夏を前にしてテレビ業界が物騒しさを帯びてきた。お笑いコンビ・ダウンタウン(浜田雅功=62、松本人志=61)によるインターネット配信サービス「ダウンタウンチャンネル(仮)」が始まろうとしているからだ。 *** 【写真を見る】「ダウンタウンチャンネル」に出演すれば目玉になる“超大物芸人”とは? そもそも「ダウンタウンチャンネル」の話は、松本が週刊文春との裁判を取り下げた後、昨年12月のインタビューで言い始めたことだ。 《訴えを取り下げて仕事に戻るとなったら、何をどうするのがいいのか。もちろん、ここも考えました。/そこで出てきたのが「ダウンタウンチャンネル(仮)」。これはね、前々から構想はあって周りで言ってくれる人もいたんです。ただ、僕の腰が重くてなかなか動いてこなかったんですけど「『ダウンタウン』を見るならここ」という独自の基地局を作る。月にいくらか払っていただいて、プラットフォームも独自に作って、見たい人に見てもらいたいものを直接届ける。すごく間口の広い劇場というか、好きなもん同士が集まって、好きなことをやる。そんな場になるだろうと考えています》(Yahoo!ニュース:2024年12月25日配信/中西正男氏のインタビューより) 民放プロデューサーは言う。 松本人志 「松本さんは《来春あたりにスタートしたい》とも言っていましたが、その後、具体的な話は聞こえてきませんでした。その上、今年3月に相方の浜田さんが体調不良で活動を休止し、ダウンタウンの2人ともがテレビから消えて構想は尻すぼみに。すると4月25日、読売新聞が今年夏にも『ダウンタウンチャンネル(仮)』がスタートすると報じ、その1週間後には浜田さんが活動を再開したことで現実味が出てきたのです」 「ガキ使」でスタート? さらに、彼らが所属する吉本興業が、動画などのコンテンツ制作資金を調達するための匿名投資組合によるファンドを、松本が「ダウンタウンチャンネル」の構想を明かした昨年12月に立ち上げていたと報じられた。その規模は数十億円になるという。 「数十億円がすべて『ダウンタウンチャンネル』に使われるのかは不明ですが、もうしそうだとすれば、新たなテレビ局が立ち上がるようなイメージです。読売新聞は《今夏ネット配信サービス開始》と報じましたが、7月1日スタートと報じるメディアも出てきてさらに熱を帯びています」 吉本興業から正式な発表がないため、いつ始まるのかは不明だが、業界ではどんな内容になるのかが注目されている。 「松本さんが《とにかく一発目は浜田と二人でやりたい》と言っていますから、最初は浜田さんとのトーク、もしくはダウンタウンのみの企画でスタートするのではないでしょうか」 「ダウンタウンのガキの使いやあらへんで!」(日本テレビ)のようなイメージだろうか。 「2人のトークや視聴者からの投稿をもとにしたフリートーク、松本考案の“チキチキシリーズ”の企画など、『ガキ使』こそ『ダウンタウンチャンネル』に一番ハマるフォーマットだと思います」 とはいえ「ガキ使」は今も放送中だ。 ネットへの番組移籍も 「日テレ系で放送されていた中京テレビ制作の『それって!?実際どうなの課』がTBSに出演者ごと移籍して話題になりましたが、テレビとネットの垣根を越えて『ガキ使』が番組フォーマットごと移籍すれば話題になることは間違いありません」 既存のテレビ番組とは全く異なるチャンネルになるのではないのだろうか。 「ゆくゆくはそういう企画も出てくるのでしょうが、一発目が浜田さんと2人でということなら『ガキ使』のフォーマットのほうが番組は作りやすい。いずれにせよ最初から地上波レベルの企画でスタートするはずです。また、どんな内容でどんなタレントが出演するかによって、成功の度合いは変わってくると思います。たとえば、2000年代に放送されていた松本さんと島田紳助さん(69)のトーク番組『松本紳助(松紳)』(日テレ)も今や地上波では難しい番組なので、復活させれば話題になるでしょう」 紳助は5月24日、大阪で開催されたボクシングのIBF世界フェザー級タイトルマッチに挑戦する亀田和毅の応援のためリングに上がった。“復帰間近?”と報じるメディアもあった。 「紳助さんのしゃべりは変わっていませんでしたね。ネット上では彼の復活を期待する声と反対する声が五分五分だった印象です。紳助さん本人はタレントとしての復活は望んでいないようなので、1回だけの特別出演ということなら『ダウンタウンチャンネル』への出演もあり得ると思います」 他に出演の声がかかるタレントは誰になるのだろう。 最初は成功するが 「今田耕司(59)や東野幸治(57)といった吉本の芸人仲間は、当然、呼ばれるものと考えているでしょう。また、元雨上がり決死隊の宮迫博之(55)やアンジャッシュの渡部建(52)など“ワケあり芸人”はオファーがあれば喜んで出演するでしょう。ただし、松本さんが彼らを面白いと思っているかどうかは微妙なところ。彼らを呼ぶより、松本さんの“アテンド芸人”と報じられ活動を自粛しているスピードワゴンの小沢一敬(51)を呼ぶべきでしょうね。松本さんとしては新しい笑いで勝負したいと思いますが……」 気になるのはサブスクリプション(定額制)での配信だ。松本がテレビに出演しなくなってすでに1年半が経とうとしている。視聴者は集まるのだろうか。 「松本さんのXのフォロワーは約950万人です。月1000円のサブスクと仮定して、フォロワーの1%でも加入すれば月1億円近い収入になるので、成功する可能性は高いと見られています。スタート時は上手くいくと思いますが、問題は長続きするかどうか。特に引退をどう考えているかが問題です。2人とも元気なうちに引退したいと語っていましたが、松本さんは事情が変わり、先のインタビューでも《もう一回売れるためにやる》と話していました。それを浜田さんがどう見ているかが気になります」 デイリー新潮は2024年8月30日配信の「業界をザワつかせた『浜ちゃん』“引退”発言 『2025年が目途かな、と』 志村けんに語っていたダウンタウン“最後の仕事”とは」で、ダウンタウンの最後は「花月で漫才」と浜田が語っていたことを報じた。 今年8月18日をもって閉館する「よしもと祇園花月」の最後を、ダウンタウン再出発のステージで飾るというのはどうだろう。 デイリー新潮編集部