな話題になった。『ミッション:インポッシブル』シリーズのクリストファー・マッカリー監督は米にて、その状況を5年越しに詳しく説明している。 トム・クルーズの「ブチギレ」事件が発生したのは、『ミッション:インポッシブル/デッドレコニング』撮影中の出来事だ。当時の報道によれば、現場でソーシャル・ディスタンスを守らなかった二人組のクルーに対して。次のように怒鳴りつけた。「僕たちのためにハリウッドで映画作りを頑張ってくれている人がいるんだぞ!僕たちを信じてくれているからだ!僕は夜毎、スタジオやら保険会社やらプロデューサーやらと電話をしているんだ!彼らは僕らを見て、映画製作のために僕らを使ってくれているんだぞ!僕たちは何千もの仕事を作っているんだ!この畜生が!」「次やったら、君はクビだ!わかったか!」 クルーズは非常に激しく声を荒げていたが、主張する内容は至極真っ当なものだった。「この業界がシャットダウンして、家を失った人たちにそう伝えろ!食事もない、学費も払えないんだぞ!僕はそういう事実と毎晩向き合っているんだ!この業界の将来とだ!」 あれから5年、最新作『ミッション:インポッシブル/ファイナル・レコニング』を提げるマッカリー監督が登場したインタビューでは、流出事件時に「業界全体の重圧や責任を感じていたか、トムとそういう話をすることはあるか」との質問があがった。マッカリーは「意識的に、そういうことを受け入れようと決めている」と述べた上で、次のように答えている。 「トムはいつも、“どうしてもっと別の映画をやらないのか”と言われるのですが、そういう時、彼は率直にこう答えていました。“今、業界がこういう映画を必要としているからだ”と。 私たちはこの映画を作るのに、かなり苦労しました。身体的にも精神的にも非常に疲労しました。パンデミックがあったと思えば、業界のストライキもあった。1作あたり2年半で済むはずが、7年に伸びた。そのうちの半分、私は家族にも会えなかった。私たち全員、ものすごい負担でした。」 マッカリーは、「映画業界が崩壊しているとまでは言いたくないが、明らかに衰退している」との危機感を述べ、ストリーミング配信という新しいプラットフォームの価値を認めつつ、劇場体験は劇場でしか得られないものだと熱論を展開。トム・クルーズや自身は「文字通り人生をこれに捧げてきた」と述べた上で、件の音声が流出した時の状況を詳しく明らかにした。 「あの状況にいたのは7人だけでした。そのうちの2人は私とトムです。スタッフの眼前で起こったわけではない。そう報じらていたけどね。そして、そこにいたうちの2人はクルーの健康安全を守る責務を負う専門の立場だった。そして彼らは繰り返し繰り返し、その責務を果たしていなかった。あの音声の30分前にも出来事があったが、皆さんはそれを聞いていません。何度も何度も注意されていて、それでいよいよあの状況になってしまった。 だから、文脈というのは、非常に重要なのです。しかしインターネット上では、何かをリアルタイムで追加できるわけではない。真相としては、あれにはもっと大きな文脈があった。そして、声を上げた人物(=トム・クルーズ)とは、文字通り毎日仕事に行き、業界を存続させるという明確な目的のために、命をかけていたのです。ラテが冷たいから怒っていたというわけではない。 あなたは切り抜きの音声を聞いて、“うわぁ”なんて思うかもしれない。でも、一本でも映画を自分で作ってみればわかる。どれだけのプレッシャーや痛み、リスク、時間、そして責任がかかっていることか。」 マッカリーは、流出騒動について「ありがたかったことがある」と加えている。それは、同業者らからの理解を得られたこと。「誰だってキレることはある、“罪のない者のみが石を投げよ”だ」との声が寄せられたそうだ。「それに、彼が言っていることは極めて誠実だった。彼こそが毎晩、業界のために電話で戦い続けていた人なのですから」。 コロナ禍のあの音声によってクルーズの印象が悪くなったと考えるものはほとんどいないだろう。そうではなく人々は、最新作『ファイナル・レコニング』に至るまで、まさに命を懸けてファンのために最高の体験を用意するクルーズのプロ精神に多大な刺激を受けたはずだ。 「すべてのアーティスト、すべてのクルー、そしてスタジオで働くすべてのみなさん、おめでとう、そしてありがとう」と、クルーズは『ファイナル・レコニング』米封切り後にを発表している。「何よりも、僕たちが尽くし、僕たちが愛する世界中の観客のみなさん、ありがとうございます」。

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