北海道函館市船見町の国華山高龍寺の僧侶、守永辰良（しんりょう）さん（４９）が撮影した地域猫の写真と、道内外の著名な猫写真家８人がさまざまな猫の姿を撮影した写真を展示する「ねことひとと・ときどき・ほとけ。」が同寺で開かれている。 自信作７５点展示 　同寺の広報を務める守永さんは２０２１年６月から、同寺境内にやって来る地域猫を撮影し、ツイッター（現Ｘ）で発信してきた。昨年、同寺内で写真展「四・季・点『猫』」を開催し、檀家（だんか）や寺を訪れる人々に好評だった。同展に参加した写真家を通じて、今年２月に横浜市で開かれた、国内最大のカメラと写真映像の展示会での猫写真展に、守永さんの作品も展示された。 　その際に知己を得た写真家に寺院での写真展開催を打診した。出展者は、英紙ザ・タイムズにも作品が掲載された実力派や、世界を飛び回りながらシャッターを切る旅の写真家など、猫写真界の最前線で活躍している８人。守永さんは「寺院を会場に写真展をするのは初めての写真家ばかり。各人が思い入れのある自信作を出品してくれた」と語る。作品は１人８点ずつで、守永さんの作品を含め計７５点が、同寺２階の「耕雲閣」で展示されている。 「一瞬」捉える 　海外や日本の離島などで気ままに暮らす猫たちの日常を切り取った個性豊かな作品が並ぶ。宙を飛ぶ猫の柔らかな動きや、思わず笑みがこぼれるような表情をとらえたものなど、いずれの写真も、めったに目にすることのない「一瞬」を写し出している。 　守永さんは「畳の香りの中で、写真の一枚一枚とじっくり向き合い、何げないしぐさの中に宿る尊さや、まなざしの奥にある思いを感じてもらいたい。まちなかで暮らす猫に優しく接してほしい、というのが、参加した写真家全員の願いです」と話している。 　６月２２日までで、午前９時〜午後４時。入場無料。 　守永さん以外の出展者は次の通り（敬称略）。▽沖昌之▽小野一俊▽こんきち▽さくらもえぎ▽土肥美帆▽町田奈穂▽山本正義▽ＭＪ♡