来日中のバングラデシュ首脳ムハマド・ユヌス氏が、日本テレビの単独インタビューに応じました。ノーベル平和賞を受賞したユヌス氏が語る、世界の平和とは。 先月30日、石破総理大臣が会談したのは、バングラデシュ政府のトップ・ユヌス氏です。2006年にノーベル平和賞を受賞したユヌス氏。去年、長期政権が崩壊したバングラデシュを立て直すため、政府のリーダーに選ばれました。 先月29日、日本テレビは、ユヌス氏に単独インタビュー。いま、世界を揺るがすトランプ大統領の「アメリカ・ファースト」政策をどのように見ているのでしょうか。 バングラデシュ・ユヌス首席顧問 「一部の国が豊かになる一方で、他の国は後れをとっています。両者の距離は、世界に多くの緊張をもたらすでしょう」 富の集中は格差を生み出し、世界に緊張をもたらすと警鐘を鳴らしました。そこでユヌス氏が提唱するのは、“分かち合う”こと。 バングラデシュ・ユヌス首席顧問 「私たちが分かち合うシステムを見つけませんか？　人間はただ利己的なだけの存在ではないと、私は言いたいです」 「貧困なき世界をつくる」との信念を掲げ、貧しい人々に融資する「グラミン銀行」を運営してきたユヌス氏ならではの考えです。 そして、平和への思いは…。 日本テレビ・伊佐治解説委員長 「いまを戦前にしてはいけません。今日の世界にどのような警告を発しますか？」 バングラデシュ・ユヌス首席顧問 「国防省があるのなら平和省もあるべきではないでしょうか？　私たちはいつも平和について話していますが、平和のために行動していません」 平和に向けて行動するための具体的な仕組み作りが重要だと強調しました。自らの信念を国家運営でも貫き通せるか、その手腕が問われるユヌス氏。希望を持ち続けたいと、力強く語りました。 バングラデシュ・ユヌス首席顧問 「希望は平和を実現するための最も重要な要素です。希望を生み出すことができれば、平和は簡単に実現するのです」