40年落ち50万キロのメルセデス・ベンツ240TDが愛しくてたまらない!|『Octane』UKスタッフの愛車日記

『Octane』UKスタッフによる愛車レポート。今回は、1985年メルセデス・ベンツ240TDに35年間乗り続けているマッシモが、車とそれにまつわる素晴らしい思い出を綴る。 【画像】メルセデス・ベンツ240TDと共に過ごした35年間の忘れがたい思い出(写真4点) まさに一目惚れだった。1990年の春、私は新しい車を買う必要に迫られていた。初めての愛車だったメルセデス・ベンツW123 200Dが事故で廃車になってしまったからだ。それはミラノ近郊の農場で買った錆びだらけで激安のメルセデスだった。兄が運転していたときに、ランチア・デルタにぶつけられてしまった。保険で出たお金と貯金、そしてエステルばあさんからのお小遣いのおかげで、私は1990年6月13日、5年落ちの1985年240TDの正式なオーナーとなった。それから35年間、この車を所有し続けている。 ミラノのメルセデスのディーラーで見つけた240は、新車からワンオーナーで、走行距離は約24万km。エアコン、サンルーフ、5段ギアボックスを装備していた。一家の愛犬、ゴールデンレトリバーのジェロニモは、突然スペースが広くなったことに大喜びだった。240と私は、友人やサーフボード、スキー板と共に何度も旅をした。最初の頃はミラノの路上に停めていたので、盗まれそうになったことが何度もある。やがて私たちは都会から引っ越したが、そのときも240は活躍してくれた。今はより安全なガレージで過ごしている。 その後何年もの間、私のもとにいろいろな車が現れては去っていったが、240を手放すという選択肢はなかった。そのうち、240の役割は日常の仕事用からレジャー用の車へと変わっていった。社会的な地位も「ヤングタイマー」(ドライバーより年上の”レトロでお洒落な車”)へと変化した。そして2005年に、イタリアで歴史的価値が認められる20歳を迎えた240は、ザルツブルグで開催された『メルセデス・ベンツ・クラシック・デイズ』に出品された。素敵なデビューだ!地味なS123がなぜそこで認められたのか、私にはその理由が分かっていた。それはディーゼルカーのみのイベントだったが、当時のメルセデスは、ディーゼルエンジンのメーカーとしての伝統を非常に誇りに思っていたのだ。 2010年の夏、私たちは各地の自動車博物館を訪れるため、ヨーロッパ中をドライブしていた。ブレーメンに寄り道し、当時123ステーションワゴンが製造されていた工場を見学した。25年前に私の車が初めて日の目を見た、まさにその場所である3号棟の前に車を停めたときは、かなり感慨深かった。 しかし、我が家と240にとって最も忘れがたい旅は、霧に覆われた2016年の1月25日だった。生まれたばかりの息子チェーザレを、病院まで240で迎えに行ったのだ。その後、息子の世話をしながら洗車して過ごした午後は、今思い出しても素敵な時間だ。 長年にわたり240に施したすべての作業のリストは4枚分あるが、そのほとんどは通常の整備や小さな修理だ。なぜなら、この車は私を失望させたことがないからだ。数年おきにフューエルセンダーが動かなくなるので交換せざるをえないのと、エアコンに定期的なメンテナンスが必要な程度だ。ショックは全体を2回、クラッチは1回、テールゲートのストラットは2回交換した。それに、飛び石が当たったフロントガラスやステアリングボックスも交換した。 スリーポインテッドスターのマスコットは、実に7回以上も盗まれた。新しい交換パーツの入手時間がたったの3時間、という記録も持っている。最終的にこの問題は固定パーツを取り外し可能にすることで解決した。 現在、240は50万キロ弱を走ったところだが、誰もが言ってくれるように、まだ慣らし運転を始めたばかりという感じだ。遅くて72bhpしかないディーゼルのステーションワゴンをなぜこれほど愛せるのはなぜだろうと、不思議に思われるかもしれない。その理由は明白だ。あなたがS123を所有したことがないから、ということに他ならないだろう。 文:Massimo Delbò

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