ロシア大統領府は２９日、プーチン大統領が安倍晋三元首相の昭恵夫人とモスクワのクレムリンで面会したと発表した。 プーチン氏は安倍元首相について「ロシアと日本との関係発展に大きな貢献をした」と述べ、功績をたたえた。 昭恵夫人はプーチン氏が２０１６年に日露首脳会談のため安倍元首相の地元である山口県を訪問したことなどに触れ、「ロシアは大切な隣国で、文化的な交流は続けていただきたいと願っている」と述べた。 プーチン氏は、日露間の平和条約締結が安倍元首相の「夢だった」と語ったが、「今は状況が変わっている。その話は控えたい」とするにとどめた。面会の様子は、露国営テレビで放送された。冒頭、プーチン氏が昭恵夫人に花束を渡したほか、面会中に昭恵夫人が涙を流す場面もあった。 タス通信によると、プーチン氏は面会後、バレエ鑑賞のためボリショイ劇場に向かう昭恵夫人に大統領専用リムジンを貸し出して、歓迎ぶりをアピールした。 面会の経緯は明らかになっていないが、日露関係筋によると、在ロシア日本大使館は面会に関与していないという。 安倍元首相はプーチン氏と通算２７回会談した。ロシアは２２年３月、ウクライナ侵略を巡る対露制裁への対抗措置として日本を「非友好国」に指定し、関係は冷え込んでいる。
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