開幕から１か月半がたった大阪・関西万博で、群馬県高崎市八千代町の老舗「三代目だるま屋　ましも」が制作した公式キャラクターの「ミャクミャクだるま」が人気だ。 　日本のものづくりの魅力を発信する取り組みの一つで、代表の真下輝永さん（５５）は「手の込んだデザインを楽しんでほしい」と自信作をＰＲしている。（星野佑太） 　会場の西ゲート近くにある公式ストアでは、入り口近くに置かれた高さ５２センチのミャクミャクだるまが来場者を迎える。商品は高さ９センチでメインの青に加えて赤、緑、金、ピンクの５色を用意。４月下旬に訪れた客は「こんなのあるんだ」「かわいい」と言いながら、ダルマを手に取ったり写真に収めたりしていた。 　店の森口正浩部長は「かわいらしい見た目でとても人気。ミャクミャクカラーの青色はすぐに売り切れてしまった」と話す。現在は他の色も全て完売しており、一番人気の青色のみ、近く再入荷するという。 　ダルマは、工芸雑貨の製造販売「中川政七商店」（奈良市）が有田焼や張り子などの伝統工芸でミャクミャクを表現する商品を発案し、「ましも」にも昨年夏頃に声がかかった。 　真下さんは「独特な造形のミャクミャクの立体感を表現するのに苦労した」と振り返る。絵付け師と相談を重ね、ダルマの顔の輪郭からあえて飛び出すように描くことで躍動感を表現した。そもそもミャクミャクは左右非対称で、輪郭の縁にも絵付けすることになったため難易度は高く、「職人の技が出るダルマになった」と話す。手描きのダルマは模様も少しずつ異なり、「味が出ている」と満足そうだ。 　展示用の大きなダルマは、「万博が成功するように」との願いで作った。真下さんの祖父で創業者の真下源太郎さんも１９７０年の大阪万博でダルマを贈呈しており、２代が万博でダルマを展示することになった。真下さんは「世代を超えて万博のダルマを作ることができて光栄。ぜひ現地で手にしてほしい」と笑顔を見せる。 　ミャクミャクだるまは税込み５５００円。会場内の公式ストア「西ゲート店　ＫＩＮＴＥＴＳＵ」で扱う。問い合わせは、同店（０６・６６１６・８３６６）へ。