【エルサレム＝福島利之、ワシントン＝向井ゆう子】パレスチナ自治区ガザでの戦闘を巡り、イスラム主義組織ハマスは５月３１日、米国の新たな停戦案に対する回答を仲介国に提出した。 ハマスは、恒久停戦の実施を主張するなど停戦案の修正を求めており、米国のスティーブン・ウィトコフ中東担当特使は「全く受け入れられない」と批判した。 ハマスの回答は、６０日の停戦中にハマスが生存する人質１０人と遺体１８体を引き渡し、イスラエルがパレスチナ人の収監者を釈放するとの内容が軸だ。ウィトコフ氏の批判を受け、ハマスの政治局顧問、タヘル・ヌヌ氏は中東の衛星テレビ局アル・ジャジーラに「ウィトコフ案を拒否したわけではない。提案したのは、停戦と支援物資の供給の保証だ」と説明した。 ウィトコフ氏は５月３１日、Ｘ（旧ツイッター）への投稿で「事態を後退させるだけだ」とハマスの修正案を拒否し、「（米国の停戦案が）６０日間の停戦合意に至る唯一の方法だ」と強調した。一方、イスラエルの首相府は同日、「イスラエルはウィトコフ氏の枠組みに同意したが、ハマスは引き続き拒否している」との声明を出した。
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