オートバイ「メグロ」ブランドの「聖地」として知られる栃木県那須烏山市は、ふるさと納税の返礼品として、オートバイのレストア（修復）やカスタム（改造）用のチケットを新たに登録した。 　市は「メグロを突破口に市の魅力を知ってほしい」とＰＲしている。（大屋敷英樹） 　メグロを生み出したのは、大正時代に東京で創業した「目黒製作所」。同社の工場は太平洋戦争末期の１９４４年に烏山町（現・那須烏山市）に疎開し、戦後の６４年まで操業していた。 　同社は川崎航空機工業（現・川崎重工業）に吸収合併されたが、根強いファンが多く、２０２１年には川崎重工業子会社のカワサキモータースから復刻モデルも発売されている。 　那須烏山市は、かつて企業城下町として活況を呈していた歴史を踏まえ、「メグロの聖地」としてＰＲしており、２１年から毎年、バイク愛好家団体や市観光協会などが連携したファン集会も開かれている。 　今回、返礼品を提供するのは同市上境のカスタムバイク専門店「ＣＲＯＷＳ（クロウズ）」。１９４９年製「メグロＺ号」の復元プロジェクトに中心的に取り組んでいる。 　今回のチケットで可能となる「レストア」は単なる修理ではなく、レトロバイクや名車などを新車同然によみがえらせることを指す。「カスタム」は依頼者の要望に応じて既存のバイクを個性的なものに仕立てることを示す。同店はメグロを含む各種バイクの相談に応じるという。 　市は３３５万円から１０００万円の寄付金に対し、返礼品１００万〜３００万円のチケットを提供する。年収数千万円以上の高額納税者が対象となる見込みだ。部品調達の都合などから、あらかじめ同店に確認の上で市に寄付を申し込む必要がある。 　同店の沢村宜樹代表（４１）は「バイクは自己判断でどこにでも行ける自由さが魅力。バイクを通じて街おこしに貢献したい」と話している。 　市まちづくり課は「市民にもバイク愛好家を温かく迎える雰囲気が醸成されている。メグロの聖地として、ふるさと納税をテコに観光・市民交流の目玉にしたい」としている。問い合わせは同課（０２８７・８３・１１５１）へ。