【ワシントン＝淵上隆悠】米連邦最高裁は３０日、トランプ政権が決定した中南米４か国の出身者に対する特別在留資格の取り消しを当面認める判断を下した。 約５３万人が再び強制送還の対象になる。 ４か国はベネズエラ、キューバ、ハイチ、ニカラグアで、いずれも政情不安が指摘されている。バイデン前政権が設けた制度では、一定の条件を満たす出身者に２年間の米国滞在や就労が許可されていたが、トランプ政権は３月、制度の廃止と在留資格のはく奪を発表した。 対象者らの提訴を受け、連邦地裁が４月に制度廃止の一時差し止めを判断したが、最高裁はこれを覆した形だ。理由は明らかにされていない。判事９人のうちリベラル派の２人は反対を表明した。制度廃止の是非自体は今後も下級審で審理が続く。 最高裁は５月、約３５万人のベネズエラ人が利用する「一時保護資格（ＴＰＳ）」の剝奪も当面認める判断を下した。不法移民の国外退去を進めるトランプ政権には追い風となっている。
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